「ひきこもるな! 日本」とポール・クルーグマンの「重力モデル」
Everybody! Good Monday!
[vol25]
2011年第25週、6月第4週。
昨日は父の日。
これが終わると、
もう梅雨明けを待って、
真夏へと突入。
梅雨入りは例年よりもずっと早かったが、
北陸はまだ梅雨入りしていないらしい。
「常盤勝美の2週間天気予報」では、
「気象庁の勇み足」と断じている。
この言い切り方はとてもいい。
しかも今週来週と「全国的に平年より気温が高い」ようだ。
そして各地とも曇や雨のすっきりしない天気が続く。
だから誰しも気分はすっきりしたい。
その気分すっきりを提供するのが、
店でありたい。
今月の商人舎標語。
「顧客からのスタート」
梅雨の真っただ中にも、
忘れずに実践したい。
被災地ではいまだ、
9万人ほどの人々が避難所生活を送っている。
仮設住宅の建設もままならない。
そのうえ、せっかく仮設住宅ができても、
そちらに入ると生活物資の援助が受けられず、
仕事や雇用もなく、生活資金が得られない人々は、
避難所から出ることもできない。
毎週の初めには、
この事実を認識しておきたい。
わが同朋の中にはいまだ、
「救済段階」の人々が9万人もいるのだと。
そのうえ、「フクシマ」原発問題は一進一退。
政府にも政党にも、地方行政にも、
心より「復旧」へのステップアップの努力を願いたいが、
私たちも自分のできることを、
自分なりに、やり続けたい。
さて日経新聞『オピニオン』欄。
コラムニストの土谷英夫氏が書いている。
「引きこもるな、日本!」
ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン教授の「国際経済学」を引用する。
これは教科書用に書かれたわかりやすいもので、
その最初に「重力モデル」が出てくる。
ニュートンの「万有引力の法則」を経済に応用した考え方。
この物理学などを経済学やマーケティングに応用する手法は、
頻繁に使われる。
私がよく使う「クリティカル・マス」もその一つ。
クルーグマン教授の「重力モデル」の法則は、以下。
「2国間の貿易額は、大まかに、
両国の国内総生産(GDP)の積に比例し、
両国間の距離に反比例する」
コラムニストは重力モデルを活用して、論じる。
「GDPで世界2位の中国と、3位の日本、
15位圏内の韓国は隣国だ。
南に共同体設立を目指す東南アジア諸国連合(ASEAN)、
その経済規模はインドを超える。
日本を除けば、いずれも高成長」
そして断じる。
「重力モデルに従えば、
日本は実に恵まれたポジションにいる」
「それを生かしていない」
「クルーグマン教授によれば、
グローバル化で世界の貿易依存度は史上最高レベルにある。
この20年の日本の停滞は、その波に乗り遅れたことも一因」
「近所のスーパーをのぞくと、野菜のほとんどは国産だ。
大半の野菜は関税が数%と低いが、負けてはいない。
にんにくのコーナーには中国産と、
その何倍もの値段の青森産が並ぶ。
国産米でも魚沼産コシヒカリと一番安い銘柄では、
倍近い値段の開きがある。
競争力は価格だけではない」
「農産物にも重力モデルは当てはまる。
守り一方から「品質」を武器に輸出に打って出る時だ。
欧州諸国は農産物の輸入も多いが輸出も多い。
東アジアでも農の水平分業が可能なはずだ」
結論は、
「こんな時こそ、内向きにならず、進んで国を開くべきだ」
そして「引きこもるな、日本!」と、呼びかける。
グローバルにみれば、
日本の位置は悪くはない。
これはファーストリテイリングの柳井正さんの持論。
「日本は、よく考えると、恵まれている。
何よりもインフラが揃っている」
「人がいる。
金がある。
情報がある。
技術がある。
そのうえ、今後、
大きな成長が見込める
アジアの一員である。
さらにあらゆる面で
アメリカに近い。
こんな条件に恵まれた国はない」
私もまったく同感。
ドメスティックな産業であるところの小売業やサービス業も、
国際的に良好な条件を活用できないことはない。
その意味で、クルーグマンの「重力モデル」にも、
大いに価値がある。
最後に、私の今週のスケジュール。
商人舎ホームページの一番上にある
「行動予定カレンダー」。
今日は午前中、横浜市立白幡小学校へ。
私、校庭解放スポーツクラブの会計監査を務めている。
以前はその会長職だったが、
多忙なためにそれを降りて、
会計監査となった。
ちょっとでも地域とつながっていたい。
その願いがこの仕事の持続になっている。
今日はその後、
商業経営問題研究会。
通称RMLC。
そして夕方から立教大学大学院の講義。
F&Bマーケティング。
明日は、午後から、
カスタマーコミュニケーションズ㈱の定期株主総会。
私、非常勤取締役を務めている。
水曜日は堺で万代ドライデイリー会総会。
そして木曜日から1週間、アメリカ研修。
今回はテキサス州ダラスと、
カリフォルニア州サクラメント・サンフランシスコ。
帰国は6月29日。
このところ、ラスベガスやサンフランシスコへの旅が多かったが、
今回はテキサス地区が入る。
私にとっては定点観測のエリアや店舗のチェックにも役立つ。
忙しい日々は続きます。
それでも、明日には『店ドラ』の3刷が出来上がってきて、
書店にも並ぶし、アマゾンなどインターネットでも販売できる。
商人舎へのお申込み先にも、即、お送りすることができる。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』。
通称の『店ドラ』という略称も馴染んできて、
絶好調。
ありがたいことです。
被災地への義捐金も、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
増えています。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
では、今週も。
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>