「イノベーション」と「自ら、変われ」を合言葉に帰国/日本小売業調査を俯瞰する
帰国しました。
全員無事。
大きな成果を携えて。
いま、関西国際空港のロビー。
日本では、今日が、
「震災総会」ピーク。
日経新聞の夕刊がトップで伝える。
3月期決算の企業1023社が、
今日6月29日に株主総会を開催。
それでも昨年より60社少なかった。
一方、日経MJは2010年度小売業調査を発表。
手元に新聞そのものがないので詳細は分からないが、
上位10社までのランキングをみると、
特徴的だし、感慨深い。
1位 セブン&アイ・ホールディングス
(年商5兆1197億円、前年比100.2%)
2位 イオン
(年商5兆0965億円、100.8%)
どちらもホールディングカンパニーで、
多業態を抱えるコングロマリット。
年商5兆円台で、「日本の2強」と呼んでも構わないが、
しかし1年間の伸びはないに等しい。
それだけ厳しい1年だった。
アメリカの企業ならば、
両者ともに並みレベルか、それ以下。
まだまだ頑張れということ。
3位はヤマダ電機(年商2兆1532億円、106.8%)
この会社が国際レベルで成長企業と呼べる。
しかしエコポイントなど追い風ビュービューのお蔭。
4位から減収企業が並ぶ。
つまりかつての実績でこのランクにいるが、
ダウントレンドは免れない企業。
こちらも頑張らねばならないということ。
4位 三越伊勢丹ホールディングス(1兆2207億円、94.5%)
5位 ユニー(1兆1127億円、98.1%)
6位 Jフロントリテイリング(9501億円、96.7%)
7位 ダイエー(9118億円、93.3%)
百貨店と総合スーパー(欧米では「ハイパーマーケット」と呼ぶ)。
いわゆる総合大型店を中心に展開してきた企業。
8位から10位に専門店チェーン。
8位 エディオン(9010億円、109.9%)
9位 高島屋(8697億円、99.1%)
10位 ファーストリテイリング(8148億円、118.9%)
このままの傾向で行くと、
来年はエディオンとファーストリテイリングが、
ごぼう抜きで6位、7位に入りそう。
俯瞰すると、
第1に二社のトップ争いは変わらない。
第2に専門店チェーンが伸び続けている。
第3に総合大型店のダウントレンドは続いている。
これは上位の話。
つまり規模を追いかける企業群のこと。
企業価値はそれだけでは測れないし、
それだけが重要なことではない。
アメリカを見てきたばかりだから、
余計にそれを感じる。
ウォルマートは40兆円企業だし、
セブン&アイやイオン以上の規模を誇る企業が7社。
しかもいずれも展開フォーマットが絞られている。
パワーがあるということ。
さて私たちはサンフランシスコ国際空港から、
UA885便で、関空へ。
その前日、視察最終日の昼食。
アメリカ一番のハンバーガー・チェーン「イン&アウト」。
ハンバーガーもフライドポテトも、
サービスも価格も、
マクドナルドとの違いを鮮明にした企業。
すなわちポジショニングが確立された企業。
イン&アウトのハンバーガーは、基本に忠実。
パティ(肉)、レタス、トマト。
いずれも鮮度よく、うまいし、安全。
それにバンズ(パン)がおいしい。
フライドポテトは、
インストアでスライスし、フライしたてのものを供する。
そのオペレーションがまた、
感動的。
店員が全員きびきびしている。
まるでプロフットボールのチームみたい。
そのイン&アウトを堪能。
店外ではドライブスルーの注文を受けている。
これもさりげないホスピタリティ。
全員、満足。
そしてバスに乗り込んだ。
夜は、さよならパーティ。
場所はホテルから歩いて5分のステーキレストラン。
「ジョンズ・グリル」
昼はイン&アウトのハンバーガー、
夜はステーキのニューヨークカット。
視察研修が終わった安堵感と、
最後のディナーへの期待に胸が踊る。
地元ビールで、まずは乾杯。
乾杯の音頭とご挨拶は、
副団長の谷口昇さん。
谷口さんは経営企画部長。
平和堂の経営戦略をもとに、
研修の成果を活かしてほしいと要請したうえで、
全員で乾杯。
サラダ、スープ、パン、ステーキを堪能した後、
全員が順に感想や決意をコメントした。
素晴らしかった。
私、平和堂社員を、心から見直した。
もちろんこれまで低く見ていたわけでは全くない。
しかし、このコメントは、一人残らず、素晴らしかった。
最後に、我がパートナーの五十嵐ゆう子さんのスピーチ。
ゆう子さんもスピーチの素晴らしさを語った後、
「霧のサンフランシスコ」独唱。
I left my heart in San Francisco♪
high on a hill,it calls to me♪
アカペラの独唱、素晴らしかった。
その後、トリは結城義晴の総括スピーチ。
私はクレイトン・クリステンセンの「イノベーション」を語った。
持続的イノベーションと破壊的イノベーション。
そして最後に持続的イノベーションのポイント。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
スピーチが終了したら、
ピンクのパーカー姿、登場。
そう、ダラス・フォートワース空港で、
私がお薦めし、みんなのお奨めで購入したパーカー。
そのパーカーへのサイン。
周到にマジックまで用意されていた。
書き始めた言葉は、
「ひとつず・・・・」
サポーターが胸のところから押さえて・・・。
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」
完成すると、
みんなにご披露。
平和堂衣料品事業部レディス課チーフバイヤーの北川知二さん。
ダラス・カーボーイズのピンクのパーカー。
北川さんが仕入し、開発する衣料品、
これからピンクが増えるかもしれない。
それでもきっといい仕事をしてくれるに違いない。
期待したい。
突発的なサイン会で湧いた後、
全員で最後の記念写真。
横になって転がっているのは、
これもアイドルとなった添乗員の山口高徳さん。
この後、最後の夜(いや朝までだと思うが)、
San Franciscoは平和堂で盛り上がった。
明けて最終日。
7時50分、ホテルのロビー集合。
それからバスに乗り込んで、
最後の車中講義。
「ロイヤルカスタマーとイノベーション」
最後の最後は、
「自ら、変われ!」
そしてサンフランシスコ国際空港到着
最後の写真。
右から団長の取締役教育人事部長・村上茂人さん、
副団長の谷口さん、
私の隣はダブル・コーディネーターのゆう子さん、
そして添乗員の山口高徳さん。
「おつかれさま、ありがとう」
現地時間午前11時すぎ、UA855便に乗り込んだ。
空港付近は雨。
11時間後、関西国際空港。
一人ずつ固い握手。
「自ら、変われ」
期待したい。
そして出発ロビー。
夕方、5時50分発で羽田へ。
大阪は快晴。
しかし蒸し暑い。
1週間の旅だったが、
サンフランシスコは避暑地のようだった。
5月、6月、本当に忙しかったが、
それもひと段落。
成果が上がっていることで、
疲れも吹っ飛ぶ。
すべての人に、
心から感謝。
<結城義晴>