野田首相「あっさり再選」と「加工センター戦略」論議の総括
秋めいてきた。
商人舎オフィス裏の新田間緑地遊歩道にも、
秋の気配が高まってきた。
エノコログサも、光に輝く。
緑のモミジ。
秋らしくなりかけたところで、
突然の訃報。
9月17日、
加藤榮一さんが亡くなられた。
享年81。
㈱セイミヤ会長にして、
商業界エルダー。
謹んで哀悼の意を表します。
前日まで会社に出社。
そして翌17日の朝、突然の逝去。
急性大動脈解離。
病気に苦しむこともなく、
寝たきりで迷惑をかけることもなく、
加藤さんらしい終い方。
仕事が大好きで、
「店はお客様のためにある」が口癖。
会社は実弟の加藤勝正社長のリーダーシップのもと、
長男の加藤雄一専務ら幹部・社員・従業員の団結力で、
茨城県・千葉県のローカルスーパーマーケットチェーンとして、
確固たるポジショニングを築く。
とにかく勉強熱心な会社。
その礎をつくったのが会長の加藤さん。
私は商業界の新入社員のころから、
㈱商業界社長の時代まで、
そして㈱商人舎になってからも、
ほんとうにお世話になった。
2008年4月17日の「商人舎発足の会」では、
最後の一本締めをお願いして、
見事に決まった。
加藤家と株式会社セイミヤの合同葬は、
10月7日(日曜日)13時から、
潮来ホテルで開催される。
心から、ご冥福を祈りたい。
合掌。
さて、一方、
野田佳彦首相、再選。
民主党代表選挙で、
1回目の投票において、
あっけなく勝利、再選を果たした。
得票数は6割強の818ポイント。
原口一博元総務相154ポイント、
赤松広隆元農相123ポイント、
鹿野道彦前農相113ポイント。
意外に大事なことだが、
任期は3年間。
2015年9月まで。
内閣改造と党役員人事は、
10月初めまでに行われる。
これも自民党の総裁選挙の結果を受けてから。
しかし野田代表が抱えた難題は山積しているし、
党内外の政治状況も厳しい。
それでもここまで、
よくやってきたと思う。
少なくとも昨年9月2日の首相就任から、
1年、もった。
不幸なわが日本国は、
2006年から毎年首相が変わった。
第90代総理大臣・安倍晋三が366日間、
第91代福田康夫365日、
第92代麻生太郎358日、
民主党に代わって、
第93代鳩山由紀夫266日、
第94代菅直人452日。
私は時の為政者には、
しっかりやってもらいたいと思う。
そうでなければ国民は不幸すぎる。
だからその時点で、日本国のトップに立つ人に、
全ての期待を込めて協力する。
一定期間目いっぱいやってもらって、
それから選挙をする。
選挙で決まったら、
四の五の言わず、
精一杯やってもらう。
そうでなければ継続性のある政治はできない。
そうでなければ難題は解決できない。
そうでなければ日本国民は幸せになれない。
これは会社の社長も、
まったく同じです。
ところで、中国の習近平国家副主席。
「シー・チー・ピン」と発音する。
「ASEAN博覧会」で演説。
「周辺国との領土や領海、海洋権益を巡る争いは
交渉を通じて平和的に解決する」。
「我々は永遠に覇権を唱えない」とも強調。
習近平は、
福建省トップの時代に、
スーパーマーケットの経営を指導した。
その経営手法を知ると、
それがとてもオーソドックスで
イノベーティブ。
私はひそかに、
新しい中国指導者として、
期待している。
尖閣諸島問題は、
石原慎太郎東京都知事が、
先鞭をつけた。
都が買い取るという意思表示によって。
それを受けて国が出て行った。
ここに中国指導層が反応。
今、石原都知事は口をつぐんで、
「知らぬ顔の半兵衛」を決め込んでいる。
シー・チー・ピンの時代になったら・・・。
私はひそかに期待している。
さて最後に流通の話題。
毎日の小売サービス業ネタは、
やはり日経新聞が強い。
もちろん「流通ニュース」も、
日経新聞と違ったポジションで強い。
商人舎ホームページ巻頭テロップで流れている。
日々の流通関連情報の双璧。
日経新聞の記事は、
「イオン、精肉7割集中加工」
今日の流通ニュースは、
イオン傘下の各社の8月営業実績。
売上高は4930億円(前年同月比9.9%プラス)。
前年比の高い順にあげると、
