1月の売上高統計・百貨店▲1.1%、総合スーパー▲0.1%、コンビニ+5.1%、しかし家庭用品・住関連・非食品は伸びた!
ジャイアントパンダの「比力」(ビーリー)と「仙女」(シエンニュ)。
思わず「二人が」と呼んでしまいそうだが、
かれらが上野動物園に来日して、
明るい話題が生れたかと思ったら、
ニュージーランド南島で、
マグニチュード6.3の大地震。
世界のニュースの明暗の落差がどんどん、
大きくなっていくような気がする。
昨日は、東京・増上寺。
芝増上寺は、
この時期から桜の季節まで、
ほんとうに、いい。
後ろに東京タワーのてっぺんだけ、
お笑いタレントのはなわの頭のように突き出て見えるが、
東京タワーから増上寺まで、観光ルート。
大門のところに、
「法然上人八百年御忌奉賛」とある。
増上寺は浄土宗の大本山。
その浄土宗は平安末期から鎌倉初期にかけて、
法然上人によって開かれた。
それから800年が経過する。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱がこの近くにあり、
その定例取締役会が開催された。
西川明宏社長、
頑張ってください。
さて、百貨店、総合スーパー、コンビニの1月販売統計が、
先週末から相次いで発表されている。
まず日本百貨店協会発表。
「1月の全国百貨店売上高概況」
調査対象企業数90社、店舗数259店舗。
売上総額は前年同月比マイナス1.1%。
昨年11月から3カ月連続ダウン。
「今冬は軽い負け続け」
金額にして約5541億円。
しかし1%そこそこのマイナスは、
今では当事者も、あまり気にはならないだろう。
実際、日本海側などで記録的な大雪に見舞われ、
来店客数が大幅に減った。
セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さんは、
「百貨店はコンビニの次に期待が持てる業態だ」と評価しているが、
大雪が降らなければその期待に応えることができたかもしれない。
天候に恵まれた関東の大都市中心部の百貨店は好調だった。
1月初売りの目玉「福袋」は全国的に完売が多かった。
今では百貨店に欠くことのできない要素「外国人による売上高」も、
前年を3.1%クリアした、2カ月連続で。
商品別には、
まず家庭用品が2カ月ぶりのプラス1.7%。
食料品は0.1%のマイナス。
衣料品マイナス2.0%、
身のまわり品マイナス0.5%、
雑貨もマイナス2.1%。
マイナスがあったりプラスがあったり、
そんなときには百貨店のトレンドは、
他の業態にとって役に立つ。
消費の最先端を行っているのが、
大都市の大百貨店。
できるだけ、訪れる機会をつくっては、
そのトレンドやファッションに触れることをお薦めしたい。
次に日本チェーンストア協会発表。
「1月のチェーンストア販売概況」。
こちらは会員企業数62社、店舗数7919店。
既存店の総販売額は前年同月比マイナス0.1%、
金額は1兆0865億円。
前年割れはなんと26カ月連続。
セブンの鈴木さんも、
「なんとかしなければならない」と語っている。
つまり「重傷」ということ。
部門別には、
食料品が前年同月比マイナス0.4%、
衣料品もマイナス1.2%だが、
住関連がプラス1.0%。
ずっと伸び続けてきたサービスはマイナス7.1%、
そして「その他」はプラス2.2%。
百貨店・総合スーパーの大型店は、
1月に家庭用品や住関連品が伸びた。
食品はちょっとダウンで、
衣料品が落ちた。
こんな消費像が浮かんでくる。
さて最後に日本フランチャイズチェーン協会発表。
「1月度のコンビニエンスストア統計調査月報」。
コンビニ大手チェーンから数えて10社の統計。
既存店売上高は前年同月比プラス5.1%。
一人好調。
金額は6050億8700万円。
既存店の客数は1カ月で10億0512万人、
これは前年同月比プラス0.7%。
同じく平均客単価もプラス4.4%で、
602.0円と600円を超えた。
私は、昨年から、
「コンビニはピークを迎えた」などと発言していて、
この点に関しては、訂正したうえで、
心からお詫びをしなければならない。
全店ベースでは、
店舗数は1.6%増えて4万3393店、
客数も2.3%増えて10億7992万人、
平均客単価も4.9%増えて608.9円。
その結果、
全店の店舗売上高は、
なんと7.2%も増えた。
コンビニピーク説など、
とんでもない。
ふたたび、お詫び。
商品カテゴリー別の伸び率と構成比をみると面白い。
日配食品がプラス5.3%で構成比33.1%。
コンビニの売上げのちょうど3分の1がこの分野。
弁当・総菜ももちろんここに含まれる。
加工食品もプラス2.6%で、構成比28.6%。
そしてなんと非食品がプラス13.2%で、
構成比34.0%。
雪が降ったりすると、
コンビニは完全に、
スーパーマーケットの代替機能を発揮する。
そうすると非食品もどんどん売れる。
さらにサービスは構成比4.3%とまだまだわずかだが、
伸び率はプラス5.3%。
決算期に向けて、
客数・客単価・店数とも増えて、
全部門が伸びた。
とりわけ非食品の伸長が著しい。
百貨店の家庭用品、
総合スーパーの住関連品、
コンビニの非食品。
1月にいちばん伸びた分野。
2月にも、3月にも、
なにか、できそうな気がする。
<結城義晴>