6月の商人舎標語はドラッカーからとった「顧客からのスタート」とイオン・ビジネススクールでの燃える講義
現地時間5月28日、日本時間29日。
サンフランシスコ国際空港を発って、
日本に帰国。
空港では、浅野秀二先生と別れの固い握手。
もう、私のアメリカにおけるベストパートナー。
心から感謝したいと思います。
それにしても今回は疲労困憊。
二つの視察団を連続してコーディネートし、
そのうちの商人舎ベーシック・コースは、参加者90人。
まことにありがたいことですが、
私も全力を挙げて講義し、解説し、引率しました。
帰国してから、一昨日、昨日と、
充実したスケジュールの中で、
これまた全力投球。
とうとう、疲労のピークを迎えて6月に突入。
雑誌原稿やセミナー・テキスト、更に「月刊商人舎」など、
ご迷惑をおかけしています。
さて6月1日。
今日の日経MJのカコミ『消費見所カン所』に、
セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さん登場。
「東日本の需要が旺盛な一方、
被災していない西日本が沈滞している」
これは、イオン㈱社長の岡田元也さんと同じ趣旨の発言。
鈴木さんは続ける。
「消費を活性化し国内総生産を支えなければ、
被災地への応援とならない」
そして「小売業として矢継ぎ早にイベントを打ち出すなどして、
消費者心理を刺激しなくてはいけない」
全くその通りです。
「頑張れ、西日本!」
不思議な逆転現象ですが、
今度はこう叫ばねばならない。
その6月。
もう関東地方までは5月27日には、
例年より早く梅雨入り。
北陸・東北なども早まって、
今年の6月は梅雨一色。
そんな状況の中で、
鈴木敏文さんの指摘通り、
「矢継ぎ早のイベント」を打ち出し、
「消費者心理を刺激」し続けるのが、
この6月の課題となる。
ピーター・ドラッカー先生が、
『プロフェッショナルの条件』の中で書いていて、
私が『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』の第3章で引用したように、
「9時から5時までただ体を動かしているだけ」の人間だったら、
今月はしんどいかもしれない。
しかし、「考えることこそ知識労働者に固有の仕事である。
考えることが為すべき仕事の始まりである」
これも同じ文脈の引用だが、
「知識商人」にとっては、
今月は「成果」が期待できるし、
やりがいが頂点まで高まる30日間になる。
梅雨の中で、
第3日曜日の19日は「父の日」。
5月が子どもの日から母の日だったのに対して、
6月は父の日。
この対照的な主役の切り変わりが、
消費者心理の刺激には絶好の「テーマ資源」。
そして6月22日(水曜日)が夏至。
一年で一番昼間の時間が長い日。
もう、夏真っ盛りのイメージ。
今年は、スーパークールビズ大隆盛。
夏真っ盛りのイメージ。
そして父の日。
全体の色合いは、この3点で決まっている。
それをいかに店頭や商品、サービスに表現できるか。
「知識商人」の「考える力」の発揮どころである。
さて今月の商人舎標語の発表。
「顧客からのスタート」
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』が発行されたばかりだし、
ドラッカー先生の言葉からとった。
「真のマーケティングは、
顧客からスタートする」
《ドラッカー講座》169ページから。
いかがだろう。
2011年6月という月が見えてきただろうか。
さて昨日の結城義晴の行動。
午前中は、カスタマーコミュニケーションズ㈱の取締役会。
私はこの会社の非常勤取締役を務めている。
その役員会の流れで、㈱プラネットを訪れ、
玉生弘昌社長と懇談。
プラネットは現在、
カスタマーコミュニケーションズの実質的なオーナーで、
玉生さんも役員会に顔を連ねる。
《ドラッカー講座》をプレゼントして、写真。
玉生さんのご趣味で、
応接室には「書」が掲げられている。
その一つが、これ。
「青山白水映紅楓」
早稲田大学第3代総長・高田早苗の書。
高田早苗は初代学長で、大隈重信を支えて、
大学を経営し、1923年から1931年まで総長。
政治学者で衆議院議員でもあった。
玉生さんとふたり、早稲田魂を確認し、
高田早苗の書の前に恐縮しつつ、
私は自著に筆で下手な字を描いた。
「心は燃やせ、頭は冷やせ」
その後、千葉県幕張本郷へ。
2011年度イオン・ビジネススクールの冒頭講義。
3泊4日で、全国から、
イオングループのSM店長と商品部員が集まった。
私のテーマは、
「商業の産業化・現代化とナレッジ・マーチャントの役割」
2時間15分、ちょっと時間を延長して、
燃えて、語りきった。
結城義晴のメッセージ、
伝わっただろうか。
「知識商人の志」、
共有できただろうか。
ドラッカー先生は言う。
いや、その分身の上田惇生先生が強調する。
「原理原則を補助線として使え」
私もこの点を強調することに大賛成。
20世紀の「原理原則」を補助線として使うことによって、
21世紀の難題に取り組むことができる。
それが商業を、
「近代化から現代化へ」と進化させる。
私は、その担い手の一翼となりたい。
その担い手たちと手を取り合っていきたい。
応援したい、支援したい。
<結城義晴>
[追伸」
本日夜10時から、
NHK「Eテレ」に上田惇生先生が登場。
昨日まで「教育テレビ」と呼ばれていた。
番組名は「100分de名著・ドラッカー」
25分ずつの番組が4回放映される。
今夜はその第1回。
みなさん、是非ご覧ください。