カルフールの4フォーマット、オーシャン、カジーノまで、一挙見て歩記、こちらも顔ぶれが少ない寡占状態
ヨーロッパに渡って、もう1週間。
ドイツ人の質実剛健さ、フランス人の前衛的尖鋭さ。
両方とも味わう日々。
幸せを感じる。
江戸時代の終わりに、海舟や龍馬があこがれ、
明治にはいって、漱石や鴎外が学んだ意味がよくわかる。
それは21世紀の今も変わらない。
さて、パリに来て2日目は終日、
店舗視察。
全員写真は、ラ・デファンスの新凱旋門にて。
ひとり遅れて参加。
誰でしょう?
この日は、まず朝から結城義晴のセミナー。
フランスの流通事情と小売業のガイダンス。
そしてコモディティ化現象と、
コモディティ&ノンコモディティ戦略。
ヨーロッパの小売業、製造業、
その中の寡占。
分かりやすく、理論的に、
そしてきれいにまとめた。
最初に訪問したのはモノプリ。
フランス国内第3位の小売業・カジーノのスーパーマーケット。
カジーノの2010年売上高は290万7800万ユーロ、昨対8.7%。
110円換算で3兆1985億円。
モノポリとカジーノといったスーパーマーケットと、
ハイパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニなどを展開する。
入り口の青果のディスプレイが美しい。
精肉対面から惣菜に続く。
モンパルナスの都心型スーパーマーケットだけあって、
日本のデパ地下のような売り場。
その証拠にフォション・ブティックがはいっている。
モノプリを後に、凱旋門を抜け。
高速道路を走って、サバブ地区に入る。
モンテッソンのカルフール。
売上高は900億9900万ユーロ、昨対4.8%。
9兆9019億円。
ヨーロッパ最大にして、ウォルマートに次いで世界第2位の小売業。
カルフールはハイパーマーケットを主力に、
スーパーマーケット、ハードディスカウントを展開し、
国内シェアは21・96%と、「クリティカル・マス」を突破している。
この店はワンフロア1万2000坪、世界最大のハイパーマーケット。
百貨店には3万坪、5万坪の店があるが、
ハイパーマーケット、スーパーマーケットなど、
セルフサービスを基本とする店舗では最大。
そのモンテッソン店、9月13日にリニューアル・オープンしたばかり。
ハイパーマーケットの「カルフール・プラネット」が新たなバナー。
レジ台数62の世界最大ハイパーマーケット。
帰国してからゆっくり分析紹介するつもり。
カルフール最新型は、
如何にイノベーションが行われたか。
乞う、ご期待。
そのカルフールの「マーケット」。
スーパーマーケットのフォーマット。
小商圏の生活圏に立地する。
クレート陳列を多用した青果売り場。
スーパーマーケットのオーソドックスな売り場だが、
シンプルでよい。
ディスカウントストアのカルフール・ディア。
ローコスト・オペレーションに徹し、
クレートや箱をそのまま並べて販売。
商品の鮮度はよい。
ラ・デファンスのオーシャン。
オーシャンはフランス第2位の小売業。
売上高は424億9200万ユーロ、7.1%の伸び。
4兆6741億円。
青果売り場。こちらも箱のまま陳列。
天井が高く、見晴らしの良い広い通路。
次に寄ったのが、カルフール・オートイユ店。
パリ市外に進出した大繁盛店。
ハイパーマーケット。
鮮魚売り場。
最後はスーパーマーケットのカジーノ。
これも市内の市街地立地。
洗練された店で、よく売れている。
記念セールのパネルと風船が楽しい売り場。
豊富な品ぞろえのワイン売り場。
樽型の什器がユニーク。
視察を終えて、パリ最後の夜は打ち上げ懇親会。
ブーローニュの森の中にあるレストラン。
最初にコーディネーターの私から三つの総括。
㈱万代の山下和孝副社長の、これまた実のある総括。
阿部秀行さんもスピーチ。
そして、談笑の中での美味しい食事。
最後は磯田雅人さんが恒例の「大阪締め」。
決まった!
ケルンのアヌーガで商談し、
ドイツのビッグ5を視察し、
さらにフランスビッグ3のマルチフォーマットを勉強したMDD会。
成果は大きかった。
海舟や竜馬に倣って、
漱石や鴎外に精神を学んで、
私たちも日本の流通産業に
イノベーションを巻き起こしたい。
そして、心より感謝。
<結城義晴>