結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月08日(木曜日)

ベニマル大高社長「国より厳しい基準」とイオンワーカーズユニオン講演

昨日の日経MJで、
ヨークベニマル社長の大高善興さんが、
インタビューを受けている。

「価格を重視する人と、
安全性や品質を重視する人
で、
消費の二極化が進んでいる」

福島、宮城、茨城と被災地で店舗展開しているだけに、
同じ二極化の話をしても、
善興さんの口から出ると、重い。

「安全性を求める声に応えるため、
放射性物質に関して出荷元で検査を実施する体制にしている。
牛肉は国の基準より厳しい1キログラム50ベクレル以下、
基本的には5~15ベクレル程度か検出限界値以下の商品を販売」

「国より厳しい基準」
これがヨークベニマルの判断。

「全品目ではないが、福島県産と他県産を併売し、
消費者が選べるようにしている」
これも、最後は顧客に判断を委ねるが、
そのための材料は店側が、
ぬかりなく提供する姿勢。

「ただ地元企業として農産物や畜産物などは
できるだけ地場商品も販売するよう努めている」

「福島県産牛肉は仕入れ価格が下がっているため、
震災前の4割引きで販売しているが、
前年比2倍と好調だ」

そして続ける。
「現在休業している店舗は原発から20キロ圏内の5店舗、
津波の被害を受けた2店舗の計7店舗。
津波で休業している2店舗のうち湊鹿妻店(石巻市)は7月に再開するが、
中浦店(同市)はまだメドがたっていない」

物江信弘店長の港鹿妻店は、
7月に再開する。

嬉しい話。

エールを贈りたい。

さて、日経新聞に「食料大競争」の連載記事。
今回は総合商社が
「供給網構築に全力」を挙げていることの報告。

「世界の総人口は70億を超え、
経済成長する新興国の需要は増大する一方」

だから「この10年で穀物需給は逼迫、
価格は3倍に上昇
」。

まだまだ人口は増える。
日本の少子高齢化は、
地球規模でみると一部の現象となる。
「国連人口基金(UNFPA)によれば
世界人口は2050年には93億人に増える」
地球の適正人口は20億人とも25億人ともいわれる。

しかしこの世界人口の増加は、
食糧に関して、価格高騰することを意味していて、
少子高齢化の日本にも影響を与える。

「経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は
小麦やトウモロコシなど穀物生産量も増えるとみるが、
需要の増大も続く可能性が高い」

そこで記事は、丸紅、三菱商事、双日、三井物産の動きを追う。

丸紅はブラジルの港湾運営会社テルログ・ターミナルを買収。
「集荷から港湾、需要地まで押さえる穀物サプライチェーンの構築」がその狙い。

三菱商事は1月、ペルーでリン鉱石の権益を獲得。

一方、三井物産はブラジル資源大手のヴァーレと組み、
400億円で鉱山を拡張。

これは「収穫量を高める肥料資源の争奪」。

双日は昨年、アルゼンチンの農業法人と提携、
三井物産もブラジルで12万ヘクタールの農地を保有。

中国やドイツなど有力経済大国との競争が激化する。
「日本勢が商機をつかむには
技術や運営ノウハウなど強みを育てていく」ことが必須。

世界の人口問題や食糧問題が、
日本の少子高齢社会を直撃することを、
忘れてはならない。

昨日は、東京・田町で講演。
イオンワーカーズユニオン主催
「流通の未来を自分たちでつくる会」

「自分たちでつくる」というところが、とてもいい。

東北、北関東、南関東、北陸信越の東日本エリアの勉強会で、
事務局をあわせ、55名ほどの参加者となった。
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テーマは、
「チェーンストアのグローカル戦略」。
日米欧巨大小売業の5つのTide of Timeを解明するをサブに、
日本流通業の動静、米欧のチェーンストアに見られる現象、
2012年以降の潮流と課題と対応の考え方を、
90分にわたって語った。
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伝えたいことが山ほどある。
あっという間の90分だった。
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そして、質疑応答。
「グッド・クエッション」ばかりだった。
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だから、回答も思わず長くなり、力が入る。
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私の次に講義したのは、
イオントップバリュ㈱常務取締役の落合克彦さん
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落合さんは、㈱光洋の前社長。
いまや超異色のイオン幹部。

テーマは、
「2012年計画とトップバリュブランディングの方向性」
マーケティング本部長として、
適切な資料をもとに、
ザックバランの語り口。

内容は極秘事項。

自社のプライベートブランドだけに、
参加者からの質問や厳しい意見も投げかけられたが、
落合さんは真摯に答えて、とてもよかった。

その落合さんと控室で。
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その後、JALシティ田町ホテルに会場を移して、懇親会。
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乾杯のあいさつは主催者を代表し、
西近畿グループ議長の中村敏之さん。
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講演の後のビールはうまかった。
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懇親会で私は「脱グライダー人間」の話をした。
「自分たちでつくる会」という趣旨そのものが、
「脱グライダー」になっていて、あたしはそこに賛意を示した。

今日は商人舎を山口毅さんが訪れてくれた。
立教大学大学院結城ゼミ3期生のボス。
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日本ロレアル㈱で、
カテゴリー・マネジメント室長を務める。

フリークエント・ショッパーズ・プログラムや、
カスタマー・リレーション・マネジメント、
およびカテゴリーマネジメントの専門家。

山口さんも「脱グライダー人間」を目指して、
このたび、重大な意思決定をした。

応援したい。

<結城義晴>


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