結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月12日(木曜日)

高知ハーティカード特別講演会とヤマダ・ベスト買収の「縮小拡大」

小雨の横浜シティ・エア・ターミナルから、
羽田空港へ。

ブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さんと、
二人旅。

やって来ました。
20120712222823.jpg
高知龍馬空港。

「ようこそ、高知へ」
20120712222841.JPG
九州の熊本・大分ほどの大雨ではないが、
パラパラと雨。

「リョーマの休日」
20120712222857.jpg
ダジャレだけれど、
これは許せる。

昼食は、回転寿司。
20120712222914.jpg

「寿し一貫」
20120712222931.jpg
高知のスーパーマーケット企業サニーマートの回転寿司業態。

店はウェットルックのピカピカの床、
クレンリネスが競争力になるくらいで、
しかも新鮮なネタと手軽な価格。
20120712222950.jpg
とてもよい店で、
昼食を堪能。

待合スペースの片隅に、
ハーティカードのポイント交換機。
20120712223005.JPG
ブルーチップが主催する高知県の地域ポイントカード。
その中心企業がサニーマート。
それが「ハーティカード」。

私は今日、このハーティカード特別講演会に出講。
テーマは「地域社会とマーケティング」
20120712223021.jpg
15時から16時30分までの90分。

Prologueはパラダイムの転換。
まず、変わらないもの『商売十訓』から入って、
今日のお題二つ。
第一は「地域社会とコミュニティ」。
地域社会とコミュニティを私は二つの側面からとらえた。

ひとつは、商売上の地域発想。
もうひとつは、地域社会からの発想。

従来の「立地」や「商圏・商勢圏」、
そしてショッピングセンターも、
商売やビジネスから発想した地域社会の捉え方だった。

しかしアメリカのショッピングセンターが、
大きく様変わりしている。
「ライフスタイルセンター」の台頭とそれへの変貌。

ライフスタイルセンターは、
地域・コミュニティから発想したビジネスモデルだ。

私が捉える地域とコミュニティの代表例。
ハーティカードも、
この地域社会をとらえたポイントカード・プログラム。

第二のテーマはマーケティング。
ここでマーケティングの定義や、
フィリップ・コトラーのマーケティング・マネジメント、
そして田内幸一先生が主張したマーケティング・コンセプト発展段階。
1.生産志向コンセプト
2.製品志向コンセプト
3.販売志向コンセプト
4.マーケティング志向コンセプト
5.社会志向マーケティング・コンセプト

これがまさに今日のテーマ。
20120712223128.jpg

マーケティングは、
マス・マーケティングから、
ワン・ツー・ワン・マーケティングへと移行してゆく。
そこからリレーションシップ・マーケティングが登場した。
20120712223041.JPG
マーケティングは地域社会の視点へと、
昇華しはじめている。

ハーティカードは、
そのマーケティングの成果の一つ。

現在このカードは会員数約80万人。
今年4月段階で、
高知県の人口は80万4891人、
世帯数は34万3283。

赤ん坊から高齢者まで含めて、
全員が一枚ずつこのカードホールダーということになる。

なぜか。

一企業のポイントカードではなく、
地域の企業が集ってこのカードが運営されているからだ。

加盟店数209店。
その209店の扱い商品・サービスとそれぞれのシェアは、
食品、外食、ファストフード30.1%、
生活雑貨21.1%、交通・自動車・ガソリン13.9%、
電器・通信10.0%、本・CD/DVD8.1%、
ファッション・衣料・服飾雑貨6.2%、
美容・健康5.3%、スポーツ・アウトドア・レジャー・趣味2.9%、
そして不動産・建築1.0%となる。

地域の消費産業がこぞって、
このカードに参画している。

優待提携店数は79店、
そしてハーティお買得券提携店が549店。

顧客それぞれに溜まったポイントは、
これらの店舗のいずれでも使うことができる。

ある種の地域マネーの機能を果たすことになる。

約80万人のカードホルダーのポイント発行は、
約10億超にも及ぶ。

講演会のあと、
ハーティカード加盟店会懇親会。

その後、重ねて、
ブルーチップ、サニーマートの幹部の皆さんと、
夕食懇親。
20120712223147.jpg
左からブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さん、
㈱サニーマート営業本部長兼商品部長の玉井宏和さん、
私の隣はサニーマート代表取締役社長の中村彰宏さん、
ブルーチップ代表取締役社長の宮本洋一さん。
そして特販第三グループマネジャーの大西久司さん。
楽しい懇親だった。

さて、日経新聞は一面トップで、
「ヤマダ、ベスト電器を買収」の記事。
夕刊でも一面トップで追い打ち。
「ヤマダのベスト電器買収、一両日中に発表」

これによってヤマダは、
年商2兆円を上回る。
2011年度年商1兆8355億円、
前年比マイナス14.8。

家電第2位は、日本小売業10位のエディオンで、
年商7590億円。

前年比マイナス15.8。

次が第11位のケーズホールディングスで、
7260億円。

マイナス5.8。

家電第4位は、小売業12位の、
ヨドバシカメラ6715億円、マイナス4.1。

そして第5位で小売り13位に、
ビックカメラ6121億円、前年比プラス0.6。

6月にはこの第5位のビックカメラが、
第7位のコジマを子会社化して、年商1兆円弱。
第2位に浮上。

そこで第1位のヤマダは家電第8位のベスト電器を傘下に収めて、
第2位以下に 倍以上の差をつける。

分かりやすい。

ヤマダはベストの第三者割当増資をき受けて、
発行済み株式の過半を持つ筆頭株主となる。

取得額100億円超。

2011年の家電小売り市場規模は
約8兆5000億円、

前年から1割のダウン。

マーケットの急激に縮小する中で、
資本の統合が進む。

新製品がすぐにコモディティ化してしまう家電小売業分野。
そのコモディティは寡占化される。

アークス横山清さんが言う「縮小拡大」。
縮小する市場の中で拡大すると、
拡大幅以上の社会的地位と効用が生まれる。

ヤマダ電機は、マーケットシェア23.5%で、
悠々とクリティカル・マスの17%ラインを達成している。

<結城義晴>


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.