司馬遼太郎語る吉田松陰「底抜けに明るい」「恐ろしいばかりに優しい」
今年の横浜の桜。
そろそろ終わりです。
ありがとう、
ご苦労様。
また来年、
よろしくお願いします。
一昨日の夜の桜。
同じアングルをフラッシュを使って。
ひとつのものを両面から楽しむ。
何ごとも。
一面的な見方、
一方的な言い切り方、
気をつけねばなりません。
組織内にコンフリクトをつくれ。
つまり常に対立軸を立てておく。
常に疑ってかかれ。
それが最後には正しい判断をもたらす。
例えば今日のニュース。
「ホームレス、1万人下回る」
公園や河川敷などで暮らすホームレス。
例の青いシートの下に住む人々。
横浜・新田間川にもひとり。
厚生労働省の調査。
今年1月時点で全国に9576人。
男性8933人、女性304人、性別不明339人。
大阪府が2417人で全国最多。
次は・・・・・、
そう、東京の2368人。
2003年から調査が開始されたが、
初めて1万人を下回った。
前年比マイナス12.1%。
その理由。
「生活保護に移るケースが増え、
自治体の緊急一時宿泊施設が効果を上げた」
1月時点の生活保護受給者は209万1902人。
過去最多。
ホームレスが減った。
それだけでは現象の本質は見えない。
生活保護受給者が増えたから。
行政の仕事の成果か。
もう一つのニュース。
「2013年度、大学・大学院大学5校、新設」
平野博文文部科学大臣の諮問。
4年制大学は秋田公立美術大学、
札幌保健医療大学、岡崎女子大学、
大阪総合漫画芸術工科大。
それに統合医療大学院大学。
このうち、秋田公立美大と岡崎女子大は、
短大を廃止・改組して4年制大学に変換。
少子高齢化社会で、
大学がまだ増えるのか。
そんな感慨も抱くが、
過去3年間、申請件数が年間10件程度もあった。
それが、半分近くに減少。
これも時系列で見ていなければ、
本質は分からない。
それに増えているのは地方の大学。
専門性の高い大学。
総合大学はもはや増加しないし、
それぞれ厳しい経営環境にさらされている。
まるで小売業の「総合店」のようだ。
日本の総合スーパーは1997年にピークを迎えた。
しかし専門スーパーは伸び続け、
コンビニ、ドラッグストアは増え続ける。
大学もちょっと、
そんな傾向にある。
何ごとも、
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」
「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
「Retail is Detail」
小売りの神は細部に宿る。
しかしこれだけでは絶対に、危ない。
「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
そして「魚の目」は、流れを見る力。
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
「虫の目・鳥の目・魚の目」
そして、「四つ目の目」は、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。
何ごとも。
司馬遼太郎の『この国のかたち五』
吉田松陰が登場する。
松陰と高杉晋作のことは、
『世に棲む日日』に小説として書かれているが、
ここではその人柄を、司馬が語る。
松陰は、「底抜けに明るい人」。
「生涯が短くても、春夏秋冬がある。
悔やむに足りない」
松陰の楽観的過ぎるかとも感じられる言葉。
さらに松陰は「優しかった、ほめ上手だった」。
「魚屋の子にも、
萩城下から来ている高杉晋作のような歴とした藩士に対しても、
おなじ態度で接しました。
たれに対しても
恐ろしいばかりに優しいのです」
松陰は、裏表のない人である。
そして松陰は、
「鳥の目・魚の目」を、
「心の目」を持っていたと、
つくづくと思う。
昨日の夜。
いつもの帰り道。
雨の中の桜。
そして、地面に散る桜。
もう一度、今年の桜に。
最後に言っておこう。
ありがとう、
ご苦労様。
また来年、
よろしくお願いします。
<結城義晴>
[追伸]
今週もこのブログを読んでくださって、
ありがとう。
「facebookで友達になろう」にも、
応えてくださって、
これもありがとう。
みなさんにとって、
良い週末でありますように。
より良い来週が来ますように。