マンハッタン・ケネディ空港からの帰途とイノベーション「3つのタブー」
帰国しました。
全員、無事で、
なおかつ、
大きな成果をもって。
帰ってきたら、参議院で
野田佳彦首相に対する問責決議案が可決。
日本のニュースからちょっと離れていたので、
にわかには理解不能。
古館伊知郎は、言う。
「加速度的に政治は悪くなっている」
とりわけ自民党は、おかしい。
自分が三党合意した消費増税法に、
反対する問責決議案に賛成した。
支離滅裂。
批判ばかりして、
自ら行動しないというのは、
私自身、極力避けたいと思っているが、
この「政局」だらけの政治には、
ちょっとうんざり。
来月8日までの国会は空転の見通し。
10月に召集されるだろう臨時国会以降に、
重要案件は持ち越される。
企業経営では、
この「持越し・先送り」は、
間違った意思決定以上にまずい。
今回の米国トップセミナーは、
とてもよかったし、満足していたのに、
日本に帰ってこの政局がらみの混乱に、
気合はそがれる。
どうしたらいいんだろう。
私たちみんなが、
意地を張らず、率直に、
誰かのために仕事する。
それが大切だ。
断じて、自分のためではない。
政治家には特にそれが求められる。
自党のため、自分のため。
それは絶対にあってはならない。
さて、昨日の夜は、
「最後の晩餐」。
ところはロックフェラーセンター。
その地階に下りると、
天井と壁面いっぱいの絵画。
見とれてしまう。
その地階のレストラン「ザ・シー・グリル」。
シンプルな上級レストラン。
どうぞ、ご愛用を。
食事が始まって、
サプライズ企画。
私の1週間前の誕生祝。
心から感謝。
ディナーが終って、イルミネーション。
ロックフェラーセンターのビルが、
いつもより高く感じられた。
二次会は、44丁目のバードランド。
ジャズクラブの老舗。
チャーリー・パーカーの綽名をとって命名された店。
今夜はジャズ愛好家のセッションの日。
それでも結構、楽しめた。
明けて、最終日。
現地8月28日。
朝10時集合で帰国。
リムジンバスのなかで、
いつものように最後の講義。
マンハッタン島に別れを告げ、
テキスト211ページから語る。
Epilogue「Innovation」。
ドラッカーによるイノベーションの「三つのタブー」。
第一に〈凝りすぎ〉ること
第二に〈散漫〉になること
第三に〈未来のためだけに〉行われてしまうこと
イノベーションはいつだって、
現在のために行わなければならない。
ウォルマートもHEBも、
ホールフーズ、ウェグマンズ、トレーダー・ジョーも、
イータリーもスチュー・レオナードも。
全ての企業、すべての店舗が、
「明日のために今日、何をするか」
これを考え、実行する。
それがすなわちイノベーションである。
政治もまったく同じ。
イノベーションなき政治は、
意味がない。
ジョンFケネディ空港6番ゲート。
サンフランシスコに帰る浅野秀二先生(真ん中)とお別れ。
次は10月にご一緒します。
左は㈱たいらや常務取締役の平典子さん。
平さんはこの旅行のあいだに変わった。
私はそう感じている。
平さんに限らず、
多くの人がこのツアーのあいだに変わった。
私にはそれが、
何よりうれしかった。
デルタ航空173便に乗り込んで、
広大なケネディ空港を臨む。
飛び立つと、
アメリカ合衆国東海岸が見える。
久しぶりに、名残惜しいと感じた。
また10月初旬にはやってくるというのに。
機体はあっという間に雲間に突入し、
海岸線は視界から消えた。
そして14時間。
めずらしいことに、
私はひたすら眠った。
すると太平洋の日本領海。
すぐに銚子沖が見えてきた。
海は静かだった。
右上に見えていた犬吠崎が、
だんだん真下に近づいてきた。
ああ、帰ってきた。
そんな感慨がわいてきた。
そしてまた行きたいという気持ちが強くなった。
これも不思議な気分だった。
<結城義晴>