上場企業四半期決算と「昭和な時代」の「流通革命終わらない」
「中山政男のPOP語り」
商人舎ホームページの人気ブログ、
今日から第2弾スタートです。
中山先生は日本のPOP指導の第一人者。
2009年1月に逝去された今津次朗さんと並んで、
日本流通業界のPOP広告や販促のイノベーションを推進してきた。
今津さんは、「ピンキーとキラーズ」の今陽子さんの父上。
広告販促・手作りPOP広告・陳列ディスプレイなどの理論と実践で、
全国を講演・指導して回っていた。
中山先生ももちろん現役で、
全国指導の旅をつづけておられる。
私は特にセルフサービス方式を採用する店舗では、
「POP」広告は必須のツールであると考えている。
だから「この店にしかないPOP」こそ、
あってしかるべきだと思う。
『組織は戦略に従う』
〈『Strategy and Structure』〉
アルフレッド・チャンドラー・ジュニア。
「組織は戦略に従って決まり、
事業拡大の道筋が異なれば、
マネジメント上のニーズも異なり、
結果として別タイプの組織が生まれる」
販促も広告もPOPも、
戦略に従う。
戦略が「この店だけ」とならねばいけない。
アメリカのウェグマンズ、HEB 、
ホールフーズ、トレーダー・ジョー。
一方、ウォルマートやターゲット、コストコ、
アルディやウィンコ。
どんな企業も、どんな店も、
我が社しかないPOPを持っている。
それは我が社の戦略に従っている。
中山先生はそれを指導している。
㈱バウコミュニケーションズ会長の池内勝司さんも、
「POPの学校」校長の山口茂さんも、
同じ道を歩いているのだと思う。
立教大学院の今年の結城ゼミ生・大塚英里さん、
修士論文・調査研究レポートのテーマに、
「POP広告」を取り上げた。
1年間かけて、日米欧の先行研究を調べ上げ、
そのうえで仮説を立てて、
店頭実験をして、それらを検証する。
本格的な研究、
ほんとうに楽しみです。
「中山政男のPOP語り」
ご愛読をお願いしたい。
今日もまた横浜の商人舎オフィス。
お昼ご飯は、岡野町交差点の八起。
「七転び八起き」の八起。
そのサンマー麺。
絶品。
『一日一麺』のtanichanほど、
うまく写真は撮れないが、
味は絶品。
焼きそばも、よろしい。
私はあまり食べないが。
さて、商人舎ホームページ上段を流れるテロップ。
「流通ニュース」
現在、メール読者数1万2533人。
商人舎と同志的提携をする「流通」に関する最大のネット・メディア。
Google検索で「流通」と打ち込むと、
第1位は、「流通 – Wikipedia」 ja.wikipedia.org/wiki/流通。
第2位は、「日経MJ(流通新聞)」 www.nikkei.co.jp/mj/。
そして第3位が、「流通ニュース」 ryutsuu.biz/。
その流通ニュースの「決算」のカテゴリーを見ると、
今日現在では以下のように見出しが並ぶ。
(2012年07月03日配信)
ローソン/3~5月は売上高8.4%増、営業利益8.4%増
スギHD/3~5月は売上高6.2%増、営業利益4.9%減
イズミヤ/3~5月は売上高1.8%減、営業利益2.1倍
ケーヨー/3~5月の売上高4.7%減、営業利益45.4%減
井筒屋/3~5月は売上高2.4%増、営業利益14.2%増
ハニーズ/5月期は売上高7.6%増、営業利益43.9%増
(2012年07月02日配信)
ユニー/3~5月の当期利益206億円
フジ/3~5月は黒字化
カスミ/3~5月期の売上高4.3%増、営業利益44.5%減
サークルKサンクス/3~5月期の売上高15.6%減、当期は黒字化
レデイ薬局/3~5月は増収増益
(2012年06月29日配信)
しまむら/3~5月は売上高11.6%増、営業利益34.0%増
オークワ/3~5月は売上高0.7%増、営業利益9.5%減
DCMHD/3~5月の売上高0.1%減、営業利益21.2%減
ポイント/3~5月は売上高7.8%増、営業利益6.7%増
タキヒヨー/3~5月は売上高15.4%増、営業利益203.9%増
(2012年06月27日)
ニトリHD/3~5月は売上高11.0%増、営業利益42.4%増
平和堂/3~5月は売上高2.8%増、営業利益1.9%増
(2012年06月26日)
アオキスーパー/3~5月は売上高227億円、営業利益4億円
(2012年06月25日)
J.フロント/3~5月は売上高1.6%増、営業利益77.6%増
高島屋/3~5月は売上高6.5%増、営業利益68.7%増
イオンモール/3~5月は売上高8.6%増、営業利益6.4%増
マックスバリュ西日本/3~5月は営業利益27.2%減
イオン九州/3~5月は売上高0.2%減、営業損失4億6400万円
イオンクレジット/3~5月は売上高8.5%増、営業利益37.6%増
