敬老の日の「グランドジェネレーション」と「店を痛めつけないでほしい」
Everybody! Good Monday!
[2012vol39]
しかし、
店が痛めつけられるのは、
本当に辛い。
テレビによく映るジャスコの店、平和堂の店。
それ以外にもイトーヨーカ堂や伊勢丹、
コンビニのローソンやファミリーマート。
日本食店。
店はみんなの共有する公器。
それを愛用する中国人も多いはず。
店は痛めつけないでください。
店は壊さないでください。
お願いします。
中国では反日デモが繰り広げられ、
沖縄や長崎など北九州には台風16号。
そんな2012年第39週。
9月の真ん中の週。
日本では、
一昨日土曜日から昨日日曜日、
そして今日、敬老の日の祝日、
三連休。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を
敬愛し、長寿を祝う」
それが敬老の日の趣旨。
祝日法として、法律が決めている。
今日だけはとしよりらしく敬老日
〈朝日俳壇より 京都市・北浜義規〉
あなたには身近に敬愛すべきご老人があるだろうか。
長寿を祝う対象となる高齢者がいるだろうか。
そんな人がいれば、
必ず連絡を取り、
敬愛の気持ちを知らせるべきだろう。
「また来いな」口の動きはそう言って
じいちゃん窓ごしに何度も手をふる
〈朝日歌壇 名古屋市・中村桃子〉
自分も必ず年をとる。
その時にまわりの人々に敬愛してもらえたら、
どんなにうれしいだろう。
もちろん私たち全員に、
そういった高齢者になろうとする努力も必要だ。
朝日新聞巻頭コラム『天声人語』が取り上げた。
「商いの世界では
グランドジェネレーションなどと
呼ぶそうだ」
天声人語は「大いなる世代=GG」と書く。
「grandpaグランパ」や「grandmaグランマ」の、
「グラン」はどこか豊かな響きを持つ。
「昨今のお年寄りはずっと行動的らしい。
元気で財布のひもが緩い高齢者」
それをグランドジェネレーションと呼ぶらしい。
「若いうちは金がなく、
働き盛りは暇がない、
待ちわびた定年後には気力体力が尽き、
残るは人生訓と説教癖」
これは豊かでも幸せでもない。
車椅子と並べて押すはベビーカー
祖母から曽孫女四代
〈朝日歌壇 相模原市・大日方博〉
「そんな通説を覆し、
旅行に音楽会、おしゃれにグルメと、
自ら楽しめる幸せな人たちである」
こちらは豊かではあるが、
本当に幸せなのかどうか。
私は仕事を持つことだと思う。
あるいは仕事に代わる「お役立ちの役目」。
そんな老人になりたいものだ。
大根を六十年も作ってきて
重みあるわが人生となる
〈朝日歌壇 沼津市・岩城英雄〉
総務省がまとめ、発表した高齢者の推計人口。
65歳以上の高齢者人口は3074万人。
過去最多ではじめて3000万人を突破。
前年比102万増。
これは47年生まれの「団塊世代」が、
65歳に達したため。
私の5歳上を行く人々。
日本の総人口は1億2753万人。
高齢者の割合は24.1%。
決算ふうに言えば、前年比0.8ポイント増。
これも過去最高を更新。
65歳以上の男性が1315万人、
女性は1759万人。
当然ながら女性が400万人以上も多い。
75歳以上の人口は1517万人。
この数値も初めて1500万人を超えた。
85歳以上も430万人に達した。
朝日新聞「短歌時評」で、
歌人の加藤英彦さんが言う。
「高齢社会という言葉を
私はどうも好きになれない」
「構造的な人口比がそうであると理解はできるものの、
どこか解決すべき課題として
語られることが多いからだろうか」
グランドジェネレーションの概念は、
むしろ「利用しよう」という狙い見え見えだけれど。
「ことばがそうした負の意味性をまとって
流通することへの抵抗もある」
「後期高齢者などという
ふざけた呼称をつけた政治言語の貧困とは裏はらに、
人生の厚みは言葉の豊饒さを
ひき連れてくるものだと思いたい」
はじめに言葉あり
言葉は神とともにあり
言葉はすなわち神なりき (ヨハネ福音書)
言葉で仕事し、
言葉で思索し、
言葉で成長する。
〈結城義晴『メッセージ』より〉
さて今週末にはもうひとつ山がある。
秋分の日が土曜日。
土曜日であろうと、日曜日だろうと、
日本人として秋分の日、
大切にしたい。
だから敬老の日が終ったら、
「秋分の日週間」。
私の今週は、比較的ゆったり。
眼科に行ったり、人に会ったりしながら、
水曜日に電通での講演があるだけ。
秋分の日の土日は、
新座キャンパスで立教・結城ゼミ。
いい1週間にしたい。
それにしても、
敬老の日に思う。
「老人が幸せな国」こそ「良い国」。
国際競争は、こういったことでやりたいものだ。
長らく生きてきて、
それが幸せ。
そんな人たちが一番幸せ。
それがいい国に違いない。
店を痛める競争は、
勘弁願いたい。
今月の商人舎標語。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
なんと107歳まで生きた平櫛田中の言葉。
では皆さん。
Good Monday!
〈結城義晴〉
2 件のコメント
高齢者と言うよりも、熟練者(マイスター)と人生の先輩方を呼んで死ぬまで仕事が出来る日本社会を創る事が、次の日本の産業になると思います。
アメリカや中国は勿論、まだ人間が創り上げていないこの仕組みを創り上げて日本を誇りある国にしたいです。
氏福さん、ご投稿感謝。
「マイスター」、いいですね。
誇りある国にしたいですね。
私も、そのことに励みたい。