「成人の日」の「もう一人の自分をもて」と「貯蓄と消費」のオクシモロン
Everybody! Good Monday!
[2012 vol2]
2012年の第2週、
そして今日は成人の日の祝日。
毎年、成人の日を過ぎると、
正月明けという感じがする。
2000年から、ハッピーマンデー制度が採用され、
成人の日は、1月の第2月曜日となり、
必然的に三連休となった。
私が自分の成人の日を迎えたのは、
1973年1月15日で、
この日は雪が降った。
国立競技場では、
ラグビー日本選手権が行われた。
学生1位の早稲田vs社会人1位リコー。
25対3のスコアで、早稲田が負けた。
私自身は一日中、横浜の自宅にこもっていた。
思い出すと、ちょっと悲しい、甘酸っぱい感じ。
1999年までは1月15日が成人の日。
小正月(こしょうがつ)に「元服の儀」が行われていたから。
その成人の日は、祝日法で、趣旨が定められている。
「おとなになったことを自覚し、
みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」
私は「みずから生き抜こうとする」というところが好きだ。
そのために、言い続けている。
「もう一人の自分を、
自分の中にもて」
もう一人の自分は、
主体としての自分の言い訳や取り繕いが、
実にむなしいことを知っている。
私自身、今でも、
もう一人の自分が必要だし、
常にもう一人の自分と話し合っている。
主体となる自分の駄目さ加減と付き合いながら、
もう一人の自分から慰められたりする。
そんなことを思い起こさせてくれる成人の日。
みなさんの商売や仕事は、
この三連休、いかがだろうか。
朝日俳壇から、
白息のきれいなお辞儀する子かな
<新潟市 岩田桂>
私はこの三連休、
結城ゼミ生の論文の赤入れに終始している。
一昨夜は徹夜だったし、
昨夜も3時間の仮眠をしようと思ったら、
少し寝込んでしまった。
いま、大急ぎで、論文の読み込みをしている。
結城ゼミのメンバー数は、
一昨年に5人、
昨年に6人と増え、
今年は7人。
一人ずつ漸増。
しかし私の負担も漸増。
論文はいずれも、
1年かけて勉強し研究した力作で、
従って私は、丁寧に丁寧に読み、手直しする。
必然的に時間がかかる。
今夜も完全徹夜のつもり。
明日朝までに5人分目まで仕上げる。
気合十分、
運動不足。
そんな感じ。
今週は、水曜日の11日に彦根の平和堂に行く。
木曜日・金曜日は、横浜みなとみらい。
AJS新年トップ経営研修会。
AJSとはオール日本スーパーマーケット協会のこと。
ここから月末まで、
賀詞交歓会や新年会が目白押し。
忙しい日々が待つ。
しかし今週前半は、
論文仕事一筋。
さて、日経新聞一面に、
「ローソン、上海に上場」の記事。
といっても、「2~3年後を目途」に、
上海証券取引所に上場する「方針」を固め、
「準備作業」に入ったというニュース。
上海証券取引所は、2012年のうちに、
海外企業向け市場「国際板」を開設する。
ここへの上場を狙う。
日本の東京証券取引所だけではなく、
アジアの主要国にも証券取引所がある。
中国は深圳証券取引所と上海証券取引所、
インドはムンバイ証券取引所、
さらにシンガポール証券取引所や香港証券取引所。
日本が上場企業数を8%減少させた昨年までの3年間に、
香港は約14%も増加させた。
特に中国の政府が、香港市場を重視している。
「元の国際化」を意図してのこと。
この香港市場には中国企業だけではなく、
アメリカ、ロシア、最近ではモンゴルの企業まで。
その代り、「上海市場に中国系以外の上場はない」
だから上海の「国際版」には大きな狙いがある。
ローソンはそこに乗って、
「日本企業第1号の上場」を目指す。
中国での店舗展開に有利となる「現地での知名度向上」と、
「元建て」での資金調達を両睨みした政策。
ローソンは、中国でのコンビニ店舗数323店。
「10年後1万店の計画」。
上海や香港での株式公開。
ちょっとしたブームになりそうだ。
一方、日経新聞の『景気指標』。
祝日の月曜日はニュースが少ないし、コラムもない。
そこで海外ネタが中心となる。
記事は「米貯蓄率低下と消費の行方」の見出し。
アメリカの貯蓄率の「適正」は4%超といわれる。
それが、「昨夏ごろまで5%前後で推移」し、
「一時は6%を超えた」。
これは小売サービス業にとっては、
芳しい傾向ではない。
「景気悪化で個人が一斉に
借金返済や老後の生活資金確保に動いた」から。
しかし「昨夏を境に再び下げ、
昨年9月以降は3.5%前後で推移」。
アメリカの失業率はずっと9%半ばを超えていた。
それが現在、8.5%に下がった。
それでも「労働市場の本格回復にはほど遠い」。
だから貯蓄率の低減の理由は失業率だけでは説明できない。
収入や所得が減って、「貯蓄に回す余裕」がなくなった。
あるいは「節約疲れ説」もある。
しかし「今のような低い貯蓄率は持続可能でない」との指摘が主流。
そこでこの記事を書いたワシントン支局の矢沢俊樹記者は結論する。
「2012年前半は再び消費が鈍化するだろう」
この基調トレンドの中で、
アメリカ小売業はいかに消費を刺激するのか。
日本の家計貯蓄率は、
いまから20年前の1992年段階で14.7%、
2007年は2.4%、2008年2.3%、2009年2.3%と、
2%台前半まで下がって2010年2.4%、
さらに昨2011年には3.2%と回復。
アメリカの3.5%と似通ってきた。
それでも、低いことに変わりない。
こちらは所得の減少が最大の理由か。
貯蓄と消費。
顧客にとっては、
将来に備えて貯蓄もし、
現在を楽しむために消費もしたい。
まさにオクシモロンの状態。
小売サービス商売は、
この顧客のジレンマの中にある。
私たちは「貯蓄率」にも、
常に目を配っておきたい。
1月の第2週。
消費マインドは「節約・倹約・もったいない」。
だから今週も、
「朝に希望・昼に努力・夕に感謝」
ではみなさん、
Good Monday!
<結城義晴>