コンビニ(1.0%増)、総合スーパー(1.1%減)、百貨店(3.2%減)、8月の販売統計の明と暗
昨日からほんとうに秋らしくなって、
夜には、鍋が食べたくなった。
秋の長雨。
これも、いい。
秋分の日がおわり、
どんどん昼が短くなる。
今日は平日、金曜日。
今日、休暇を取れば、
サラリーマンは4連休となる。
金曜日の商人舎ホームページ.
昨日、一昨日の「新日本スーパーマーケット協会全国大会」のブログ。
懇親会編と大会編。
[1週間分を求めて読む・見る]のボタンでも見られます。
ぜひご覧ください。
商人舎ホームページ右段のtodayは、
金曜日恒例のブログ「林廣美の今週のお惣菜」。
今週は、「絶品サバのしょう油煮」。
今週から始まった森下兼年さんの「スーパーマーケットの省エネ環境戦略」。
まだイントロダクションの段階だが、これからどんどん充実していくはず。
さらに商人舎研究チームによる「物流クレート標準化物語」。
最新情報は、「東北CGC導入概要」。
立教大学大学院「結城ゼミ」ブログも好調です。
私が毎週土曜日に講義し、指導している「結城ゼミ」を、
大学院生の気分で、ちょっと覗いてみてください。
商人舎と提携している「流通ニュース」の「新店ルポ」も、
実に有益な情報だ。
さて、立て続けに、
小売業各協会からの8月の販売統計が出ている。
今日は、そのまとめ。
この8月は観測史上最高の「猛暑・酷暑・炎夏」。
それを活かしたのはどの業態だったのか。
活かせなかったのはどの業界だったのか。
何事も、メリットがあれば、
必ずデメリットがある。
それが21世紀社会の最大の特徴。
「夏の暑さ」はどう影響を与えたのか。
第1は、コンビニの8月販売月報。
日本フランチャイズチェーン協会発表。
既存店の売上高は前年同月比プラス1.0%。
7月に続いて、2カ月連続の増加。
その7月は14カ月ぶりのプラスだった。
9月も、10月のタバコ増税値上げを控えた駆け込み需要で、
3カ月連続売上高プラスは保障されている。
しかし、その後は極端に落ち込む。
既存店の客数はプラス2.9%、
平均客単価はマイナス1.9%。
客単価のマイナスは連続21カ月となってしまった。
その客単価は565.0円、
10チェーンの全客数は11億9800万人。
大手コンビニの店数はいまだ増加傾向にある。
総店舗数は1.7%増えて、4万3270店。
ますます寡占化を強めている。
商品部門別売上構成比は、
日配品が34.5%で、前年同月比プラス1.7%、
加工食品は31.4%で、プラス7.2%、
非食品が30.1%だが、これはマイナス0.5%、
そしてサービス部門は構成比4.0%だが、プラス7.5%。
コンビニも「サービス業化」に拍車がかかる。
第2は、総合スーパーを中心とした統計。
日本チェーンストア協会8月の「チェーンストア販売概況」
会員企業62社、7853店だが、
チェーンストア協会の売上げのうち約6割が総合スーパー。
その既存店総販売額は前年同月比マイナス1.1%。
こちらは「猛暑・酷暑・炎夏」のご利益を売上げにつなげられなかった。
前年同月比割れは21カ月続いている。
大部門別売上概況は、食料品がマイナス0.8%、
衣料品もマイナス0.6%、住関連品マイナス2.3%、
サービスもマイナス1.9%、その他マイナス2.1%と、
全部門でマイナス。
飲料、アイスクリーム、麺類、ビール類、スイカなど売れたが、
なぜか食品も全体に売上げダウン。
第3に、百貨店の8月売上高概況。
日本百貨店協会が一足先に先週末の9月17日に発表。
92社・263店舗の総売上高は前年同月比マイナス3.2%、
約4346億円で、これは30カ月連続マイナス。
7月は、マイナス1.4%と減り幅が回復していたが、それも逆戻り。
中国人をはじめとする外国人売上げが、
プラス16.5%で10カ月連続増加したが、
それも焼け石に水。
尖閣諸島問題が長引くと、
これは百貨店の営業にも響くことになるかもしれない。
食料品、衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品は全カテゴリーが減少。
惣菜、その他家庭用品、美術・宝飾・貴金属、家具などの高額品は増加。
百貨店らしい商品群は少しずつ好調傾向を表している。
日本全体が好景気というわけにはいかない。
日本全体がどうしようもなく、営業不振というわけでもない。
「猛暑・酷暑・炎夏需要」は確かに「神風」だった。
それを活かせるか、活かせないか。
小売業態の違いによって、活かしやすい場合、活かしにくい場合も、あるだろう。
店によっても、活かしやすいところ、活かしにくいところがあるだろう。
だからこういった統計といっても、
そのまま自店の営業状況が比例的に反映したものとはならない。
何しろ今月の商人舎標語は、
「Think one thing at a time」なのだから。
つまり、全体の統計は、言い訳にはならないということだ。
21世紀の特徴。
「あちらが立つときには、こちらが立たず。
こちらが立つときには、あちらが立たず」
メリットとデメリットが同時に表れる。
そうすると、いかに、自らを環境に適応させるかの競争となる。
あるいは、どう、環境変化に耐えられる仕組みをつくるかという問題になる。
発表が残っているのは、
食品スーパーマーケットやフードサービスだが、
これは来週。
果たして「猛暑・酷暑・炎夏」需要を取り込めたのか。
顧客の期待に応えることができたのか。
各店舗ごとに、8月、
環境変化に対応できたのか、できなかったのか。
That is the question.
それが問題だ。
<結城義晴>