ドンキ・DCM・島忠の「復興関連業種株の上昇」とドナルド・キーンさんへの「おかえりなさい」
今朝、㈱イースト・プレスの編集者・中西庸さんに、
青焼きゲラの校正を渡して、終わった。
昨夜は半分徹夜。
しかし、いつものことだが、
「やったー」という感じ。
5月中旬発刊の新しい単行本。
「店長のためのやさしい《ドラッカー講座》」
「ドラッカーは小売り・サービス業を応援している!」
これがサブタイトル。
読めば読むほど、ピーター・ドラッカー先生は、
小売業や外食・サービス業を主役にして、
論を展開しているのではないかと思えてくる。
まあ、ゴールデンウィークの前にひと段落。
ちょっと、ほっとした。
ドラッカー学会代表の上田惇生先生、
セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。
三人のみなさんに、
本当に短い期間に、
ご推薦文までいただいて、
これにも、感動と感謝。
ありがとうございました。
上田先生にはわが盟友・川勝利一さん、
伊藤さん、柳井さんの場合にも、
それぞれの秘書の方々には、
たいへんお世話になった。
名前を出してお礼したいところだが、
ご迷惑をおかけするのでそれは差し控えて、
心より、お礼申し上げます。
さて、今日は、東日本大震災から49日目。
被災した地域で「四十九日の法要」。
黙祷して、心よりご冥福を祈りたい。
復旧から復興、振興へと、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
すべての人とともに、歩を進めることを誓いたい。
今朝の政府閣議後の記者会見。
海江田万里経済産業大臣は、
この夏の最大使用電力の削減目標を、
「企業、家庭とも一律15%程度に緩和」と発表。
さらに、松本龍環境大臣は、
夏の「クールビズ」の期間延長を発表。
例年より1カ月前倒しにして5月1日からスタートし、
終了時期も、例年の9月末から1カ月延長して10月31日にする。
都合、2カ月の期間延長で、
6カ月・半年間の長期クールビズとなる。
松本環境相は蓮舫大臣を引き合いに出して、
「『節電ビズ』と呼んでください」と述べるとともに、
「国民が生活のあり方を変える」重要な取り組みだと説明。
これは商売にとっても、
大きな「テーマ資源」である。
一方、ホテル業界では、
営業縮小の動きが顕著。
日経新聞の記事。
「プリンスホテルや藤田観光は一部ホテルの宿泊業務を休止」
「帝国ホテルは施設内の飲食店の営業時間短縮」
宿泊業務休止までするとは、超異例の出来事。
スーパーマーケットで生鮮食品を扱わない。
コンビニで弁当・惣菜を品揃えしない。
ドラッグストアで薬品を止める。
それらと同等のことをしなければ、
ホテル業は破綻するところまで追い込まれた。
「日本経済新聞社の調べでは、
3月の都内の主要19ホテルの平均客室稼働率は、
49.8%と過去20年間で最低」
これも、日経新聞のマーケット総合欄の株価の動き。
「株式市場で小売銘柄の株価について二極化が鮮明」
「ホームセンターなど日用品を低価格で販売する銘柄が上昇する一方、
百貨店など高額品を扱う企業の株価は低迷」
日経500種平均株価に見る小売株の震災後の株価騰落率。
上昇率1位はドン・キホーテで+5.4%。
「すでに震災前水準を上回り、18日には年初来高値を更新」
第2位はホームセンターのDCMホールディングス+4.8%。
第3位は、島忠で+0.1%。
あとはマイナスになる。
第4位は、ファーストリテイリング-0.7%。
第5位、イズミ-2.0%。
第6位、H20リテイリング-2.1%。
阪急阪神百貨店グループだが、
阪食を筆頭に、ここはガンバっている。
第7位が、ローソンの-2.7%。
そして意外だが、第8位がニトリで-4.6%。
第9位に、イオンが入っていて、-4.9%。
第10位がファミリーマートの-6.3%。
以下、セブン&アイ・ホールディングスは-12.3%。
ユニーは-8.7%。
しまむら-9.4%。
ヤマダ電機も-12.1%。
下落率が大きいのは、
高島屋-17.8%、
三越伊勢丹ホールディングス-19.9%、
丸井グループ-21.2%。
「広い意味での復興関連業種」の株価が上昇。
小売業の復興関連業種とは、
ディスカウントストアやホームセンター。
私は株式を持たない主義だが、
その意味で今回の震災に対して、
株価はわかりやすい反応を示した。
昨日聞いたロブサンドルジ・ガルタさんの話。
㈱チンギスハーン旅行社長。
同社は、モンゴルへの旅行代理業を主な業務にする。
震災直後から5日間に、
約2000人のモンゴル人が急きょ、
モンゴルに帰国した。
現在、そのうち半数の1000人くらいが、
日本にもどってきている。
留学生などが新学期の始まりとともに。
少しずつすこしずつ、
エスカレートしすぎた風評被害も、
常識的なところに落ち着いてくる。
読売新聞の巻頭コラム『編集手帳』が、
ドナルド・キーンさん(88歳)を取り上げた。
日本文学研究の第一人者にして米国コロンビア大学の名誉教授。
「震災のあと、キーンさんは
日本国籍を取得して永住する決意を固めた」
その心は、「日本人と一緒に行動したい」
「日本という国がなかったら、
私は果たしてまともな人間になれたかどうか…」
コラムニストは、
「震災後の苦難を共にする決断は、
愛する国に寄せた究極の愛情表現だろう」と感動する。
そして続ける。
「ようこそ」か。
「おかえりなさい」か。
それとも「ありがとう」か。
遠来の友を、
何と言って迎えよう。
私だったら絶対に、これだ。
「おかえりなさい」
<結城義晴>