ウォルマート・ターゲットのアマゾン外し、対ネット「既に起こった未来」
すっかり秋めいてきた。
台風17号が去って、
直後は暑い空気に包まれたが、
翌々日から急に秋らしくなってきた。
昨夕の横浜商人舎の窓から見た夕焼けの空。
小雨を降らすどんよりした雲がピンクに染まった。
今朝のベイブリッジから臨む東京湾。
そしてすっかり秋模様となった東京湾の空。
私はこれからアメリカに発つ。
そのアメリカ小売業、大きく動いている。
今朝の日経新聞の記事。
「ネットvs小売店、顧客奪い合い」
「米小売り大手は相次ぎ、
ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムの
携帯端末の取り扱い停止」
ウォルマート・ストアーズは
9月下旬、アマゾンのタブレット(多機能携帯端末)
「キンドル・ファイア」の販売を全店で停止すると発表。
「キンドル・ファイア」の端末価格は159ドルから。
販売停止の理由は、
利用者をアマゾンのサイトに誘導する仕組みが盛り込まれているため。
ウォルマートと同業態を展開するターゲットも、
アマゾン製品の販売を停止。
つまりは
米国小売業で「アマゾン外し」が広がる。
ウォルマートは自社ネット通販事業を強化。
「通販サイトで売った商品の代金支払いを
店頭で受け付けるサービス」
さらに、このブログで何度も紹介しているが、
ネットで買った商品の店舗での受け取りサービス。
これはネット価格で店頭の10~15%で安くなる。
ピック・アップ・トゥデイという。
顧客の囲い込み競争。
小売業はネットトストアの共闘作戦を展開。
米商務省によると、
米国の小売り売上高に占めるネット通販の割合は6%弱。
この比率は年々、右肩上がり。
ステープルズは9月末、不振店舗の閉鎖を発表。
オフィスサプライ・チェーンの全米ナンバーワン企業。
アマゾンなどネットの攻勢がその理由。
日本でもアスクルなどに事務用品はシェアを奪われている。
アマゾンがサービスを始めたのは1990年代。
当時は、ネット通販と小売店にはすみ分けがあった。
「ネット通販は配達までの時間が比較的長く、
書籍などを除く商品は小売店で買うのが一般的だった」
しかしアマゾンが傘下に入れた
靴のネット販売企業ザッポスは、
アラスカとハワイを除いて翌日配送。
アマゾンは買収したザッポスの仕組みとホスピタリティを、
全体に取り入れようと必死。
ウォルマートの最新実績。
米国内年商3160億8300万ドル。
これはプラス2.6%、
4423店舗。
世界年商4539億7600万ドル、プラス1.4%。
アメリカ小売業第3位のターゲットは、
年商684億6600万ドル、プラス4.1%、1763店。
そして第36位のステープルズは、
米国内年商103億3700万ドル、プラス0.9%。
店舗数1583。
世界年商は206億1500万ドル、プラス0.5%。
そして第15位に躍進したアマゾンは
年商263億9700万ドル。
なんと伸び率42.5%。
世界年商は、477億1500億ドル。
リアルとバーチャル。
店舗販売とネット販売。
アメリカがいつも先行する小売現象は、
確実に日本でも起こるはず。
ピーター・ドラッカー先生の言う
「既に起こった未来」。
アメリカにはそれがある。
もちろんアメリカそっくりの消費社会、流通構造になるとは、
私も考えない。
しかし既に起こった未来は、
そこにある。
ここから何を学び取るか。
興味は尽きないし、
意欲は盛り上がるばかりだ。
では、行ってきます。
<結城義晴>