上田惇生先生の快気祝いとドラッカーの言葉「常になされるべきことから考える癖をつける」
ユニクロの創業感謝祭が始まった。
朝日新聞の一面買いきりで広告。
今日11月20日(土曜日)から、
23日(火曜日)の勤労感謝の日まで、
実にいいタイミング。
年末商戦のさきがけ、
ボーナス商戦のさきがけ、
立冬から真冬への転換期、
そして勤労感謝の日。
ユニクロとファーストリテイリングの前身は、
「小郡商事」。
その創業が、この時だった。
今年は61周年。
柳井正CEOがそれを最大限に活用した。
利用しただけではない。
活用した。
だから、発展性がある。
今日20日午前6時に来店した顧客には特典がある。
「すぐに使える1000円offクーポン」などのスクラッチカード。
これにはハズレがない。
そして早朝6時先着100名の顧客には、
アンパンと牛乳がふるまわれる。
朝日新聞のユニクロのチラシ広告の目玉は、
スーパーマーケットで展開される
「日替わり」方式。
20日はヒートテック990円。
それとウルトラライトダウン3990円。
初日はインパクトが不可欠。
だから二つの日替わり商品を用意した。
そして21日はマイクロフリース790円、
22日はフランネルチェックシャツ990円。
この「日替わり」のやり方を最初に考えたのは、
サミット㈱の販促担当だった堀さん。
こういったノウハウは大抵、
発案者のなまえが残らない。
だが、考え方や方法は残る。
それでいい。
ユニクロの創業感謝祭。
様々な思いが詰まっている。
それが顧客のマインドをつかむ。
さて一昨日は、
コーネル・ジャパンの講義が終了してから、
大宮に駆けつける。
「ドラッカーの分身」上田惇生先生の、
ご病気快気祝い。
企画者は、
商人舎エグゼクティブ・ディレクター川勝利一さん。
上田先生がこれほど信頼している人は少ない。
上田先生、川勝さん、私、
そして日本スーパーマーケット協会専務理事の大塚明さん。
この図は、コーネル・ジャパンの、
「ファカルティ会議」でもある。
上田先生、大塚さんともに講師だからだし、
川勝さんは上田先生のマネジャーのような存在でもある。
会話はドラッカーの思想を展開している実例こそが、
最も大切だという方向で進む。
有意義で、快適な、会話。
上田先生の快気祝いということそのものが、
私たち全員を勇気づけた。
上田先生は私たちにプレゼントをご用意くださった。
ドラッカーの遺作。
『プロフェッショナルの原点』
それを上田先生が加筆しつつ翻訳。
サインもいただいた。
ドラッカー自身が選んだ「95の言葉」
それに解説がついている。
ご一読をお勧めしたい。
私は特別に、上田惇生先生から、
励ましとお勧めをいただいた。
お許しもいただいた。
意義のある夜だった。
特に、この機会を設けてくれた川勝さんに、
こころから感謝。
さて、昨日は、
プラネットユーザー会2010。
東京国際フォーラム。
会場はホールB7。
参加企業数231社、参加人数561名。
過去最多となった。
まず、玉生弘昌代表取締役社長から開催のご挨拶。
EDIを左脳(定型業務)、
バイヤーズネットを右脳(非定型業務)にたとえた。
どちらもプラネットの基本機能。
パソコンを使用した現代の会社の業務について、
玉生さんはいつも考察している。
その主張と結論。
「プラネットはハードウェアでもソフトウェアでもなく、
“流通ウェア”サービス会社である」
基調講演は、
全日本食品㈱齋藤充弘代表取締役社長。
テーマは「小商圏時代のスーパーマーケット経営」
サブテーマは、
「製配販一体となって行う消費者視点のマーケティング」
不況、高齢化社会の今、
お客様はできるだけ自宅から近くで買い物したい。
短時間で、その時必要な分だけの買い物をしたい。
つまり、日本のスーパーマーケットは、
さらにさらに「小商圏の時代」を迎えている。
それが斎藤さんの講演の趣旨。
途中、実際の詳細なマーケティングの話は
マーケティング担当の佐藤さんにバトンタッチ。
POSデータをいかによく分析し、
売れ筋商品や適正価格を決めるか。
自動発注システムjを使用し、
いかに適正な数量を発注するか。
顧客カードからデータを収集し、
その顧客の販売頻度の高い商品を提案し、
買いそうな商品の顧客別チラシをつくる。
まったく新しい販促戦略。
これからの時代、データ管理がいかに大切か。
それが存分に語られたセミナーだった。
最後に上田先生からプレゼントされた
『プロフェッショナルの原点』から。
第1章の最初に出てくる言葉。
それはドラッカー自身が遺作の最初の言葉にしたもの。
「なされるべきことをなす」
「成果を上げる知識労働者となるためには、
なによりもまず、なされるべきことは何かを考えねばならない」
「何をしたいかではなく、
何がなされるべきかから考えねばならない。
しかる後に、何が自らの強みに合うかを考えねばならない」
「強みでないものを行ってはいけない。
他の者にまかせねばならない」
ドラッカーの言葉は多大な経験に裏打ちされている。
30代、40代の勢いに乗った人間の発言とは異なる。
しかし95歳まで生きた哲人の言葉。
真摯に、謙虚に、受け止めたい。
「常になされるべきことから考える癖をつける」
いまの私の姿勢そのものである。
<結城義晴>