ニューヨークからロサンゼルスへ、ホールフーズの「製品を伴うサービス」への進化の過程を学ぶ
私は今、ロサンゼルスに来ている。
今回は、テキサス州ダラスから始まって、
ワシントンD.C.、ニューヨーク、
そしてカリフォルニア州ロサンゼルス。
中西部、東部、西海岸と、
全米を巡ることになった。
その最後の地がロサンゼルス。
それにしても疲れた。
両足にはジンマシンのようなものができて、
痒い。
林廣美先生に教わって、
塩をまんべんなく塗って、
一晩、放置する。
すると塩の殺菌作用で、
ぶつぶつが消えるという。
塩はトレーダージョーのプライベートブランド。
「シー・ソルト」。
これはグラインダー入り食卓塩。
1ビン1ドル99セントの優れものの商品だが、
食卓に置いて食事に使うにはいいかもしれないが、
ジンマシン治療には向かないのか。
アメリカやヨーロッパに1週間以上滞在すると、
食生活に異変が起きる。
野菜が足りなくなる。
ビタミン不足。
そのうえ、寝る時間が減る。
睡眠不足。
そんなことから体調に異変が生じる。
とはいっても、足のジンマシン程度なので、
動き回ったり、講義したり、議論したりには、
何の支障もない。
だから目いっぱいやる。
手を抜かない。
それが私の主義。
ジンマシンも帰国して1週間ほどで治る。
ただし、旅行中はちょっと辛い。
しかし目いっぱい。
手を抜かない。
それに、もう少しで、
この旅も終わる。
ご一緒している人たち、
商品戦略MDチームの皆さんと、
目いっぱい学びたい。
ダラス、ワシントンD.C.、ニューヨークと帯同した経営戦略チームとは、
ニューヨークのジョンFケネディ空港で別れた。
大久保恒夫講師はじめ、全員無事で、成田に帰国。
まずは安心。
お疲れ様でした。
さて、午前7時、
明けきらぬマンハッタンから、
朝日に向かって空港に向かう。
早朝の空港は閑散としている。
SPコース、MDコース全員で最後の記念ショット。
商人舎第10回記念USA研修会だから、
両手を広げて10本の指で「10」を示した。
SPコースの皆さん、お疲れ様でした。
SPチーム・MDチームそろってチェックイン。
私の本を持ってきてくれた江崎グリコ㈱東根聖賢さん(右)と、
㈱ユニバース石橋秋次さん(左)にサイン。
初参加してくれた㈱マルト社長の安島浩さんとは固い握手。
安島さんにとっても、今年は大変な年だった。
東日本大震災で被災し、
その後の奮闘はご承知の通り。
その2011年の秋に、
安島さんと共に学んだことには、
感慨深いものがある。
前夜は部屋にワインを持ち寄って、
参加者と遅くまで語り合った。
安島さんもその一人。
安島さんは、その場を仕切って盛り上げてくれた。
大久保恒夫さんともここでお別れ。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。
SPコースのゲスト講師として参加し、
講義をしたうえで、最後には、
7つの総括をしてくれた。
心から感謝しつつ、
固い握手。
次は12月2日、
「ふたりのビッグ・ショー」です。
互いに、まったくの個人的活動ですが。
SPチームは東京・成田へ。
私は林廣美先生、浅野秀二先生、
MDコースの皆さんとロサンゼルスへ。
6時間のフライトでロスに着いたのは、
13時30分。
時差で、時計は3時間逆戻り。
3時間分得した気分。
しかし長い長い1日。
そのロサンゼルスは暖かい。
すぐにニジヤマーケットに。
林廣美先生のアメリカの指導先。
自社生産のオーガニック野菜を使った惣菜部門は、
売上げの30%を超える。
13店舗で7000万ドルの年商。
辻野三郎丸社長をはじめ、
幹部の皆さんが歓待してくれた。
辻野社長と固い握手。
その後、全員で記念撮影。
全員、まだまだ燃えている。
さてブログは昨日に戻って、続き。
ニューヨーク・マンハッタンに隣接するブルックリンで、
トレーダー・ジョーを訪れた。
エブリデー・ロー・プライスの話がちょっと長引いて、
