朝日「天声人語」、日経「春秋」、ほぼ日「今日のダーリン」からリーダーシップ論の両面性を読み取る
台風12号、居座る。
このところ毎日、書いている。
アメリカのハリケーンは、
「アイリーン」や「カテリーナ」など女性名だが、
日本では男性名にして、
この居座り台風を、
「ナオト」と名付けようか。
さて「ヨシヒコ」はなかなか評判がいい。
期待値含みの評判であることは確かだが。
一面トップのコラムで、
ヨシヒコが様々に取り上げられている。
煎じ詰めると、どれもリーダーシップ論。
朝日新聞『天声人語』。
「たらい回しの民主党3代目ながら、批判の声は小さい」
「泥臭さを売る作戦は功を奏しているようだ」
「世の中、長所で嫌われる人もいれば、
短所で好かれる人もいる」
「トップリー ダーには弱点ともいえる『地味さ』を裏返して、
プラスの資質に見せる才はなかなかだ」
朝日はいつも、民主党に好意的。
民主党に辛口の日経新聞の『春秋』は、
「PM理論」を持ち出した。
社会心理学者・三隅二不二さんが唱えた「リーダーの分類」。
目標達成を優先しぐいぐい引っ張るパフォーマンス(P)型。
人間関係や和を大事にするメンテナンス(M)型。
「1人で両方の性格や能力を兼ね備え、
場面に応じて巧みに使い分けるのが理想かもしれない」
ただし「そういう人はまずいない」
「P型は、えてして他人への気遣いが足らなくなる」
だから「ベンチャー企業の立ち上げ」には向いている。
一方、「構成員にやる気や経験が十分ある場合」、
M型の方が業績が上がる。
ここでは組織構成員の資質が問われる。
コラムニストはヨシヒコを「M型ふう」と見立てる。
「変なことをしない」経営者もM型。
「困難なときユーモアで緊張を和らげるのもM型の得意技」
M型のリーダーが率いる集団の落とし穴は、
「妥協や甘えが生まれやすい」こと。
新リーダーのNさん、
心しよう。
ほぼ日刊イトイ新聞の巻頭言『今日のダーリン』
糸井重里さんもリーダーシップ論を語る。
「『主将(キャプテン)』という人の役割は大きいです。
選手たちは、直接に試合をやっていますが、
他に、監督やらコーチやら、
チームの全体を俯瞰して見ていて、
試合の外で、試合をしている人たちがいます。
『主将』というのは、その両方をやる役割です」
最近の雇われ社長や専門経営者など、
さしずめ「主将」だろう。
「主将」タイプのリーダーは、
「監督やコーチ、支えてくれる人々の目を、
じぶんのなかに持っている必要があるんですよね」
そして糸井さんは言う。
「これは、実に、なかなかのことです」
「『中間管理職』という立場も、
こういうものなのかもしれませんね」
「いわば、戦いの場を『平面』として使う選手がいて、
それを『立体』としてつかんでいる監督がいる。
「『主将』は『平面』で試合をしているのだけれど、
それが『立体』で見えている必要がある‥‥」
リーダーは両面性を持つ必要がある。
朝日の「長所と短所」、
日経の「P型M型」、
ほぼ日の「平面と立体」。
最後にピーター・ドラッカー。
『店ドラ』第3章から、「マネジメントの三つの役割」。
第1に、自らの組織に特有の使命を果たす。
第2に、仕事を通じて働く人たちを生かす。
そして第3に、自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会の問題について貢献する。
「自らの組織特有の使命」と「社会の問題」の両面性を、
ドラッカーも強調する。
そしてその実現のために、総括する。
「マネジメントとは、
人の強みを発揮させることである」。
私も、そうあることに努力しよう。
あなたも、どうぞ。
そして、良い週末を。
「ナオト」に負けるな。
<結城義晴>