クリスマス・年末商戦突入と日本マクドナルド原田泳幸の「値下げも値上げもしない」ポリシー
Everybody! Good Monday!
[vol48]
2010年第48週です。
そして11月と12月の繋ぎの週。
ということは、日本では勤労感謝の日が終わったあとは、
アメリカのサンクスギビングデーの後と同様に、
クリスマス・年末商戦一色になる。
すなわち今週からもう、
「ジングルベル♪ ジングルベル♪」
もちろん、「わが社わが店は違います」というのも、
大いに結構。
「淡々と冬支度」
これもいいだろうし、
師も走る「師走」で、
「今日も一日、慌てず、急げ」を、
コンセプトにするのもいいだろう。
泣いても笑っても、
あと5週間で今年の終わり。
「たいへんよくがんばりました」
小学校の先生から、
花丸のハンコを押してもらった時は、
うれしかった。
あのハンコを、みなさんにあげたい。
そんな気分です。
あと5週間。
11月16日の商人舎二人のビッグセミナーで、
林廣美先生が最後に言っていたけれど、
「今年の年末はギリギリ消費」
当日まで、購買は動かない。
クリスマス商材は23日、24日に集中する。
その前も、そのあとの25日も、
背中がぞっとするほど動かない。
しかし当日にどっと来る。
年末年始商材も、30日、31日に 、
どっと購買が起こる。
そのことを念頭に入れて、
直前までは辛抱に次ぐ辛抱。
当日は、「失敗を恐れない」心持で、大爆発。
これです。
しかし、生活の機微を捉えて、
生活者の心理を読み取って、
観察し、熟考すれば、
「ギリギリ消費」直前までのアソートメントは、
見えてくる。
これが2010年12月のマーケティングの鍵を握る。
その12月商戦は、もう始まっている。
アメリカでは、 「巣ごもり消費」のトレンドが一段と強まっている。
ウォルマートは、サンクスギビングデー後に作戦を立てた。
名づけて「サイバー・ウィーク」。
11月28日から12月3日まで、
インターネット販売でディスカウント攻勢に出た。
先週月曜日のこのブログで「サイバー・マンデー」のことを書いたが、
米国の調査会社コムスコアは予測している。
「今年の年末商戦のネット通販売上高が、
昨年より11%伸びる」
日経新聞のニューヨーク特派員杉本晶子さんが、
今日の国際欄で報じている。
アマゾン・ドット・コムも、ベスト・バイも、
ウォルマートもターゲットも、
ネット販売ディスカウント攻勢に出ている。
杉本さんは総括する。
「今年はネット主導の販促がまずまずの出足につながったが、
実店舗でのさらなる値引きの呼び水ともなっており、
小売り各社には痛しかゆしの構図となっている」
日本でも、チラシからネットへと販促手法が、
すこしずつ移行し始めている。
「カミ(紙)からアミ(網=ネット)へ」
この「網の販促」が、
「紙の販促」をリードする時代に、
「プロモーション」の中身が、
「低価格」だけではいけない。
日経の「人こと」に、
日本マクドナルドホールディングカンパニー
原田泳幸会長兼社長。
「値上げも値下げもしない」
世界的な農産物の高騰は一昨日書いた。
その中でも、日本マクドナルドは、じっと辛抱を決め込む。
「日本での値上げは来年以降も含め考えにくい」
同社は2010年末の決算でも、
「7年連続で全店売上高が増収の見通し」
「(低価格戦略が)2年間維持すれば本物だが、
本当にもつのか」
原田さんの競合他社へのけん制の言葉だが、
外食に限らず、2年以上持続可能な低価格戦略でなければ、
いや、半永久的に貫徹できる施策でなければ、
本当の「低価格戦略」とはならない。
ウォルマートは本来、「エブリデー・ロー・プライス」だった。
それが「プライス・マッチング」政策の行き過ぎで苦境に立っている。
ウェブにおけるディスカウントも、
本来の「エブリデー・ロープライス」の補強作戦であれば問題ないが、
それを逸脱すると、取り返しのつかないことになる。
原田泳幸の「値下げも値上げもしない」ポリシー。
これは今、キラキラ光る「ポジショニング」ではある。
では今週も、「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>
[追伸]
「常盤勝美の2週間天気予報」
お見逃しなく。
「浅野秀二のアメリカ寄稿」は、
「ワシントンDCとニューヨーク」
こちらも御覧ください。