「勤労感謝の日」翌日から売場をガラリとクリスマス・年末商戦仕様に「劇激変」させるのがドラマティック!
Everybody! Good Monday!
[vol47]
最近、私が凝っていること。
“Good Afternoon!”
“Good Evening!”
別れ際にこの言葉を使うこと。
日本語にすると、
“Good Afternoon!”は「こんにちは」
“Good Evening!”は「こんばんは」
午後や夕方、人に出会った時のご挨拶のように考えられているが、
しかし“Good Afternoon!”には、
文字通り「良い午後をお過ごしください」
“Good Evening!”には、
「夕方の時間をよりよく過ごしてください」
そんなニュアンスが込められている。
ちょっと古いイギリスのドラマなど見ていると、
そんなシーンが出てくる。
例えば、アガサ・クリスティ、
コナン・ドイル。
この会話、なぜかとても、いい。
だから今日は一日中、使える。
“Good Monday!”
さて、2010年第47週の始まり。
今週を含めて、あと6週。
雷さんではないが、
「月日のたつのは早いものだ」
今年1年、「今週は第〇週です」といい続けて、
「ウィークリ―・マネジメント」を訴え続けてきた。
ずいぶん理解され、浸透してきた。
そのことが素直にうれしい。
もちろん、1月第1週を「第1週」と決めつける必要はない。
2月末決算の会社は、
3月第1週を「第1週」とすればいいし、
3月末決算の会社は、
4月から「第1週」を始めればいい。
数字というのは不思議なもので、
それだけで一瞬のうちに、ある概念を想起させる。
使い方によっては、
マネジメントにとって極めて都合が良い代物。
「3割」といえば野球選手にとって、
一流の打者であることが一瞬のうちにわかる。
「90」といえば、ゴルファーにとって、
ボギーペースでラウンドしたことがすぐわかる。
「第47週」といえば、
どんな週で、何をしなければならないか、
顧客の生活がどうなっていて、
だから我々はどう行動すれば、
お客様を喜ばすことができるか。
そんなことが一瞬のうちに、
全従業員にわかる。
それが私は理想の組織だと思う。
理想の組織運営のために、
「数字」を上手に使うこと。
これはとても面白いし、
意欲がかきたてられることだ。
さてその第47週の今週。
明日の火曜日11月23日が、
「勤労感謝の日」の祭日。
例によって、1948年に公布され、施行された『祝日法』によって、
趣旨が決められている。
「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」
「たっとび」とは「尊び」と書くが、
たっとぶものが「勤労」、
祝うのが「生産」、
そうして「国民互いに感謝しあう」。
ここで現在では「生産」は、
「財」を「生産製造」し、「流通」させ、
「小売り」するところまで含まれてくる。
マーケティング・コンセプトの発展段階は5つある。
故田内幸一先生著『マーケティング』に出てくる。
第1が「生産志向コンセプト」、
第2が「製品志向コンセプト」、
第3が「販売志向コンセプト」、
第4が「マーケティング志向コンセプト」、
そして第5が「社会マーケティング志向コンセプト」。
「勤労感謝の日」 の趣旨にある「生産」は現在、
その(生産志向)の後の「製品志向」「販売志向」から、
さらに「マーケティング志向」「社会マーケティング志向」へと、
展開発展を見せている。
小売りサービス業は、
この「勤労感謝の日」にも勤労する。
だからこそ、他産業以上に、
「勤労感謝の日」の主役の意味が重いんだと思う。
勤労感謝の日のおおもとは、
飛鳥時代・皇極天皇の世に始まった新嘗祭に遡る。
「にいなめさい」あるいは「しんじょうさい」と読む。
1872年の明治4年から戦前の大日本帝国時代まで、
新嘗祭として11月23日に祭日が設定されていたが、
戦後、米国占領軍GHQによって「勤労感謝の日」に改められた。
だから「勤労感謝の日」は、
アメリカ・カナダの“Thanksgiving Day”の日本版でもある。
ウィキペディアは表現する。
「戦前日本と米国の祝日の要素を
密かに併せもつ一種異様なハイブリッド」。
その米国感謝祭は、11月第4木曜日。
「ナショナルホリデーNational Holiday」のひとつ。
日本と比べ物にならないくらい盛大に行われる。
これもウィキペディアの表現では、
「たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会」。
多くの州では、木曜日の感謝祭翌日の金曜日も祝日となる。
だから4連休のDay After Thanksgivingとなって、
日本でいえば、「冬休み」「春休み」のかわりの「秋休み」のようなもの。
小売サービス業における感謝祭は、
完全に「クリスマス・セールの前哨戦」。
感謝祭当日の木曜日の翌日・金曜日には、
特別セールが行われる。
この日を「ブラック・フライデー」と呼ぶ。
「黒字」になるから。
そして近年、週明けの月曜日が、
「サイバー・マンデー」と呼ばれるようになった。
オフィスからのネットでクリスマス・プレゼントが売れるから。
日本に適用して考えると、
「勤労感謝の日」の翌日から、
売場をガラリとクリスマス・年末商戦仕様に、
「劇的な激変」をするのがドラマティック。
いかがだろう。
今週は水曜日から、
あるいはちょっと譲っても、
土曜日から「クリスマス・年末年始商戦」が始まっている。
柳田稔法務大臣が辞任したことなど、
気にしてはいられない。
日経新聞調査の「今冬のボーナス」中間集計が、
全産業1人当たり前年比マイナス1.17%となったことも、
さして問題視しなくてよろしい。
一途に、顧客を喜ばせることに邁進する。
そんな冬の商戦が始まる。
今月11月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
毎日毎日、この心構え。
それが充実した日々を、
私たちにプレゼントしてくれる。
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>
[追伸]
五十嵐ゆう子さんのWEB小説「Thank you~命をありがとう~」が、
先週木曜日をもって、40回の連載を終了しました。
五十嵐さんに「命をありがとう」と、
お礼の言葉を贈りたいと思います。
心から感謝します。
〈どこかの出版社の編集者の方、
単行本にしませんか?
結城義晴と浅野秀二が責任を持って販売しますよ〉