サクラメント[初日]ナゲットマーケット2つのフォーマットの二人の店長
昨2月9日17時25発のANA008便で成田を出発。
8時間半ほどのフライト時間で、
サンフランシスコ国際空港に到着。
西海岸はあっという間の距離だ。
懸案の仕事を3分の2ほど片付け、
食事をして、ビールとワインを飲んで、
映画を三本見たら、着いた。
もう少し乗っていたい気がしたほど。
慣れてくると、近くなる。
空港には二人の出迎えあり。
今回の現地コディネーターの五十嵐ゆう子さんと、
五十嵐さんのボスで、
JACエンタープライズ代表の浅野秀二さん。
早速、参加者に紹介し、浅野先生とはいったんお別れ。
バスに乗り込み、向かうのはカリフォルニア州の州都サクラメント。
途中で、研修会唯一の観光として、
ゴールデンゲートブリッジに立ち寄る。
全長2,737メートル。
この日は、20度近い温かさ、しかも快晴。
橋の端まで歩いて、サンフランシスコ湾の眺望を楽しんだ。
橋をバックに、皆で記念写真。
道中の疲れも見せず、みなさん、元気です。
商人舎の研修会ではめったにない貴重な30分の観光を終え、
いざ、店舗視察へ。
初日の今日は、ナゲットマーケットの2つのフォーマットを視察。
ご存知、中小企業ながら、
Fortune誌「働きたい企業100」の上位常連企業。
ひとつは9店を展開するスーパーマーケットのナゲットマーケット、
もうひとつが、3店舗のフード4レス。
最初に訪れたのは
ナゲットマーケットがFC加盟で運営するフード4レス。
倉庫型ディスカウントストア、平均店舗面積は5300㎡。
いきなりTim・Rydjord店長のインタビュー。
ナゲットに15年間務める43歳。
ナゲットでは店長のことをStore directorと称する。
ナゲットマーケットの企業理念、
フード4レスの特徴など、丁寧に話してくれた。
「以前働いていたクローガーは自分を人間として見ていなかった。
ナゲットはお客と従業員の満足を一番に考えている」
この店は24時間営業。
80人の従業員のうち、35名がフルタイムで勤務する。
ナゲットよりも商品回転率が高く、生鮮の鮮度は良い。
青果部門は8人のスタッフが担当し、夜間2名、昼6名のシフト。
毎日、すべての商品を入れ替える。
ダンボールカット陳列や投げ込み陳列で、省力化は徹底している。
ゴンドラの上には、イースター向けオブジェのディスプレイ。
省力化はするが、売り場の楽しさを演出することは怠らない。
グロサリーや日用雑貨はパレット陳列が基本。
ティム店長がみせてくれたのは、
オフィスに設置されたコミュニケーションツール「UーTube」。
もちろん「YOU TUBE]のもじり。
unique(ユニーク)のUともひっかけたネーミング。
オフィスの階段入口に設置されたコンピュータ画面には、
店長や本部スタッフからのメッセージが流れている。
社員は、それぞれにIDカードのような「Uカード」をもち、
自分に関係する情報を見たら、そのカードによって確認を行う。
ここからが面白い。
情報をチェックをした人たちの中から、
毎月数人に、報奨金が支払われる。
3年前からの取り組みだが、
情報徹底がなされるようになったという。
情報を発信する側も、いかに目にとめてもらうかを工夫する。
画面はラッパーに扮した本部人事部長のメッセージ動画。
その横には、サジェスチョンボックス「U matter!」。
「クリエイティブ・アイディアを取り入れる社風が、
ナゲットにはあふれている」とティム店長。
ティム店長はこの日、43歳の誕生日。
お祝いしつつ、二人で写真。
昼食は、In-n-Outバーガー。
アメリカ南西部に268店舗を展開する人気のハンバーガーチェーン。
創業は1948年。
メニューはハンバーガー、チーズバーガー、
ダブル・ダブルチーズバーガーの3種類だけ。
本物のじゃが芋を使った揚げたてのフライドポテトとドリンクが付く。
ハンバーガーを味わうだけではなく、
作業オペレーションも見てもらうのが目的。
いつもそのきびきびとした作業風景には、
感心させられるし、気分が良くなる。
フードサービス業もリテールも、
料理をいただき、商品を買うだけの店ではない。
そのオペレーションの見事さで、
顧客に快感を与えることもできるのだ。
最後はナゲットマーケット・ウッドランド店。
ナゲット第1号店。
同じ敷地内にナゲットの本社がある。
なんとシンプルで質素なオフィスなんだろう。
外観は非常にシンプルだが、
中に入ると、 ナゲットらしい売り場が現れる。
青果売り場の演出と、
このボリューム感。
オーガニック売り場も見惚れるほどの陳列。
コーヒーの量り売りも充実。
ナゲットは、競合他社と価格コンパリゾンを徹底して行い、
どこよりも安価で提供することにこだわっている。
入り口壁面パネルで競合企業に対する価格の優位性を、
アイテム数比較で顧客にアピールする。
視察をしていたら、元ローズビル店長Rodney・Bebeeさんに遭遇。
聞いてみれば昨年夏に、この店の店長になったばかり。
ロドニー店長は、急きょインタビューに応じてくれた。
次々に参加者から質問が飛んだ。
その質問にも実に真摯に、丁寧に答えてくれた。
若干31歳のロドニー店長。
感謝と期待をこめて握手。
視察を終え、ホテルに向かう頃には、
北カリフォルニアの田園地帯に夕焼けが美しかった。
サクラメントの市街地が見えてきた。
長い長い一日も、あと少し。
ホテルに着いたら結城義晴の第1回セミナー。
会場はホテル2階のTAHOE会議室。
4社20名の参加者は、全員が疲れをものともせず、
真剣に聞いてくれた。
ナゲット・マーケットに貫かれていたもの。
そして全米小売業・サービス業に共通するもの。
それが顧客満足と従業員満足の一貫性だ。
超巨大な企業にも、中小インディペンデント企業にも、
カスタマー・サティスファクションと、
エンプロイー・サティスファクションは、
裏も表もなく貫徹されている。
それが良き企業であり、強い企業であることの、
共通した条件だ。
この面では、企業規模の大小は関係ない。
私も伝えたいことがたくさんある。
時間はいくらあっても足りないぐらい。
まだまだサクラメント視察の初日。
明日からはさらに高速回転で観察と体験を続ける。
ほんとうに楽しみだ。
講義のあとは、
全員でステーキ・ディナー。
部屋に帰って、
懸案の仕事を済ませ、
ブログを書いている。
こちらの時間で、午前2時46分。
長い長い長い一日の終わり。
明日はまた、全開で疾走する。
いくつになっても、
「一心不怠 成長無限」
(つづきます)
<結城義晴>