アメリカ小売業の小さな持続的イノベーションを学習し、実感し、その実行を決意しつつ、帰国しました。ありがとう。
Everybody! Good Monday!
[vol40]
2011年第40週。
10月第2週の始まり。
帰国しました。
関西国際空港に。
サンフランシスコから10時間58分のフライト。
私はむしろこのフライト時間を、
楽しむようにしています。
だからこれ自体は辛くもないし、
疲れもしない。
それでも積み重なった旅の疲れをとって、
また明日から、元気いっぱい、頑張ります。
さて今週は、
来週月曜日の「体育の日」を控えた週。
1年で一番さわやかな季節。
食欲は旺盛になる。
体は動く。
気持ちも充実。
だから目いっぱい、
発散したいのが顧客の気分。
それに応えるのが、
小売業、サービス業の役目。
目いっぱいの商売に徹したい。
週末の三連休を目指して、
来週月曜日までを一区切りにして、
全開の元気で顧客を迎えたい。
私の今週は、
溜まりきった執筆、テキストづくりをこなしつつ、
来客を迎える日々。
今週末の日曜日から、
今度はドイツ・フランスへの出張。
苦しくも、辛くもありません。
楽しいことばかり。
嬉しいことばかり。
楽しく生きる、嬉しく暮らす。
もちろん辛いこと、苦しいことにも、
そうした気構えで立ち向かう。
それでいて、謙虚に、謙虚に。
integrity[真摯さ]には、
必ず謙虚さがなければならない。
自ら傲慢さを退けなければいけない。
それにしても、今回も、
アメリカ小売業のイノベーションを、
堪能した。
ウォルマートのあくなきイノベーションへのチャレンジ。
ウォルマートのライバルターゲットは、
イタリアのブランド「ミッソーニ」導入のイノベーション。
評判は芳しくないけれど。
コストコの精肉「プライム」グレード採用のイノベーション。
この1年くらいでずいぶんと定着してきた。
テスコ・フレッシュ&イージーは、
北カリフォルニアに進出しつつ進化を遂げている。
クローガーもセーフウェイも。
HEBのダラス出店には、
「自らの強み」が強調されていて、
感動した。
ホールフーズは一段と、
「ローカル」(地産地消)を強調し始めた。
トレーダージョーは、
マネジメント・イノベーションに挑戦している。
スプラウツは「ファーマーズ・マーケット」のフォーマットを、
連続的な小さなイノベーションによって、完成の領域に引き上げつつある。
リミテッド・アソートメント「ボックスストア」のアルディも。
「スーパーウェアハウスストア」のウィンコ・フーズも。
ウォルマートをしのぐディスカウントに磨きをかける。
規模は小さいが、
不可能を可能にするナゲット・マーケットにも、
ローカルチェーンの「ニューフォーマット」マーケット・ストリートにも、
日々、小さな、継続的イノベーションがある。
日々の小さなイノベーションは、
「鳥の目・魚の目」と「虫の目」が揃わないと、
見えない。
しかし小さなイノベーションが続けられると、
それは大きなイノベーションとなる。
大きなイノベーションだけに目を向けようとしていると、
小さなイノベーションは見えない。
ピーター・ドラッカー先生の言葉。
「イノベータ―はリスク志向ではない。
イノベータ―は機会志向である」
ショッピングセンターはますます、
ライフスタイルセンター化している。
これはアメリカ流通産業で今、
見逃せない、大きなイノベーションだ。
イノベーションがあるから、
店が輝いている。
それが喪失すると、
店から輝きが失せる。
今回の平和堂研修会第2班。
セミナーでは、しっかりと学んだ。
司会は、副団長の販売促進部部長・杉崎邦彦さん。
集中して聴講するメンバー。
難しいことをやさしく、
優しいことを面白く、
面白いことをより深く。
結城理論を完全マスターしてくれた。
そしてバスでの遠距離走行。
バスの中でも、休まない、
結城義晴と五十嵐ゆう子のセミナー。
研修が終わったら、楽しんだ。
ステーキレストラン「Trail Dust」。
テキサスのカウボーイ・レストランだから、
ネクタイを締めてやってくる北部エリートたちの、
そのネクタイを切り取ってかざる。
飛び切りのポーターハウスステーキを楽しむ。
店内にある滑り台を、
大の大人が楽しむ。
そして誕生日、おめでとう。
岡晃敏さん。
川那辺潔さん。
最後の最後に、サンフランシスコ空港で、
総括と行動提起。
団長の常務取締役・平松正嗣さんが、
的確に、丁寧に、
イノベーションの継続を訴えた。
そして団長、副団長と最後の写真。
サンフランシスコ空港には、
現地在住の浅野秀二先生が、
見送りに来てくださった。
11時間のフライトのあと、
関空から、さらに羽田への空中移動。
大阪の街は日本の大都市だった。
クレイトン・クリステンセンが訴えるイノベーション。
破壊的イノベーションと持続的イノベーション。
破壊的イノベーションが、
ひっきりなしに起こることは絶対にない。
大抵は小さな持続的イノベーションだ。
持続的イノベーションが、
地道に地道に、コツコツと実行されると、
それが大きなイノベーションにつながる。
人間も組織も会社も、
段階的に成長する。
この持続的で小さな改革を軽んじる者は、
イノベーションの本質を理解してはいない。
今回の渡米は、
とりわけて私たちに、
このことを教えてくれた。
アメリカの小売業とわが同志たちに、
心から感謝したい。
それを日本の皆さんに伝えつつ、
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>
[追伸]
今週いっぱい、アメリカ報告を続ける予定です。
ご期待ください。