結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年04月18日(月曜日)

「吉野桜」の「千客万来」と「一目千本」の「言い切りと見える化」

Everybody! Good Monday!
[vol16]

2011年第16週、4月も第4週。
もうそろそろ、
ゴールデンウィークが、
見えてきました。

東日本大震災が起こったからといって、
ゴールデンウィークに、
消費をセーブする必要はない。

もちろん政府や地方自治体、
法人、個人揃って、できる限りの、
被災地復興へ向けた努力を重ねつつ、
被災しなかった地域では、
「救国の散財」に挑みたい。

どんどん消費する。
どんどん購買を促進させる。

今週は、ゴールデンウィークの前哨戦。
そのウォーミングアップ。

わくわくする提案を用意し、
矢継ぎ早に打ち出したい。

プロ野球の東北楽天イーグルスの選手が、
何か死に物狂いで野球をやっている姿を、
商売する自分に移し替えて、
必死で売場をつくり、
必死で売り込みたい。

それが私たちができることの中で、
被災地を支援する一番の仕事だ。

昨日、日本で一番混んだところ。
そのひとつに入ることは間違いない。
奈良県の吉野山。
商人舎ファミリーの安川光男さんのお招きに応じて、
急遽、駆け足で回ってきた。
安川さんは吉野ストア社長にして、
商人舎第2回USA視察チームの団長。
その時の団長方針は、
「明るく、楽しく、元気よく」
実に、全員をよくリードしてくれた。

その吉野の桜。

私は心から堪能した。

JR新幹線で京都に降り、
それから近鉄特急で吉野駅。
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外国人客や東京からの花見客が少ないとは言っても、
今年一番の出足。
駅前の茶屋は満員。
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ロープウェイ・ケーブルカーの行列の最後尾はここ。
左側がバスの行列。
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並ぶこと50分。
ケーブル乗り場の千本口駅が見えてきた。
右側は歩いて登る人々。
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ゴンドラは28人乗り。
満員の車両が4分おきに出入りして、
吉野山に人を運ぶ。
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3分で吉野山駅。
駅を降りると、人の群れ。
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「救国の散財」などと力まなくとも、
関西をはじめ西日本の人々は、
意欲満々で生活を楽しんでいる。

もちろん誰ひとり、
震災のことを忘れているわけではない。
それが私にとって一番の収穫。

吉野山駅から両サイドの土産物屋などをのぞきながら、
重要文化財・銅の鳥居へ。
日本三大鳥居のひとつ。

広島・宮島の木の鳥居、
大阪・四天王寺の石の鳥居と、
この奈良・吉野の銅の鳥居。
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宿は、鳥居のそばの辰巳屋。
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中曽根康弘さんも泊まった部屋。

その部屋から上千本・中千本の桜が見える。
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吉野山の桜名所は4カ所に分かれる。
下千本から中千本、そして上千本、奥千本。

宿を出て、仁王門へ。
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人がいっぱい。

その仁王門。
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国宝。
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右に「あ」
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左に「うん」
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仁王門から登って2分。
国宝・金峯山寺蔵王堂。
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奈良の東大寺大仏殿に次ぐ規模。
蔵王堂が吉野山の象徴。

まだまだ人並は続く。
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吉水神社の「一目千本」に人だかり。
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その「一目千本」
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上の方の桜の集まりが「上千本」。
真ん中の桜の集団が「中千本」。

これは日本人なら、
是非とも一度は、
見るべし。
富士登山と同じ。

「一目」とはビジュアライゼーション、
最近のはやりの言葉でいえば「見える化」。
それが「千本」。
もちろんきっちり1000本ではない。

しかし1000本と言い切るところがいい。

「言い切り」と「見える化」。

「一目千本」のプロモーションは、
その根本原理を見事にとらえ、
1300年以上もの間、
日本人の心をつかまえてきた。

これが凄い。

吉水神社から、さらに、
車で一番奥まで登る。
すると奥千本。
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この道を40分歩くと、
「西行庵」。
西行法師はこの山深いところで、
5年間暮らした。

奥千本の金峯神社から下って、
高城山展望台からの「見下ろす吉野桜」。
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吉水神社の「一目千本」が「見上げる吉野桜」ならば、
ここは「見下ろす吉野桜」
これも日本人なら、
一度は見るべし。
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吉野の桜は、他とは違う。

例えば、上野公園の桜。
皇居周辺・千鳥が淵の桜。
横浜・三ツ沢公園の桜。
菊名池公園の桜。
新田間川の桜。

自分の周りの桜ばかり見ていると、
自分が「井の中の蛙」であったことを、
思い知らされる。

そして、これも自然の凄さ、
人の営みの長さなど、
感じ取ることになる。
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高城山展望台から、
だらだらと七曲がりに道が続くと、
花矢倉展望台。
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ここからは桜吹雪を浴びながら、
桜のドームの中を歩く。
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極楽のごとし。
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そして後醍醐天皇陵のある如意輪寺。
ここからも「一目千本」
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右上に辰巳屋が見える。

中千本、下千本と下って、
吉野駅を過ぎ、
吉野神宮。
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大正時代にできた吉野地方の大社。
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ここには、人影が見られなかったが、
吉野の山には「千客万来」。

西行法師が住み着いた。
源義経が静御前と一緒に逃げてきた。
豊臣秀吉も千利休も、
松尾芭蕉もやってきた。

もちろん万葉の貴族たちは、
吉野の桜を愛でた。

その吉野の桜。
東日本大震災の後でも、
「千客万来」

それを支える「一目千本」

安心した。
力をもらった。

安川光男さん、
ありがとう。
そして、頑張れ。

高野、吉野、熊野。
霊験あらたかといわれる三つの「野」。

1936年に吉野熊野国立公園、
2004年、世界遺産に指定されている。

私は21世紀の日本の中核産業のひとつを、
観光だと考えてきた。

福島第一原発の事故の風評被害で、
日本の観光資源に、
大きなマイナスイメージができてしまった。

しかし吉野山の価値は、
まったく落ちてはいない。

まさに「吉野の桜の千客万来」。
これは日本を元気づける。

元気づけられるものに、触れよう。
元気づけれるところに、行こう。
元気づけられる人に、会おう。

そして自分で元気を出そう。

元気を出そうよ、
それがあなたの
仕事です。
元気を売ろうよ、
それがあなたの
役目です。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

チャリティセミナー「商人支援プロジェクト」

「ひとつになろう日本!」
私は第1回の大阪会場でのトップバッターとして出講します。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
サブテーマは「ライフラインを担う商業人の使命感が日本を救う!」

東北関東大津波大震災を経験して、
日本のスーパーマーケットをはじめとする小売流通業は、
今後、いかに考え、どう行動しなければならないか。
消費と商売と経営はどのように変わるか。
私なりの解答を出します。

元気を共有します。

日時は、5月12日(木) 12:30~17:00。
場所は、リーガロイヤルホテル大阪。

よろしく。


2 件のコメント

  • 結城先生へ
    私の生まれ故郷の奈良から吉野山のブログ楽しく拝見させていただきました。ありがとうございます。
    他にも室生寺(石楠花)、長谷寺(牡丹)、明日香の里山、若草山等見所一杯の奈良県です。
    是非とも海外からの観光客誘致で東日本大震災の復興の一助になればと願わずにおられません。

  • いまちゃん、奈良生れですか。
    素晴らしいですね。

    奈良が多くの人々を元気づけ、
    勇気づけることは間違いありません。

    私も同様でした。

    吉野山の桜。
    一生、忘れません。

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