8月15日、お盆中日と終戦記念日に思う
お盆中日。
墓参りや先祖供養をする家、人々。
家族と、友人と、休暇を楽しむファミリー、グループ。
顧客満足のために仕事に勤しむ商人、商業。
その今日8月15日は、
終戦記念日。
第二次世界大戦、太平洋戦争に、
日本が敗戦した日とされる。
日本政府は、今日を、
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」としている。
しかしその戦争終結の日には、
いくつかの説がある。
第1は、1945年8月14日。
日本帝国がポツダム宣言の無条件降伏を受諾した日。
第2は、1945年8月15日の今日。
昭和天皇による終戦詔書の玉音放送の日。
つまり降伏が帝国国民に公表された日。
第3は、1945年9月2日。
日本帝国政府が降伏文書に調印した日。
そして第4は、7年後の1952年4月28日。
サンフランシスコ平和条約発効の日。
国際法上、連合国と日本の戦争状態が終結した日。
この日は、日本が完全な独立を回復した日でもある。
旧日本帝国政府は、
お盆に入ってからポツダム宣言を受諾し、
お盆中日に玉音放送をして、
自ら敗戦を認め、国民に知らせた。
その後、9月に入ってから、
連合国との間に正式の降伏文書が調印され、
さらに46年から48年までの東京裁判など、
戦争終結の処理業務が行われ、
7年後の1952年に平和条約が発効された。
しかしこの間、1950年から1953年まで、
朝鮮動乱が勃発している。
日本で平和条約が効力を発揮し始めたとき、
朝鮮半島では南北の戦争が起こっていた。
サンフランシスコ平和条約から60年。
私は今年9月2日、還暦を迎える。
私にとっても特別の夏である。
糸井重里さんが、
『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」に、
吉本隆明さんのことを書いている。
「戦争が敗戦というかたちで終わった日。
愛国的な考えの学生だった吉本青年は、
なにを感じればいいか、なにを考えていいかもわからず、
海に飛び込んでずっと浮かんでいた」
その吉本さんのことを糸井さんは語る。
「悲惨な戦争、憎むべき戦争という考えのなかで、
一兵士として死に、さらにもう一度、
人として否定されねばならない友のことを、
必死でかばおうとしていたように見えました」
日本人にとって、とても大切なこと。
みんなが憶えておきたいこと。
「戦争のなかの『近所の友たち』を大切に思う気持ちと、
戦争を無くしたいと思うこととが、
どちらも成り立つような考えがあることを」
1945年8月15日から67年。
「戦没者を追悼し平和を祈念する」とは、
二つのことを意味している。
戦争のなかにいた友たちを大切に思う気持ち、
戦争をなくしたいと考える思想。
しかしそのことを確認した平和条約が結ばれた時にも、
朝鮮動乱は起こっていた。
今日は、お盆中日。
墓参りや先祖供養をする家、人々。
家族と、友人と、休暇を楽しむファミリー、グループ。
顧客満足のために仕事に勤しむ商人、商業。
そして戦争と平和を考える人、メディア。
今日8月15日、
蝉がジイジイ、
鳴いている。
<結城義晴>