4月の商人舎標語は「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
4月1日です。
しかしエイプリル・フールなどで、
はしゃぐ気にはとても、なれない。
新しい年度の始まり。
場合によっては、
新しい生活が始まる人も、
いるに違いない。
この大震災・大津波が起こってから、
3月の21日間が過ぎて、
私は気づいた。
「私は日本が好きだ」
「日本人を誇りにする」
苦しい毎日だった。
まさに艱難の日々。
それでも、いや、
だからこそ、
気づかされた。
「日本が好きだ」
「日本人を誇りに思う」
これは確かに私にとって、
大きな収穫だった。
この思いと誇りを頼りに、
生きていくことができる。
「我復興日本の先兵とならん」
日経新聞コラム「大機小機」で、
コラムニスト自律氏が語る。
「情熱あふれる人々が
高い志をもって立ち上がろうとする姿は、
活力を失った現代社会への警鐘である」
「我復興の先兵たらん」
日本の商業・サービス業は、
今こそ「近代化発想」から「現代化思想」へと、
考え方を切り替える時だ。
「ポスト近代化」を鮮明にするときだ。
もう一つ、そろそろ明らかにしたいのが、
今回の震災の呼び方。
「関東東北大震災」か、
「東日本大震災」か。
もう「東北地方太平洋沖地震」の呼称は、
どこかへ行ってしまった。
朝日新聞の読者投稿『声』欄に、
「大震災」だけでなく「大津波」も、
呼び方のなかに入れてほしいという要望。
大きな津波被害を忘れないためにも。
これも、わかる。
私自身の個人的な見解は、だから、
「東北関東大津波大震災」
「東日本」などと「日本」の文字を入れると、
日本全土が被災し、
放射能にさらされているかの外国からの風評を、
増幅させてしまう。
さて最初に商人舎4月の標語。
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」
長い闘いになる。
特効薬や切り札はない。
全員が「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
この全員のたゆまぬ「ひとつ・すこし・いっぽ」が、
やがて大きな成果を上げる。
国も地域も「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
会社も個人も「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
店も売り場も商品も「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
改善も改革も「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
負けるな! 不屈の日本人。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
がんばろう! 東北。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
がんばろう! 北関東。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
関西は関西人の明るさ・おおらかさで、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
九州は九州人の熱さで、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
四国中国はその正義感で、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
北海道も中部も、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
こちらは、自粛ムードを断ち切ろう。
「我復興日本の先兵たらん」
この大和魂の心意気を世界中に、
ご覧入れよう。
さて4月のスケジュール。
堺屋太一さんの整理の通り、
この震災への「救助」段階は終わり、
「救済」真っただ中。
この後、4月中旬から地区によっては「復旧」に入り、
その後、「復興」になる。
今回は被災地が広かった。
だから救済しつつ、復旧に入る。
もちろん福島原発問題は継続している。
ますます深刻になっているようにも感じられるが、
これも日々、緊張感の中で、
長い闘いになりそうだ。
サルコジ大統領のフランスや、
やはりオバマ大統領のアメリカは、
とりわけ心強い味方になりそうで、
本当にありがたい。
4月の日本は、
「復旧」の第3段階のうちに、
月末のゴールデンウィークを迎える。
考えてみると、シンプルな30日間だ。
しかしシンプルだからこそ、
「選択と集中」が可能となる。
ピーター・ドラッカー先生も言う。
「選択と集中」こそ、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
さて今日は、茨城県の潮来市へ。
セイミヤを訪問。
加藤勝正社長を囲んで、
本部の皆さんと、
できる限りの元気な顔で写真。
商業界エルダーの加藤榮一会長とは、
故倉本長治先生の書の前で写真。
潮来や鹿島も被災した。
セイミヤ16店はいま現在、
全店が営業中。
そのうち断水の店が2店、
液状化にやられた店が1店。
それでも元気に、店を開けている。
元気を出そう。
元気を売ろう。
それがあなたの仕事です。
店を開けよう。
売場に立とう。
それがあなたの役目です。
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。
それしかない。
<結城義晴>
2 件のコメント
結城先生、こんにちは。
今回の地震に関する一連の災害を「東北関東大津波大震災」とする結城先生の
見解には大賛成でしたが、あいにく政府は「東日本大震災」と名付けたようですね。
「日本」という文言が入ってしまうことによってより広範囲な災害と海外に誤解され
やすくなってしまった気もしますし、これまでの三陸地方での津波被害は必ず最後
に”津波”の文言が入っていたので、それがないと、将来的に津波被害の印象が
早く風化してしまいそう、とも感じます。
それよりも何よりも、天気予報の世界では「東日本」というと、関東甲信・北陸・
東海地方を指し示し、肝心な東北地方は「北日本」に属します。その部分でも
違和感を感じます。
幸い小生は直接的に大きな被害を受けた人間ではありませんが、先生のブログ
にいつも大きく励まされます。これから頑張って続けて下さい!宜しくお願いします。
常盤勝美さま、貴重なご意見、心から感謝します。
天気予報の世界で、東日本は「関東甲信・北陸・東海」、
これは重要なことですね。
政府もマスメディアも、
言葉遣いに鈍感になっている気がします。
それが諸外国からの「日本の理解」に、
溝をつくっているのかもしれません。
誠に残念なことですが。
私たちもできるところから、
その是正への努力をしなければならないと思います。
ありがとうございます。