高知2日目、イオン、サンシャイン、サニーマート、ナンコクスーパー、A★MAX、マルナカ、フジを「見る・聞く」
「そういうことに疎い」発言。
各紙一面コラムが、これでもかと皮肉る。
読売新聞『編集手帳』は、
結婚披露宴媒酌人の失言を上げる。
「くろうとはだし」を「シロウトハダカ」との言い間違い。
しかしこれは、ちょっとトンチンカンなアナロジー。
朝日新聞『天声人語』は「言霊」(ことだま)までもち出す始末。
「リーダーの覚悟から絞り出す言霊だけが、
深く響くだろう」
言霊とは一般に「言葉に宿ると信じられた霊的な力」のことで、
私は、現代の総理大臣や経営者、リーダーに、
「言霊」は必要ないと思う。
邪馬台国の卑弥呼ではないのだから。
日経新聞は、
「失言に、市場はほとんど反応しなかった」
とマーケットの状況を伝え、
「危機感なき安定が長続きする保証はない」と結ぶ。
まあ、菅政権も日本経済も、
安定からは程遠いから、
これもちょっとずれてはいないか。
リスクマネジメントの観点からすると、
「不用意な発言」こそ最も危険で、
取り返しのつかないものだが、
発言する者も、
発言をあげつらう者も、
「今、それどころじゃないぞ」
さて私は、忙しい。
今日は一日、立教キャンパス。
ビジネスデザイン研究科の最終審査会。
1月中旬までに書いた修士論文や調査研究レポートの、
最終プレゼンテーションと質疑応答。
結城ゼミ6人ともに、
しっかりと発表し、
しっかりと質問に応えた。
私は本当に誇りに思った。
昨年度も良かったが、
さらに今年は、良かった。
昨日は、高知で、これも一日、
店回り。
ブルーチップ㈱専務取締役の宮本洋一さんにご案内いただいて、
アメリカやヨーロッパでの視察行並みに店舗を駆けずり回った。
勉強になったし、研究にもなった。
認識を新たにした。
ドラッカー先生や上田惇生先生の
「ポストモダンの7つの作法」ではないが、
いちばん大切な心得は、
「見る、聞く」
宿泊したホテル日航高知の最上階から高知市内を望む。
太平洋にそそぐ河口に朝日が映える。
残念ながら、この日の天気は曇り空。
高知滞在二日目に最初に訪れた店は、
サンシャインチェーン・ベルティス店。
山本洋史店長が案内してくれた。
この店も、生き生きとした店。
店長に問題意識を問うた。
「みんなをまとめることです」素晴らしい。
私は言った。
「勝利とは自ら勝ち取るものではない。
相手に恵んでもらうものだ」
このベルティス店と道を挟んで向かい側には、
リージョナル・ショッピングセンターのイオンモール高知が位置する。
ジャスコ高知店を核店舗に、トイザらス、スポーツオーソリティ、
さらにユニクロ、MUJI、などのライトオンなどの専門店街、
3階にはシネマコンプレックスが入る。
重要な点は、ジャスコの食品フロアと、
サンシャイン・ベルティスが、
道路一本隔てて対面しつつ競合していること。
誰が見ても、金曜日午前中の売場レベルは、
ベルティスに軍配が上がる。
サンシャインにも、イオンにも言いたいことはあるが、
それは控えよう。
ドラッカー先生流にいえば、両者公平に、
「見る」はしたが、「聞く」はしていないからだ。
その後、高知ナンバー1のローカルスーパーマーケットを連続訪問。
その名はサニーマート。
同社ホームページによると、
平成19年9月期段階の売上高が435億円。
高知・香川・愛媛に直営20店のスーパーマーケットを展開。
関連企業はサニーグループ全23社で、
年商800億円を超える。
そのサニーマートあぞの店。
さらに中型店のサニーマート御座店。
この店はウェグマンズなどをしっかり学習して、非常に良い出来。
最後は、サニーマートのサニーアクシス南国店。
この店が最大売上げを誇る。
私たちは、サンプルをたくさん買い込んで、
帰途に着いたが、買って帰りたい商品が満載された店舗。
次いで、ナンコクスーパー。
オール日本スーパーマーケット協会加盟の5店舗の会社。
そのナンコクスーパー下知店。
そしてかつて一世を風靡したナンコクスーパー・パステ店。
