寒波クリスマスの西武・有楽町店閉店に思う
東北・北海道、そして日本海側は、
寒波クリスマス。
だからホワイト・クリスマス。
ヨーロッパにはもっと激しい寒波来襲。
ロンドンのヒースロー空港はマヒ状態だったが、やっと正常化。
その代りパリのシャルル・ド・ゴール空港は400便がキャンセル。
ドイツ・デュッセルドルフ空港は閉鎖、
ベルギー・ブリュッセル空港でも欠航便続出。
日本はやっと冬らしくなって、
突然の雪は、何かと暮らし向きには大変だろうが、
ホワイト・クリスマスのロマンティシズムを感じ取って、
生きる糧にしてほしい。
商売のエネルギーにしてほしい。
ヨーロッパの寒波ほどではないのだから。
午前7時、東海道線の辻堂から茅ケ崎あたりを通過中。
朝日が美しい湘南。
それぞれの朝があり、
それぞれの暮らしがある。
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。
クリスマスの今日、
これを実感したい。
さて菅直人内閣。
昨日クリスマス・イブの夕方の臨時閣議で、
来年度予算を決定。
国家予算規模を表す一般会計総額は、
92兆4116億円。
2010年度当初予算に比べてプラス0.1%。
税収がこの予算にはるかに及ばないから、
新規国債を発行する。
つまり借金をする。
その額は、44兆2980億円。
これは過去最悪だった前年度並み。
「2年連続で借金が税収を上回る」ことになり、
まさに異常事態。
会社経営ならば、
社長は首。
私が㈱商業界社長のとき、
㈱セイミヤ会長の加藤榮一さんに言われたことがある。
「借金が2カ月分の売上げになったら、
会社は危なくなる」
加藤さんは商業界の全国連合同友会長として、
日本中の商業者の指導をしていた。
その加藤さんの実践理論からしても、
今回の一般会計は異常。
借金が6か月分になって、
加藤実践論の3倍。
新聞各紙こぞって、「国の財政運営限界」を唱える。
その菅首相、来年1月の通常国会に向けて、
内閣改造を意図している。
立ち上がれ日本の平沼赳夫代表などに打診。
借金過多で資金繰りが苦しいときに、
人事で乗り切ることは絶対にできない。
まずは、資金繰りだ。
それが経営。
行政府にイノベーションとマーケティングが要求されるが、
そのまえにマネジメントは必須条件である。
さて今日のクリスマスをもって、
有楽町・西武百貨店が閉店する。
今や㈱セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武のひとつの顔。
私はずっと、この判断は正しいと言い続けている。
むしろ遅いくらいだ。
鈴木敏文会長は言う。
「1984年の開店以来、一度も黒字を出したことがない店」。
今年2月決算で年商138億円。
1992年度が売上高のピークで、
260億円くらいだったが、
その半分ほどに売上げが落ちている。
その260億円時代にも利益が出ていないのだから、
どんな経営だったのかと耳を疑うが、
これも、菅政権と同じような体質だったに違いない。
いつも思うが、
今年に入ってからの閉店セールは好調で、
「12月は前年対比2.5倍」の売上げ推移。
2倍では赤字だったものの、
2.5倍ならばさすがに利益も出よう。
ここから学ぶ教訓。
その1、顧客は残酷なものだ。
死にそうな人間に世間の注目が集まる。
その2、死んだ気で仕事に向かえ。
「いつでも閉店・閉鎖」の心構えで店を経営・運営すること。
いつも開店の日の初心を忘れないこと。
開店日が閉店日。
この危機感を維持できれば、
いい店になる。
大創産業㈱社長の矢野博丈さんの心持ちがそれだ。
有楽町マリオン、
いっそのこと矢野さんに経営権を委ねて、
ダイソーを入れたらどうだろう。
西武百貨店だったダイソー。
日本中の商業者にとって記念碑的な教訓を残すことになる。
これこそ、日本商業へのクリスマス・プレゼントである。
では、みなさん、
Merry Christmas!
<結城義晴>