盆商戦突入! デフレ基調は来年まで続き、外食に客足戻り、夏野菜高騰! 例年とは違うぞ!
今日から帰省ラッシュ。
各地の高速道路は渋滞し、
新幹線、航空機は予約満席。
今年は例年以上に、
故郷に帰りたい気分が強い。
アメリカ人もサンクス・ギビングデーなどには、
家族旅行したり、実家に帰ったりするから、
日本のお盆や夏休みの帰省といった風習を、
彼らが理解できないことはない。
“Home Coming” は人間共通の感情なのだ。
明日は、盆の迎え日。
そして明後日15日が盆。
今日から本格的な盆商戦。
私はいつも言う。
ここまで来たら、
できることを精いっぱいやろう。
自分の持てる力を全部発揮しよう。
そして存分に楽しもう。
甲子園出場チームの監督の台詞。
みなさんも、
「自ら、盛り上がれ!」
今月の商人舎標語。
昨日は、羽田空港から、
JAL1405便に乗り込んだ。
積乱雲の中を飛んで、50分。
瀬戸内海の小島が見えてきた。
高松に到着。
すぐに讃岐うどん。
そして琴電に乗る。
派手な私鉄電車。
大田駅を降りて、ぶらりと、
ローカル・スーパーマーケットを視察。
まず、ムーニー。
そしてきむら。
きむらはとりわけ鮮魚が強い。
青果も惣菜もいい。
これからの支店経営型スーパーマーケットの、
一つの在り方を示す。
つまり、生鮮の一部門でもいいから、
そこに活路を求める。
ジャック・ウェルチ流に言えば、
「選択と集中」。
佐藤勝人流に言えば、
「一点突破全面展開」。
今朝は、高松駅前のエースワン。
こちらはデフレ基調の中のディスカウント・スーパーマーケット。
これも一つの在り方。
インディペンデント・スーパーマーケットの生き方。
いくらでもある。
何しろコーネル大学のビル・ドレイク教授のお墨付き。
ただしインテグリティなき企業には、
明日はない。
ドラッカー言うところの「真摯さ」。
さて日経新聞「きょうのことば」は、
「消費者物価指数の基準改定」を取り上げた。
「消費者が購入するモノやサービスの値動きを、
時代に合わせて正確に把握するため」
5年に1度、消費者物価指数の基準改定が実施される。
「基準年の消費動向を反映し、調査品目を入れ替えたり、
品目ごとのウエートを見直したりする」
これまで2005年基準だったが、現在は2010年基準となった。
ただし総務省は今月26日に発表する7月の指数から
新基準を正式に適用する。
したがって6月の消費者物価指数は、旧基準と新基準の両方を公表。
その第2四半期(4月~6月)の消費者物価。
6月は旧基準ではプラス0.4%だったが、
新基準ではマイナス0.2%。
新基準のほうが現状に即しているから、
つまりは「物価下落が続いていることが判明」したことになる。
政府・日銀は「デフレ脱却」を意図しているから、
その想定から逆の方向に、遠のいている。
そこで「日銀のゼロ金利政策の一段の長期化」が避けられない。
これが今日の日経新聞の一面トップニュース。
ちなみに2010年新基準では、
「薄型テレビの構成割合が約3倍に高まったほか、
電子辞書やメモリーカードが品目に新たに加わった。
一方、ミニコンポなど音響機器セットなどは外れた」
「値下がりが目立つ情報家電の割合が高まり、
指数が下がりやすい」。
新基準でみると、
値動きの激しい生鮮食品を除いた消費者物価指数は、
今年6月まで2年4カ月連続で、
前年同月比割れが続いた。
「ガソリンや食品価格は高止まりしているが、
物価の基調は依然として下落している」
内閣府公表の2011~2012年度の経済見通し。
消費者物価の総合指数の前年度比は、
11年度に0.2%、12年度に0.3%の上昇見込み。
日銀は消費者物価が前年比1%の上昇を見込める段階になるまでは、
政策金利を現行の「0~0.1%」に据え置く「時間軸政策」を採用している。
つまりは、デフレは来年度までは、
変わらないということ。
これが基調となる。
基準改定が、金利政策に影響を及ぼす。
不思議な感じもするが、それが実情に合った指数の活用法ではある。
一方、それでも「外食、客足戻る」の報。
外食は震災の影響で落ち込んでいた。
それがデフレにもかかわらず、
内食産業好調の理由でもあった。
ファミリーレストランは
6月、7月、そして、8月に入っても、
対前年同月比はプラス。
ロイヤルホストは7月の既存店売上高が前年同月比13%増。
すかいらーくは、6月の既存店売上高が5.8%増。
デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズも、
さらにサイゼリヤも6月、7月はプラス。
居酒屋では3月に21.1%減と大きく落ち込んだ大庄の既存店売上高は、
6、7月と2カ月連続で前年を上回った。
コロワイドも3月の13.8%減に比べ、
6、7月のマイナス幅は1~2%台に縮小した。
3月の売り上げが4割近く落ち込んだ
日本フードサービス協会発表の外食売上高(全店ベース)は、
3月にマイナス10.3%だったものが、
6月はマイナス0.2%と前年並みの水準。
お盆商戦の外食の動きは、面白い。
そんな中、夏野菜は天候不順で高騰。
エダマメ卸値8割高、
トマトが1キロ当たり402円と前年同期に比べ40%高。
ピーマンは1キロ354円と11%高い。
例年、月遅れ盆休みの時期は需要が減り、
夏野菜の卸値は下がることが多い。
しかし今年は、
「東日本大震災の影響で東北方面の帰省者が少なく、
首都圏の引き合いは平年より強い」
例年とは異なる動きばかり。
知識商人の出番である。
2011年の盆商戦、健闘を祈りたい。
<結城義晴>