6月「前向き・上向き・外向き」と百貨店の「下向き・内向き・後ろ向き」
「前向き・上向き・外向き」
今月の商人舎標語。
しかしどちらかと言えば、
いさめる言葉の方が、
響きがいい。
この場合には、語呂がいいので並びが変わる。
「下向き・内向き・後ろ向き」
これではいけないよ。
そう、諭す。
その時に、
シ・タ・ム・キ
ウ・チ・ム・キ
ウ・シ・ロ・ム・キ。
四・四・七。
それが語呂が良くて、響きがいい。
七・七・七・五の都都逸は、
細かくは、(三・四)・(四・三)・(三・四)・五と分けられる。
三千世界の烏を殺し
主と朝寝がしてみたい
高杉晋作がつくったとされるが、
これは、
さ・ん・ぜ・ん
せ・か・い・の
か・ら・す・を
こ・ろ・し
ぬ・し・と
あ・さ・ね・が
し・て・み・た・い
四・四・四・三・三・四・五。
シ・タ・ム・キ
ウ・チ・ム・キ
ウ・シ・ロ・ム・キ。
この四・四・七は、
都都逸に通じていて、
われわれ日本人には調子がいい。
一方、
ま・え・む・き
う・え・む・き
そ・と・む・き
四・四・四。
何とかならんか。
ま・え・む・き
う・え・む・き
と・な・り・む・き。
語呂はいいが、
意味がちょっと。
では、
ま・え・む・き
う・え・む・き
あ・っ・ち・む・き。
これも、おかしい。
ならば、
ま・え・む・き
う・え・む・き
あ・な・た・む・き。
あるいは、
ま・え・む・き
う・え・む・き
お・きゃ・く・む・き。
しかし、やっぱり「外」にこだわって、
今月の商人舎標語。
ま・え・む・き
う・え・む・き
そーと・む・き。
外を「そーと」と発音してください。
昨日から引っかかっていたことが、
全部解決というわけではないが、
これで少しだけ、すっとした。
みなさん、よろしく。
とはいうものの、
疲れた。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
乾坤一擲。
全力投球。
不惜身命。
私はまさに、こんな意気込みだった。
これらも四・三、四・三、三・四。
だから都都逸の響きにするなら、
五がほしい。
こんなところだろうか。
乾坤一擲、
全力投球、
不惜身命、
商人舎。
ありがとうございました。
さて今日は昼から、
東京・池袋の立教大学。
大学院ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ。
今年は6人だが、
今日はそのうちの5人が集まってきて、
この1週間の研究や勉強の成果を発表しあう。
自分のことだけでは、いけない。
仲間のテーマにも関心を持って、
そのうえで自分の課題を研究する。
これは、チームワークの原理に基づく。
ピーター・ドラッカー先生は、
職能型組織にチーム型組織を、
組み込むことを指摘している。
つまり、ベースは職能型縦割り組織。
そこにチーム型を融合させる。
大学院の研究はたいてい、個人的となる。
組織で言えば職能型、縦割り型。
だからゼミという共同コミュニティがあっても、
特別に共同研究でもしない限り、
教授とゼミ生は、
鵜飼における鵜匠と鵜になりやすい。
私はそれが嫌いだ。
それではチームとしての成果が上がりにくい。
だから研究の始めの段階には、
チーム型組織を導入する。
それが4月5月6月7月あたり。
いま、その真っ最中。
みんな、いい感じで、
自分のレールを敷き始めています。
自分のレールがはっきりしていて、
仲間のレールと交差するところを知り、
それを楽しんだり、助け合ったり、
有効活用したり。
それが結城ゼミのやり方です。
私の雑誌編集部の方法論でもありましたし、
㈱商業界の役員相互の在り方、
ゼネラルマネジャーを加えたボードの考え方でした。
㈱商人舎はもう、チーム型そのもの。
だからこんなに少ない人数の組織で、
あんなミドルマネジメント研修会を運営できる。
ありがたいことです。
今日はこの後、
銀座で結城ゼミ第2期生の食事会。
楽しみです。
さて、5月の百貨店売上高は、
上位5社中、3社が前年割れ。
日経新聞の記事。
高島屋がマイナス0.8%、
そごう・西武もマイナス2.3%。
阪急阪神百貨店はドル箱の梅田の店舗が改装中。
そこでマイナス3%。
三越伊勢丹はプラス1.4%、
大丸松坂屋百貨店もプラス0.8%。
5月中旬の「母の日商戦」は例年以上だったが、
肝心の「大型連休」が良くなかった。
天候不順と前年よりも休日が2日少なかったという理由。
その百貨店が、今夏のバーゲンを後ろにずらす。
