「大阪府市合せ」の橋下徹市長流ポピュリズムは12月商戦には凄く役立つ!
Everybody! Good Monday!
[vol48]
2011年11月の最終週、
そして今週木曜日から12月に突入。
東日本大震災が起こった年も、
あと1カ月となりました。
今年はなぜか自由律俳句を取り上げたり、
最後の最後にギターを取り出して歌ったり、
感情的な面で何かをやったり、
何かを訴えたりしがっています。
私自身が。
荒草を分け入るわが家戻れざることを予感す一時帰宅に
[原発に近い富岡町に家がある 半杭蛍子さん<朝日歌壇より>]
それらしき気温に目覚め今朝の冬
[東京都 田治 紫<朝日俳壇より>]
『AERA』12月5日号。
ブータン幸せ、大阪府市合わせ。
創刊以来いまだにしつこく、ダジャレ・タイトル。
でも、今回は新聞各紙が「大阪府市合わせ」の言い回しを使った。
法政大学大学院政策創造研究科・坂本光司教授とゼミ生の研究、
「47都道府県幸福度ランキング」で、
最下位の大阪府。
その大阪府知事選挙と大阪市長選挙の同日ダブル選挙。
大阪維新の会の圧勝。
橋下徹市長と松井一郎知事が誕生し、
「大阪都構想」の実現に踏み出す。
「大阪府市合わせ」で「不幸せ」脱出。
「談志が死んだ」よりも、
頻繁に使われた。
朝日新聞『天声人語』は、釘をさす。
「小泉元首相への熱狂的な支持は、
どうやら『不毛な興奮』だったと、
後になって多くが気づいた。
似ているとされる橋下流の行方はいかに。
全国の目がそこに集まる」
日経新聞『春秋』は、もっと確信に満ちた駄目押しコメント。
「『作家だから東京へ住まなきゃならないということになるなら、作家をやめます]と言い、
『これは本音です』と駄目を押したのは司馬遼太郎である。
東京への対抗心を隠さぬこと、本音をさらけ出すことも大阪流」
「ならば小欄も、
人の心を何とも強引につかむ橋下さんへの不安を、
本音で指摘しておこう」
大阪府民、大阪市民が選んだ選択は重い。
ただしこれがポピュリズムであることは間違いない。
私もこれは指摘しておこう。
「社会不安とポピュリズムの悪循環」
それが現在の世界の「共通の病理」。
日経新聞『大機小機』のコラムニスト夢風氏に賛成する。
「経済がよくない、だから社会不安が高まる。
そこで政治はポピュリズムに走る」
「ポピュリズム」とは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法、
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」
<『知恵蔵』より>
もちろん既存政党にもこれまでの現職市長にも、
大阪府市民だけでなく、国民が覚めている。
そんな時にこそ、ポピュリズムは台頭する。
「賢者は歴史に学び、愚者は経験にしか学ばない」
鉄血宰相オットー・ビスマルクの言葉。
とはいっても私自身、
今年は自分にも他者にも、
感情に訴えたがっている。
そんな空気が蔓延していて、
大阪維新の会圧勝。
「全国の目がそこに集まる」
「大阪都」をまねて「中京都構想」のもとに、
愛知・大村秀章知事、名古屋・河村たかし市長も群がる。
大阪人は「不幸せ? ちゃうちゃう」と元気。
それが大いに救いであり、確かなエネルギーとなっている。
さて今週は、もう、
12月商戦に向かって、
まっしぐら。
商売やビジネスに関しては、
橋下流ポピュリズムは大いに参考にしたい。
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法」
それがポピュリズム。
情緒や感情によって「購買」態度を決める顧客。
その顧客を重視し、その支持を求める手法。
これは商売そのもの。
ただしここでも、
ポピュリズム商法が蔓延してくると、
すべての基本にあるテーゼ、
例えば「損得より先に善悪を考えよう」こそ、
重大な考え方になる。
12月商戦では、
そんなことが頻繁に起こる。
さて今週の私のスケジュール。
今日は、夕方から立教大学大学院サービス・マーケティングの講義。
明日の火曜日は一番で、羽田から中国・上海へ。
水曜、木曜と上海滞在。
今回は4人+添乗員の小さなグループ視察。
金曜日は、「国民生活産業消費団体連合会」の設立総会。
略称「生団連」は重厚長大の「経団連」の対極にポジションする団体連合会。
夕方5時からその設立懇親会。
その後夕方7時から銀座で、
「大久保恒夫&結城義晴ふたりのビッグ・ショー」
今年春までNHKアナウンサーだった住吉美紀さんが総合司会。
住吉さんはデュエットで歌声まで披露してくれる。
乞う、ご期待。
日経MJトップ特集は「GMS再生『聖域なし』」。
ヨーカ堂、第2の業務改革。
「業務改革」に聖域はない。
あるのは「外部環境の変化に合わせて業務を見直す」こと。
まずは大久保さんが提唱している「挨拶」から。
そのうえで発注や品揃え、在庫管理を徹底して見直す。
そのために「衣料品の移動集約」の仕組みを取り入れ、
百貨店事業部からは「複販率」の指標を取り入れて改革を進める。
衣料品はバーゲンに入ると2~3割引きで販売し、
それでも売れなければ販売力のある店に移動させる、
あるいは冬物衣料ならば北の店に移動させる。
そうして売り切り、
移動させて空いたところには次の商品を早めに導入する。
「複販率」は『来店客一人あたりの平均買い上げ点数の指標」。
これらが本格的な業務改革に結びつくかどうかはわからない。
大型店はニトリや洋服の青山など、
強力なテナントを入れる。
渥美俊一先生が言い続けていた「場所貸し」の発想。
亀井淳イトーヨーカ堂社長は、
「専門店導入はケースバイケース」。
ドラッカー先生のようなことを言う。
業態&フォーマット論者の私は、
総合スーパーはまさに「ケースバイケース」でしか、
成績を確保できないと考えている。
それが本格的な業務改革なのかどうか。
12月のイトーヨーカ堂の売場にその答えが出ている。
楽しみなことばかりの12月商戦。
まずは上海視察とふたりのビッグ・ショー。
頑張ります。
みなさんも、Good Monday!
<結城義晴>