①イオン九州4.5%プラス
②マックスバリュ中部3.9%プラス
③マックスバリュ西日本3.7%プラス
マックスバリュ北海道3.7%プラス、
マックスバリュ東海3.7%プラス
⑥マックスバリュ東北2.3%プラス
⑦イオン北海道0.9%マイナス
総合スーパーとスーパーマーケット以外の業態は、
ミニストップ0.4%マイナス、
コックス0.2%プラス
ジーフッド前年並み、
イオンファンタジー4.3%プラス。
意外に、健闘した。
そのイオンの精肉部門は、
センター加工の割合を、
7割に引き上げる。
現在は5割。
日程は2015年度が目途。
イオンの精肉加工センターは現在、
全国8カ所に配置されている。
イオンはこの夏、グループの1000店で、
開店時間を午前7時にした。
営業時間が長くなって、
顧客の利便性は高まったものの、
現場は混乱し、人件費も当然、膨らんだ。
それを精肉の集中加工とコスト削減で吸収する。
日経新聞の記事にはそれ以外にも、
センター化を強化する企業が出ている。
まずバローは、今年2月、
富山県内に精肉プロセスセンターをオープン。
2カ所目の加工センターは岐阜県多治見市に新設予定。
青果加工センターも2013年秋に岐阜県内で稼働予定。
田代正美社長は、標榜する。
「5年以内に年間50店を出店できる体制」
マルエツは川崎市と三郷市の2カ所の加工センターを持つ。
精肉と鮮魚の両部門のプロセスセンター。
その稼働率を高める。
現在の1日出荷量20万パックから
15年度には25万~26万パックに増加。
これは新フォーマット戦略と連動している。
小型店「マルエツプチ」を、
今年度10~15店、
来年度以降は年間20店のペースで、
都市部に積極出店。
生鮮食品店内加工ゼロの体制が、
急速出店を可能とする。
生鮮食品のセントラル化は、
日本のスーパーマーケット業界で、
論を左右に分けて展開された。
結果として、
プロセスセンター否定論が
勝利を収めた。
しかしプロセスセンターにも、
イノベーションが続けられた。
つまり品質や仕組みが格段にレベルアップしてきた。
そうなると、あとは発注の制度の問題となる。
もちろん、450坪タイプのインストア加工店舗も、
段々600坪型、800坪型と拡大されて、
そちらはインストア加工が最適となるが、
マルエツプチのような小型店にとって、
プロセスセンターは不可欠となる。
そしてこの小型店は、
「エクスプレスストア」として、
世界的なブームとなった。
その成功例の代表となるトレーダー・ジョーやアルディは、
セントラル加工方式を採用している。
世界中でイノベーションへの取り組みが行われている。
そうするとまた、プロセスセンターの可能性が高まる。
スーパーマーケットとして、
大型で売上高が高い店は、
インストア加工主体となる。
一方、小型店やチェーンストア志向型は、
進化型のプロセスセンター活用となる。
「どちらかが絶対」ということはなくなった。
しかしセンター加工が進めば進むほど、
インストア加工の鮮度は、
以前よりもより大きな武器となる。
これは忘れてはならない。
顧客は両方の方式から、
好きな方を選ぶ。
これが一番、
これしかない。
そういった考え方こそが、
おかしいことになる。
政治においては、
一党独裁こそ、
時流には合わない。
<結城義晴>
2 件のコメント
いつも拝見させて頂いてます、株式会社セイミヤで働いております。
加藤会長は本当に店を、従業員を、そしてお客を大事にされていました。
そしてそんな会長を、全従業員、模範としてきました。
突然の訃報で驚き・戸惑い・哀しみが一斉に襲ってきましたが、
【セイミヤの発展】が会長のご供養になると考えた今、
団結力が強くなった気がします。
でも…姿がなくなっても、いつものように本店で
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」という声が聞こえてきそうで、
思わず本店に足を運んでしまいます…(笑)
airaさま、ご愁傷様でした。
加藤会長には本当にお世話になりました。
まだ声が聞こえるようです。
みんなで、店を守ってください。
応援しています。
いつも。ずっと。