ジョン・レノン「想像してごらん」と万代DD会欧州報告会講演
30年前の今日、ジョン・レノンが銃弾に倒れた。
私は㈱商業界に入社し、3年目。
『販売革新』編集記者の名刺を持っていた。
ジョンは、呼びかけた。
“Imagine”
「想像してごらん」
あるいは、
「想像してみようよ」
何を?
“there’s no heaven”
「天国なんてない」。
“it’s easy if you try”
「想像さえすれば簡単にわかる」
キリスト教を信じる欧米人に対しては、
大胆な呼びかけ。
ジョンは続ける。
“Imagine there’s no countries”
「想像してごらん。
国の垣根もない」
“I wonder if you can”
「これを想像するのは難しいかな」
そして言い切る。
“Imagine no possessions”
「想像してごらん。
財産もない」
ビートルズ時代の曲“Across the Universe”。
そのイントロがいい。
“Words are flowing out
Like endless rain into a paper cup”
「言葉はペーパーカップの中にあふれていく。
まるで止まない雨のように」
“Nothing’s gonna change my world”
「だれも僕の世界を変えることはできない」
こんな歌詞を思い出していると、
「ジョンは死ぬべくして死んだ」
そんな気分になってくる。
合掌。
さて、国際的な学習到達度調査「PISA」の結果が公表された。
調査したのは経済協力開発機構(OECD)。
65カ国・地域の15歳の生徒を対象として、
3カテゴリーについてランクをつける。
日本はというと、
「読解力」で8位。
前回2006年は、15位だった。
これはいわば「国語力」。
「科学的リテラシー(応用力)」は、5位。
これは前回が6位。
そして「数学的リテラシー」は9位。
前回10位。
3カテゴリーで順位を上げた。
これ自体はうれしいこと。
3カテゴリーともダントツ1位は上海。
国ではなく、一都市ごとに参加できる制度を、
中国らしく、うまく利用した。
しかしそれでも、上海はすごい。
シンガポールもいずれのカテゴリーでも5位以内。
そしてすべての分野で上位5位以内に、
フィンランドを除けば、アジアの国や地域が入った。
アジアの時代をImagineさせる。
しかし「国なんてない」ことは、
Imagineしにくい。
さて昨日は、万代ドライデイリー会の定例総会での講演。
この秋、一緒にイギリスとフランスの小売業視察を行った。
その総括講演と、スライドをまじえた最新動向の報告。
パワーポイントで作成したスライドが、思いもかけないトラブルで混乱。
なんとか、撮影したままの画像をお見せして解説したが、
皆さんにご迷惑をおかけした。
そのトラブルの分、講演には力がいつも以上に入った。
イギリスのスーパーマーケットは上位三社で63.7%の三占。
テスコ、アズダ、セインズベリー。
フランスは上位4社で55.6%の寡占。
カルフール、オーシャン、カジノ、ルクレール。
その理由は、イギリスとフランスでは異なる。
私なりの仮説だが、それを初めて明らかにした。
いかがだったろうか。
結論は「食のプレジャー」
楽しさ・喜びを正義にしよう。
そして菱食特別顧問・廣田正さんの言葉。
「いまやメーカーにとって、卸売業が顧客ではない。
卸売業にとって、小売業が顧客ではない。
メーカーも卸売業も小売業も、
コンシューマー・カスタマーこそ共通の顧客だ」
いずれにしても、ご清聴に心から感謝申し上げたい。
その後は各分科会の欧州ツアー報告を聞いて回った。
はじめはデイリー部会。
次にデリ部会。
最後はグロサリー・日用雑貨部会。
メーカー・卸売業の中堅が中心の欧州勉強会だったが、
その理解力・応用力に、感心した。
日本のビジネスマンは本当に頼もしい。
全部会に私の時間を三等分して参加。
求められれば即興で講評。
私の主張する概念や言葉使いがどんどん広がってゆく。
そのこと自体、恐ろしくもあり、責任も感じる。
そして、懇親会。
開会の挨拶は、小野喜久男さん。
㈱日本アクセス執行役員・近畿支社長代行。
食事が終わって、懇親会場は、
大阪プロレスの中小企業の守り神「えべっさん」登場で一気にくだける。
商売繁盛を願って㈱万代の加藤徹社長と磯田雅人取締役と記念撮影。
万代グロサリー部マネジャーの小西ゆかりさんも、
えべっさんに商売繁盛祈願のお祓いをしてもらった。
小西さんは欧州ツアーに紅一点で参加してくれた。
えべっさんの後に、悪役レスラー「ブラックバファロー」登場。
大阪プロレスは、万代と日清製粉の協力でイベントを開催し、
大成功を収めた。
関西地区のみなさん、大いに沸いた。
このコテコテは、日本を元気にする。
中締めのご挨拶は、ケイ低温フーズ㈱社長の龍首文昭さん。
コーネル二期生の国分㈱の山崎佳介さんとパリ以来の再会。
最後に、万代の幹部の皆さんと写真。
全員が商人舎USA視察研修会参加の商人舎ファミリー。
関西のメーカー・問屋の幹部・中堅社員のみなさんも、
いってみれば商人舎ファミリー。
ともに学ぶファミリーがどんどん増えていく。
それは率直にうれしい。
学ぶところには、
「国の違いはない」。
「財産もない」
「天国も地獄もない」
ジョンの声が聞こえるようだ。
ふたたび合掌。
<結城義晴>