8月販売統計は百貨店・総合スーパー・コンビニ・食品SM皆▲1%台
Everybody! Good Monday!
[2012vol39]
2012年第39週。
もう9月最終週。
9月が行くのは速かった。
急に秋が深まった感じ。
いいこともいくつかありて夏終る
〈日経俳壇 横浜・神尾幸子〉
秋の日の ヴィオロンの 溜息の
身に沁みて ひたぶるに うら悲し
〈ポール・ヴェルレーヌ作、堀口大学訳〉
ちょっと秋めいてくると、
こんな感情が湧いてくるから不思議。
でも、9月の商人舎標語。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
この心意気も忘れ難い。
秋分の日が終り、
彼岸が過ぎた。
秋灯や昼より長き夜の橋
〈日経俳壇 堺・野口康子〉
昼が短くなり、夜が長くなる。
橋も夜、長く見える。
実は今、その境目にあるが、
気分は急激に、秋。
来週月曜日からもう10月。
さて、商人舎秋のUSA研修会、
Specialコースのダラス・ワシントン・ニューヨーク。
定員となりました。
ありがとうございました。
これにて締め切ります。
次のUSA研修会は、
来年5月のBasicコースとなります。
残る今年のセミナーは、
第2回商人舎ミドルマネジメント研修会。
11月13日・14日・15日。
2泊3日の完全合宿制。
ミドルマネジメントが、
人が変わったように仕事に精を出し、
仕事が面白くなり、
イノベーションに立ち向かう。
そしてそれが、長く長く続く。
そんな研修会。
第1回は大好評でしたが、
さらに改善・改良を加えて、
最高水準を引き上げています。
先生方も大張り切りで、
準備を進めています。
是非のご参加を。
さて今週は、秋本番。
日曜日の9月30日が十五夜。
それでも地域によっては秋の長雨も続いたり、
天候不順。
ブログ「常盤勝美の2週間天気予報」、
ご愛読ください。
明日の25日、ニューヨークの国連総会で、
バラク・オバマ米国大統領が一般討論演説。
続いて明後日の26日(水曜日)、
日本の野田佳彦首相が一般討論演説。
この日、自民党総裁選。
石破前政調会長、石原幹事長が激しく競い、
何だか変な感覚だが、安倍元首相も急追。
そして土曜29日、日曜30日は、
月見気分。
ほんとうにいい季節。
私の今週のスケジュールは、
今日午後2時から、
東銀座でPTB有識者懇談会。
PTBはパチンコトラスティボード。
パチンコホール業界の健全化産業化を果たすための第三者機関。
その有識者の会議体。
夕方から、立教大学。
ビジネスデザイン研究科の後期授業が始まる。
後期はサービスマーケティング。
来年の2月までの半年間。
明日は午前中、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の役員会。
明後日は滋賀県の彦根で、
平和堂アメリカ研修会事前講義。
週末の金曜日は、
立教ビジネスデザイン研究科委員会。
これは教授会のようなもの。
まあまあ、ゆっくりと、
一つひとつ仕事していきます。
今日は、8月度の小売業の動向。
各協会の販売統計が今日、出揃った。
最初は、日本百貨店協会発表。
8月の全国百貨店売上高概況。
総売上高 4195億1974万円、
既存店前年同月比はわずかにマイナス1.0%。
4カ月連続マイナスながら、ほぼ例年並み。
地区別の増収は、東京。
さらに改装が終了した名古屋・神戸エリアがプラスに転じた。
商品別では、
8カ月好調の家電に加え、
紳士・婦人服・洋品、衣料品、化粧品がプラス。
季節を先取りした秋物商材は不調だったが、
猛暑により夏物需要が高まった。
帽子・サングラス・日傘等の盛夏商材も、
売上げを押し上げた。
惣菜1.3%、サービス0.8%は堅調。
回復傾向にある訪日外国人需要は、
売上げ・客数ともに前年対比約4割増と、
前月を上回る伸び。
ただし、中国問題で、9月以降は不透明。
次に日本フランチャイズチェーン協会発表、
コンビニエンスストア統計調査月報。
全店ベースでは8259億4700万円。
全国的に平均気温が高く、
広い範囲で猛暑日となる状態が続き、
夏物商材を中心に好調な売れ行きとなった。
ただし、昨年好調だったタバコ販売の反動もあり、
既存店売上高は前年を回復するまでには至らず。
既存店ベースでは
売上高7525億2300万円で、
前年同月比マイナス1.3。
来店客数12億5449万人、マイナス0.6%、
平均客単価600円、マイナス0.7%、
3カ月連続でマイナス。
ただし旺盛な出店増で、
全店では11カ月連続のプラス。
商品部門別の前年同月比。
日配食品は 6.0%、
加工食品は 5.1%、
非食品は0.5%がプラス、
サービスだけがマイナス4.9%となった。
そして先週金曜日に発表されたのが、
スーパーマーケット販売統計。
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3団体の合計。
8月の総売上高は8429億4313万円で、
既存店前年同月比はマイナス1.6%。
食品合計は7306億5102万円で、マイナス1.5%。
生鮮3部門合計は2571億3101万円、マイナス2.6%。
うち、青果が1050億7202万円、マイナス2.7%、
水産が721億4171万円、マイナス4.0%、
畜産が799億1728万円、マイナス1.3%。
惣菜部門は811億9749万円で、マイナス0.2%。
日配が1575億0966万円で、マイナス1.5%、
一般食品2348億1286万円の、マイナス0.8%。
そして非食品は729億8391万円、マイナス1.8%。
その他383億0820万円でマイナス0.8%。