ブログはそこで中断したが、
その後、フェアウェイマーケット・レッドホック店を訪問。
トレーダージョーのブルックリン店から車で10分ほどのところにあって、
彼の店が出店するまでは独占状態だった。
八百屋出身だけに、
青果部門の陳列は圧巻。
全米ナンバーワン。
店は朝8時開店で夜10時閉店だが、
青果部門は50人態勢で、夜を徹して作業する。
根菜類など比較的日持ちのする商品、丈夫なものは、
1週間に1回とか、3日に1回ほどだが、
葉物や果物などは、毎晩、
全商品を一度撤去し、1品ずつ検品しながら、
すべて並べ替える。
その結果、朝には、この売り場が出来上がる。
新鮮で、定価で、品質の良い青果。
「新しい、安い、良い」
それが最大の売り物。
今回は浅野秀二先生の尽力で、
ジョン・マネジャーにインタビュー。
ここでは自由の女神をバックに写真を撮るのが恒例となっているが、
今回は店長を囲んでの記念撮影。
インディペンデント企業は、
店長が経営の根幹にかかわることを知っている。
そして自分の判断で話してくれる。
だから本質に迫ることができる。
心から感謝。
最後に訪れたのは、ホールフーズ。
ここでも1時間以上のレクチャーを受けて、
店内ツアー。
まず青果部門。
オーガニックとローカル、
そしてアンディスコアについて、
丁寧に説明してくれた。
アンディスコア1000と最高のケールを、
みなで食べる。
説明して、食べさせる。
そして買ってもらう。
「学び、食べ、買う」
これはイータリーと全く同じコンセプト。
まさに知識商人のシゴトだ。
鮮魚部門も全米最高。
ここではオーガニックはない。
オーガニックはあくまでも、
植物を中心にした有機生産物の体系。
だから鮮魚は関係ない。
しかしこの分野でも、
漁獲体制の面で、
長い目で見て環境破壊につながらない運動はある。
それがMSCやフィッシュワイズ。
ホールフーズは先頭を切って、
そんな運動を展開している。
さらに精肉部門。
グラスフェッド牛肉を中心に販売。
さらに肥育中にストレスを掛けない段階を設定している。
ストレスのない牛は、味も良いとか。
その100%グレンフェッドの牛肉を、
大量に50人分用意してくれて、全員で試食。
食べて、学んで、買う。
イータリーと同じ。
最先端のスーパーマーケットは、
この世界に入っている。
最後に「ウェルネス・クラブ」。
健康に関連したスクール形式のクラブ。
現在、ホールフーズの5店舗で、
実験的に展開中。
私たちもその学校で仮想授業を受けた。
ホールフーズの社員が講師となって行われるカリキュラムは、
毎日、数時間ずつ用意されている。
そしてウェルネスクラブの会員は、
カリキュラムに関連する商品を購入する際、
10%の割引を受けることができる。
これはフィリップ・コトラーの
製品を伴うサービスである。
コトラーは企業や店が提供するものを4つに分ける。
①純粋な有形財
②サービスを伴う有形財
③製品を伴うサービス
④完全な無形財
①から④へと進化しているが、
ホールフーズは③の段階を始めた。
今回のテキストでも、
私のサービス・マーケティングの講義に入っている。
レクチャーをしてくれた店舗マーケティング・メンバーに感謝。
そして「食べて、学んで、買う」フードサービス部門で昼食。
この後、5番街のユニクロ、ザラ、H&M、ギャップ、
アバクロンビー&フィッチを訪問。
ユニクロとアバクロが勝ち組。
それは次の機会に。
最後の晩は小林泰清先生とニューヨーク・ステーキ。
私はプライムリブのローストビーフ。
ワインはカリフォルニア。
満足、マンゾク。
そしてタイムズ・スクェアに繰り出す。
商人舎チーフ・コーディネーターの鈴木敏さんも一緒に、
最後の晩の最後のショット。
この後、部屋に帰って、
懇親。
大久保さん、安島さん、林先生、浅野先生も参加してくれて、
熱い絆を確認。
充実した1日が、
「惜しい惜しい」と言いながら、
去っていった。
(続きます)
<結城義晴>