GAP/OLD NAVY日本上陸と「スーパーマーケット再編」論議の本質
横浜は快晴のうえ、
風、強し。
もしかしたら梅雨は、
明けてしまっているのではないかと思う。
昨年も、いつ、
梅雨明け宣言が出るかと待っていたが、
確か、ずいぶん過ぎてから、
7月9日が関東の梅雨明けだった、
と宣言された気がする。
そんな今日は、朝から、
横浜市立白幡小学校へ。
同校文化スポーツ事業の総会。
かつては学校開放事業と言った。
私は今、年に一度のお役目の会計監査。
数年前まで、この会長を務めていた。
白幡小学校は、PTA活動も盛んで、
平成24年度には優秀PTAとして表彰されている。
私はこの学校の60周年記念事業のときに、
これもPTA会長を務めた。
ジュニア・ソフトボールの監督兼PTA会長、
㈱商業界では取締役編集担当兼『食品商業』編集長だった。
シアル・ドール国際審査員などもやっていて、
目が回るような忙しさだった気がする。
考えてみると、
ずっとこんな調子だったんだ。
梅雨明けしたかと間違うほどの暑さの校庭。
子供たちは休み時間に、跳ね回っていた。
横浜市は市立小学校・中学校の全教室に、
エアコンを入れる。
平成25年までの事業。
今日は副校長がそのことの報告をした。
さらにトイレをすべて改修して、
「ドライ化」するらしい。
これは子供たちに大好評。
校舎も設備も、どんどん新しくなる。
そう言えば、校門にも施錠されるようになって、
インターホンで教員室を呼び出し、
鍵を開けてもらわねば扉が開かない。
子供たちの安全第一。
しかし私たちは、過保護にも十分に、
気をつけておかねばいけない。
昼ごろ、商人舎オフィス。
次々に来客。
まず三井物産㈱のお二人。
堀田安紀さん(食料・リテール本部食品流通部部長補佐営業統括、右)と、
中野真樹さん(同食料営業部マネジャー)。
8月下旬の海外視察トップセミナー。
その最終打ち合わせと確認。
トップ・マネジメントのための研修会にする。
その後、㈱ダイナムのお二人。
情報管理部広報担当の池上慎平さんと菊地俊治さん。
同社発行の「ダイナム通信」の編集チェック。
ゲラ刷りのカラー初校を、
私がアドバイスして直す。
コンセプトも記事も、写真も、
そして体裁も、ずいぶんよくなって、
品が出てきた。
さて今日のニュース。
日経新聞から。
「オールドネイビー」
お台場に日本初上陸
オールドネイビーは、
米国「ギャップ」のひとつのフォーマット。
これが北米最大のカジュアル衣料ブランド。
「GAP」バナーよりも「OLD NAVY」の方が売上高は大きい。
オールドネイビーの方が低価格で、
マス・マーケットを獲得しているからだ。
店数は約1000店。
ギャップは全米チェーンストアランキング31位。
衣料品専門店チェーンとしては第1位。
世界年商は142億8900万ドル(1ドル100円換算で1兆4289億円)。
米国内年商1兆1443億円、前年比マイナス2.3%。
店数は2436店で、これもマイナス2.6%。
しかしかつての王者リミテッドには、
大きく水をあけた。
Limited Brandsは全米チェーンストア第43位。
世界年商103億6400万ドル。
米国内年商85億9000万ドル。これはプラス9.7%。
店数は2623店で、マイナス0.8%。
ファーストリテイリングもギャップやリミテッドに、
肩を並べつつある。
それよりも米国内でも、
スペインのザラやスウェーデンのH&Mが躍進し、
ギャップやリミテッドは、
「伝統型」ファッションチェーンとなりつつある。
そのギャップのエース・フォーマットは、
日本のお台場の「ダイバーシティ東京プラザ」の中にオープンする。
記事では店内の様子が描かれている。
「レジ近くの店内中央に試着室を設けるなど、
米国の店舗を再現した。
子供服売り場の天井を飛行船や宇宙船の模型が動き回り、
子供らを喜ばせる仕掛けも施している」