現在も固定客を集めて、しっかりした売場づくり。
ただし、私の「フォーマット論」からみると、
ややコンベンショナルな業態となっている。
そして㈱エースワンのA-MAX御座店。
1979年(昭和54年)、1%クンの店が設立されて、
スーパーマーケットに参入。
現在、ACE ONEというスーパーマーケット8店舗、
北陸のプラントに学んだスーパーセンター業態A★MAX4店舗。
サニーマートやサンシャインの対極を行くディスカウント業態で、
ポジショニングをつくる。
さらにリージョナルチェーンが進出。
まず愛媛県の松山に本部をもつフジ。
フジグラン葛島店にあるグランヴェスタ店。
営業収益3,025億円、店舗数95店の四国有数のチェーンストア。
愛媛県46店で、高知県にも8店。
他に香川県7店、徳島県5店、広島県19店、山口県10店で、
瀬戸内海を挟んだエリアに100店レベルの店舗網を持つ。
この店は、自社の各店舗によるネイバーフッドショッピングセンター。
もうひとつのリージョナルチェーンはマルナカ。
売上高2050億円、山陽マルナカなどグループを合わせると年商3561億円。
マルナカは主にスーパーマーケットの直営店131店舗を展開する。
その内訳は香川64店、徳島25店、そしてこの高知に16店。
さらに愛媛23店、兵庫3、 FC4店舗。
山陽マルナカは71店舗。
今年3月、ホールディングカンパニーのもと、
マルナカと山陽マルナカは統合される予定。
そのマルナカ南国店。
スーパーマーケットの食彩館と専門店の生活館で構成される。
昨年秋のイオンとの業務提携で、四国・中国地方の話題をさらったが、
今回の高知の店舗にはイオンのプライベートブランド「トップバリュ」は、
一品も並んでいなかった。
さて昼食は地元のレストラン・ヘラで昼食。
よくばり定食をいただき、大満足。
鳥の唐揚げ、ハンバーグ、チャーハンが一皿で味わえる。
私は現場第一主義を標榜している。
小売業・サービス業の場合、
現場はまず店になる。
そして現場とは、
そこに行ってみなければわからないことが多いところだ。
高知に関しては、ローカルチェーンの健闘が目立った。
それがサンシャインチェーンであり、
サニーマートである。
高知竜馬空港から30分かからない圏内に、
5店が競合している。
サンシャイン・カルディア、
サニーマート・アクシス南国、
ナンコクスーパー・パステ、
それにマルナカ南国店、
フジグラン葛島店。
全国でも有数の激戦地で、
それぞれにポジショニング競争が展開されている。
勉強には、うってつけのエリア。
このブログ、目を皿のようにして見ているどこかの専門誌、
クリニック特集でもいかが?
最後に、ずっと案内してくれた大西久司さんに感謝。
ブルーチップ㈱特販第三グループマネジャー。
全国各地で、コーネル・ジャパンの卒業生、現役のみなさんにお世話になる。
商人舎アメリカ視察やセミナーに来て下さった商人舎ファミリーにも。
さらに今回のようにメーカー、卸売業、小売関連産業のみなさん。
本当にうれしい。
この感謝の気持ちを忘れずに、週末に。
<結城義晴>
2 件のコメント
スーパーに通って近所のドライビングレンジに練習することが、日課になっています。
物価はだれが決めるのですか?
店長ですか?
又、仕入は・・・
秋本かずなりさま
店で販売する価格のことは売価といいます。
たいていの場合、仕入れはバイヤーといわれる仕入れ係が、
取引先と相談したうえで売値、すなわち売価を決めます。
食品スーパーマーケットでも、1万種類くらいの商品が並べられていますから、
それを一人の店長が決めるのは難しい。
もちろん店長であって、社長であるような場合は、
経験を積んだ人だから店長兼社長が決めるかもしれません。
しかし、バイヤーが売価を決めて、
店長や部門長が店ごとにそれを微修正するという分業が、
スーパーマーケットの基本的な仕組みです。
分業という仕組みが近代の小売業の基本となっています。
いかがでしょうか。
わかっていただけたでしょうか。
いずれにしても、ご質問、ありがとう。