マックスバリュ九州/3~5月は売上高311億円、営業利益2億7800万円
CFSコーポレーション/3~5月は売上高2.1%増、営業損失1億4400万円
マックスバリュ東北/3~5月は売上高4.6%増、営業利益21.4%減
サンデー/3~5月は売上高12.8%減、営業利益74.4%減
(2012年06月22日)
キリン堂/3~5月は売上高3.1%減、営業利益46.2%減
(2012年06月20日)
アークランドサカモト/3月~5月の売上高0.9%減
(2012年06月15日)
西松屋チェーン/3~5月の当期利益35.4%増
今朝の日経新聞の見出しは、
ABCマート、経常益最高82億円 3~5月
ローソン、3~5月 経常益が最高 生鮮強化など寄与
ハニーズ、純利益2倍 前期26億4000万円 東北地区の販売伸びる
スギHD、3~5月 純利益が25%減 花粉関連が低迷
イズミヤ、3~5月 最終黒字に コスト削減が奏功
ケーヨー、経常益が38%減
全て2012年度第1四半期決算。
「微増収減益」が全体のトレンドか。
昨日の日経新聞には、
「マルヤ 3~5月単独最終赤字1億9800万円」の記事。
こちらは大幅減益どころか、2億円に近い損失。
私が懸念するのは、
四半期決算という短サイクルに、
各企業が心を奪われ過ぎていないか、
この一点。
もちろん本決算は、
4つの四半期決算の合計・集積である。
だから良好な四半期を積み重ねていかねばならない。
しかし企業が上場していなければ、
そして四半期決算のサイクルが、
証券業界を中心に、
こうもクローズアップされなければ、
経営者も幹部もミドルマネジメントも、
余裕をもって経営に当たれる。
昨日のブログで書いたが、
ピーター・ドラッカー先生は言う。
「堂々と経営して、
堂々と成果をあげてください」
そして、さらに、
「仕事を楽しんでください」
さてさて、日経新聞一面コラム『春秋』。
「昭和時代」と「昭和な人」を取り上げる。
民主党分裂劇の主役、小沢一郎さん。
幹事長の輿石東さん。
「昭和時代の悪いところばかり再現したような政変だから、
昭和オヤジも昭和を知らぬ若い人もげんなりなのだ」
昭和への認識は、大事だと思う。
私の古巣㈱商業界。
小売流通サービス業の経営出版社。
その月刊『販売革新』が50周年を迎えた。
私は昭和52年(1977年)4月に商業界に入社し、
『販売革新』編集部に配属され、5年ほど仕事した。
その後、取締役編集局長になって、
平成10年(1999年)10月に、
『販売革新』編集長を兼務した。
いわば、『販売革新』OB。
長らく、巻頭言の「editor’s voice」を、
書いてもいた。
だからお許しいただけると思うが、
この日本のチェーンストア産業づくりに大いに貢献したメディアが、
その50周年に掲げた特集。
「流通革命はまだ終わらない」
私は「流通革命」の意義を、
高く高く評価したうえで、
2012年の今、再びみたび、
「流通革命」を掲げることは、
「昭和時代の昭和な発想」だと思う。
「商業の近代化から現代化へ」
寝ても覚めても、私が考えているテーマ。
それは私のライフワークだから。
昭和は「流通革命の時代」だった。
それが近代化をもたらした。
しかし、今、現代化を目指す。
その現代化の条件で、
確かなことのひとつは、
「流通革命」ではないことだ。
『販売革新50周年記念号』の特集の中で、
ファーストリテイリングの柳井正さんが、
何度も語る。
「小売業が主導権を握るとか、
メーカーが握るとか、
そういう発想は古い」
「お客さまのニーズをどう実現するかが大切だ」
「どっちが主導権を握ってもいい。
もう小売業とか製造業とかいうことを
考えない方がいい」
「われわれは製造業でもあるし、
小売業でもある」
20世紀のイデオロギー革命は、
完全に過去のものとなった。
「昭和な時代」へのノスタルジーは、
実務の世界や政治の世界には、
ふさわしくない。
<結城義晴>
2 件のコメント
結城先生へ
「販売革新50周年」に思い。
今から26年前に、私が人から購読を薦められて、手にした「販売革新」の表紙を飾っていたのは、亡き中内 功氏でした。爾来毎月欠かさず購読してきましたが、故渥美先生の「SSMへ軌道をとれ!」など毎号読み応えがあり、巷流布する「ノウハウ本」とは一線を画す内容でした。
ある号に「コーワキング・協働」なる聞きなれない新単語を発見!読了後の翌日の日本最大のGMSのバイヤー曰く「これからは小売業もメーカー・卸さんとコーワキングしていきましょう!」と言われ、この方も、もしや販売革新の読者?と思いました。
しかし 幾星霜 手元の販売革新6月号の総ページ数は122Pとかつての半分の薄さ?しかないのでは?
頑張れ「販売革新」!!
ありがとう、いまちゃん。
『販売革新』にこそ、いま、
イノベーションが必要とされています。