これも日経新聞の「真相深層」の記事。
今年の夏のバーゲンは、
7月中旬の13日にスタートする。
これは例年より2週間遅い。
最初にこの方針を打ち出したのは、
三越伊勢丹ホールディングス。
4月下旬のこと。
5月には、オンワード樫山や三陽商会などアパレルが、
「セール対象商品は一律7月13日から供給する」と表明。
さらにそれを受けて、
高島屋、東武百貨店などもバーゲン先送りを決定。
日経の取材は真相を明かす。
「昨秋、クリアランス(バーゲン)の時期是正を申し入れたところ、
迅速な対応をしていただいた」。
これは日本百貨店協会のパーティー挨拶で、
日本アパレル・ファッション産業協会理事長・広内武さんの発言。
オンワードホールディングス会長兼社長。
百貨店の衣料品売上高は13年連続で前年割れ。
ピークは1991年で、このときはトータルで4兆円。
それが現在は半減。
大手アパレル5社の2011年度決算は、
3社が最終赤字。
そこで「利益率を上げるには、
正規価格での商品の販売量を増やすことが近道だ」となった。
アパレルファッション業界では、
「新商品の正規価格での販売量が70%を超えると成功」。
しかしここ10年以上、「50%を超えるブランドも少ない」。
そこでバーゲン時期を後ろにずらすことになった。
今年2月に三越伊勢丹HD社長に就任した大西洋氏の持論。
「百貨店をセールに頼らない体質へ変え、
価格への信頼感を取り戻す」。
これを業界を挙げて遂行しようということ。
しかし、そのためには、
商品そのものの価値が問われる。
もちろんそれをやりきろうという意図もあるのだろう。
バーゲンはハイ&ロー。
エブリデーロープライスとは言わないまでも、
エブリデーフェアプライスのためには、
ギリギリの価格を、最初から出さねばならない。
三井高利は1673年に、「越後屋」を創業する。
そして1683年、「店前現金無掛値」を打ち出す。
『今度私工夫を以て呉服物何よらず格別やす値に売出し申候間、
私店へおいで御買上げ下さる可く候。
尤も手前割合勘定を以て売出し候上は
一銭にても空値申上げず候間、
御値切り遊ばされても負けは御座なく候』
この店が三越百貨店となり、
三越伊勢丹ホールディングスへと引き継がれた。
バーゲンの後ろ倒し。
シ・タ・ム・キ
ウ・チ・ム・キ
ウ・シ・ロ・ム・キ
語呂はいいけど、
これであっては、
絶対にいけない。
<結城義晴>
2 件のコメント
ご苦労さまでございます。小売業界への貢献、頭が下がります。
ところで、数値で経営することが肝要だと思うのですが、今の会計体制は、国が徴税する為の会計制度であり、経営の事は、考慮が少ないと思います。特に、今のチェーンストアー会計は、店舗別の貸借対照表が作成されていない場合が多い。貸借対照表が無いと投下資本に対する利益が判定できない。そんな、素人経営が横行しているのが今のチェーンストアーです。これでは、ダイナミックな経営で、前向きにはなれません。http://www3.ocn.ne.jp/~csl/hybridac.PDF
これは、九州産業大学経済学部金川教授との共同研究ですが、ぜひ、会計制度の教育及び指導を国税庁から、商人舎へ移されることを進言致します。
特に、会計パッケージソフトが国内外から販売されていますが、これらは会計者が作った税務会計バージョンで、経営会計には向かないと思います。もっと緻密な、自動仕訳のロジックを組み込むべきでしょう。白部さんは、たぶん、私の事を覚えてあると思いますが、よろしくお伝えください。
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吉田豊昭(ヨシダ・トヨアキ) 有限会社 シーエスラボ 社長
〒840-2202 佐賀県佐賀市川副町早津江津223-1
電話FAX 0952-45-3427
携帯電話 090-4986-0832
E-mail : csl@bronze.ocn.ne.jp
URL:http://www3.ocn.ne.jp/~csl/
“皆が幸せになる「情報化社会の設計図」”の本
http://www3.ocn.ne.jp/~csl/jyouhoukahonhtm.htm
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吉田豊昭さま、ありがとうございます。
私も店舗ごとの貸借対照表経営は、
必要だと思います。
店長がバランスシートで経営できるというのが理想です。