ジジとお座敷列車[日曜版2012vol27]
ジジで~す。
ボクは、ねてました。
ボクがねてるうちに、
おとうさんは、
でかけてしまいました。
どこへ?
なんですか?
わかりません。
列車ですね。
みんな、あつまって。
ボクは、おとうさんのベッドまで、
さがしにいきました。
もう、いませんでした。
でも、お座敷列車。
食べものや飲みものを、
はこびこんで。
のりこみます。
rikkyoの鉄道研究会50周年記念。
お座敷列車。
ボクは、みょうに、
おなかすいてきた。
列車のなかに、
とびらがある。
座席がしめされている。
くつをぬいで、
あがります。
くつは、
げたばこへ。
食べもの、飲みものは、
クーラーボックスへ。
ボクは、あさの顔あらい。
ていねいに、ていねいに。
耳のうしろも、
いいきもち。
おとうさんたちは、
のりこんで、
お座敷へ。
運転席もよく、みえる。
車掌さんが、
すわっています。
ボクも、
おうちにおちつく。
おとうさんがいないし、
ちょっと、つまらない。
おとうさんたちもすわって、
列車は出発。
はじめに、
シャンパンでかんぱい。
いいですね。
「オーミヤ、オーミヤです」
おとうさんが、
社内放送。
これをよみながら、
アドリブも。
列車はゆっくりとすすみ、
それでも高崎あたりへ。
SLがはしっています。
ちかづいてきた。
そして、
「せんろはつづくよ、どこまでも」
いい旅をしてください。
おいのりしています。
<『ジジの気分』(未刊)より>