食品スーパーマーケットは、
全部門がマイナス。
概況を説明したのは、大塚明さん。
日本スーパーマーケット協会専務理事。
「7月に比べて数値は改善。
年間でも、上半期においても
8月は利益面で貢献する重要な月。
トレンドから言うと、
改善が図られたのでないかと、
少しほっとした」
「お盆はトータルでは前年に比べてプラス。
11・12日の土日がピークで、その反動か、
13日は売上げがつくれなかった」
「低価格商品に消費が移行している。
主だったスーパーマーケットに聞いても、
一昨年以降のこの低価格化の動きと戦うのが極めて難しい。
プライベートブランドの力の差もあり、
価格競争の激化に対応が遅れた企業では、
厳しい結果がでている」
「ドラッグストアやコンビニにも客がとられている。
いまスーパーマーケット業界には、
何十年か前の総合スーパーの傾向が見て取れるのではないか」
今夏はオリンピック年。
内食需要が伸びる追い風にもかかわらず、
マイナスのトレンドは改善されなかった。
この秋の商戦への取り組みは、
ふんどしを締め直してかからねばならない。
ゲストスピーカーは、
㈱ウオロク社長の葛見久則さん。
新潟をドミナントに
ウオロク33店、ウオマサ1店を展開し、
年商627億2400万円 (2012年3月期)。
「創業は昭和37年で、
今年スーパーマーケット開業50周年。
4年前に社長になった時から、
創業の精神を大事に、
パートナー社員を含めて皆が、
商売人にならなければならないと言っている」
「昨年の大震災の時、製配販が力を発揮していた。
我々が商っている産業、商売は大事だと強く思った」
「パートナー社員の皆さんで成り立っている商売。
皆に楽しく仕事をしていただく体制づくりが大事。
小集団活動を通して、
どうしたらお客様に喜んでいただけるのかを、
パートナー社員に自由に議論させ、
積極的に取り組んでもらっている」
「よいものは全社で共有。
さらに、評価制度を設け、
賃金体系へと反映させている」
「大事なことは、
仕事を通じて喜びを知る、
楽しさを知ること。
それがひいては売上げ増、客数増につながる」
お客はどういう商品を嗜好しているのか。
「ひとつは、素材から惣菜、加工度の高い商品へと移行している。
生鮮でも加工度が高いものが動いている。
たとえば魚は丸物より切り身、
さらに焼くだけでいい味付けされた切り身へと、
簡便なものへのニーズが強い。
青果でもカット野菜が大きな伸びを示している」
加工度が高まればコストアップ要因となる。
ウオロクでは、値入コントロール、
作業改善のための現場教育、
PCセンター納品の強化などで対応している。
「もう一つの傾向は、全体的に低単価の商品へのシフト。
2000~3000円だったものが
1980円、1580円、980円へと価格軸が変わってきた。
量目の問題もあるだろうが、単価は下がっている」
「一方で、5000円クラスの商品も伸びているし、
美味しいものへの需要はある。
商品の価値にあった価格であれば売れる。
その対応が大事」
ウオロクは150坪サイズのスーパーマーケットから、
ホームセンター併設のスーパーセンター4500坪まで
郊外化、衣食住フルライン化、大型化を志向した時期もあった。
しかし、現在は、
食品でしっかり商売をしようと戦略を転換。
「住宅地で面積がとれない時は300坪だが、
普通は600坪サイズ。
市場がシュリンクする中で
適切な売上げを上げられる立地が限られてきている。
600坪では17~18億円売り上げないと採算が合わない。
そこで450坪サイズをこの秋、実験的に出店する。
基本のフォーマットを2つか、3つのタイプとして、
出店展開していきたい」
これはマルチ・フォーマット戦略。
新潟県内ではスーパーマーケットの出店が加速している。
CGC企業同士でも競争が激しくなっている。
最近はディスカウント業態で商売する企業も増えた。
昨今の低価格化によって、
「CGCのPB商品が差別化になっていない」
より一層安く仕入れるために、
新潟県下のCGC企業が共同する動きもある。
大塚専務理事の販売統計の補足。
「客数低下のなかで、
上位集中が進んでいる」
最後に、今日発表の日本チェーストア協会から、
チェーンストア販売統計月報。
総合スーパーの状況を把握できる数値。
総販売額は1兆0417億2913万円。
既存店前年同月比では、
マイナス1.3%。
食料品の販売額は6660億4636万円、
衣料品は979億9407万円、
住関品が2111億2828万円。
前年と比較すると、衣料品はプラス0.8%、
住関連もわずかにマイナス0.1と回復。
食料品だけが、マイナス1.5%。
気温が高めに推移し、夏物衣料、夏物商材は好調に推移。
しかし、野菜の相場安に伴う農産品の苦戦や
さんまの不漁などで水産品が不調となるなど、
食料品が苦戦。
結果、総販売額は6カ月連続で前年同月を下回った。
前年対比の売上げ数値を悪い方から並べると、
食品スーパーマーケットはマイナス1.6%。
総合スーパーはマイナス1.3%、
コンビニもマイナス1.3%。
そして百貨店がマイナス1.0%。
10月からの3カ月商戦。
ダウントレンドのなかで、
やはりふんどしを締め直す必要がある。
まずは、今週から。
では、みなさん、
Good Monday!
<結城義晴>
2 件のコメント
結城様
いつもブログ楽しみに見させていただいております。
さて、
今回のブログのチェーンストア販売統計月報の数字が
7月の結果になっていると思います。ご確認をお願い
いたします。
中田秀幸さま
ありがとうございました。
すぐに訂正いたしました。
今後ともよろしくお願いします。