「絵柄付きのTシャツを990円、タンクトップを890円で販売する。
日本人の体格に配慮し、
北米では取り扱いのない『XXS』サイズを導入」。
私は「オールドネイビー」は、
ある程度、うまくいくだろうと踏んでいる。
もちろん店を見てからでないと、
正確なコメントはできないが。
もう一本、日経新聞から昨日の続き。
「スーパー再編(下)買収先の強み活用」
続編は、イオンとセブン&アイ・ホールディングス。
イオンは昨年11月、マルナカグループを完全子会社にした。
マルナカは「香川県などでシェア首位を握り、
中四国全体の売上高は約3100億円(2011年度)」。
マルナカの特徴は、
「卸売市場のセリへの参加権を持ち、
バイヤーが旬の品を安く調達する」。
マックスバリュ西日本の担当者は語っている。
「仲卸からの二次情報に頼る当社と比べ、
産地の情報量が違う」
イオンは日本小売業最大売上高を誇るが、
「地域別のシェアでは2、3番手のケースも目立つ」
だから「手薄な地域をテコ入れする戦略」として、
M&Aを展開。
マルナカがその典型だった。
イオン岡田元也社長の発言。
「PBなどを軸に食品スーパーは再編に向かう」。
一方、セブン&アイは、
近商ストアに30%を出資。
同社は売上高約600億円。
マルナカと比べるとインパクトは落ちる。
しかし記事は指摘する。
「私鉄で日本一長い近鉄沿線の商圏を掘り起こす」
ただしこれはイメージに過ぎない。
近商ストアは不振に陥っているが、
「再建に成功すれば
業界再編の中で他社の信頼を得られる利点がある」
これもアークスのように、
「強い企業の連携」とは異なっていて、
靴の上から足を掻くのごとし。
鈴木敏文会長は、買収否定論者。
しかし「PB供給など支援要請は増える一方」と発言。
これが本音といったところ。
日本経済新聞の推計。
「2011年度のスーパー業界」、
「上位5グループのシェアは約4割」。
このスーパー業界というのは、
総合スーパーと食品スーパーマーケットを包含した概念。
「同じ島国の英国で、
テスコなど上位4社が7割以上のシェアを握る」
日本は「寡占化は進んでいない」
しかし総合スーパー業態で観れば、
明らかに寡占化は進んでいて、
これは国際レベル。
食品スーパーマーケットが、
非寡占状態。
このことは指摘しておかねばならない。
ただし、だから今、
スーパーマーケットの統合が進んでいる。
しかも「強い企業同士」の。
これは「淘汰」と呼んでいいと思う。
もちろんこのブログを愛読しくれている人にはわかると思うが、
「淘汰」は、
規模の論理で起こるものでは、
断じてない。
昨日今日の日経の連載記事の総括は、以下。
「地方で強みを磨いて自主独立を貫くのか。
それとも大手の傘下に入って生き残るのか。
各地のスーパーは判断を迫られている」
どうも「スーパー」を、
十把一絡げに表現するところには、
いまさらながらに違和感を抱くし、さらに、
「自主独立か大手の傘下か」にも、
短絡を感じる。
何だか学生の調査報告レポートのようだ。
〈辛口ですみません〉
イオンのスーパーマーケットも、
アークスやバローも、
スーパーマーケットの規模の論理を追及している。
セブン&アイも近商ストアを傘下に入れるならば、
ヨークベニマル、ヨークマートが、
現場の統合の仕事をするはずだ。
CGCジャパンや全日食チェーンのようなボランタリーチェーンも、
機能している。
アークスはイオンのマックスバリュ連合と、
CGCジャパンとの、
ちょうど真ん中くらいを狙った。
この点が、秀逸だと私は思う。
東日本大震災以後、
ナショナルチェーンに参加することの意義は、
高まった。
それが一つの大きな資本の傘下なのか、
ゆるやかな連帯なのか、
あるいは持株会社の下の自主性なのか、
その繋がりの強さのレベルと組織の特性に対する認識と判断こそが、
ローカルチェーンに求められているのだと思う。
<結城義晴>