結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年10月06日(土曜日)

米国失業率7.8%なのにオバマ憂鬱、ウォルマート完全復活の実際

ダラス2日目が終わった。

昨日は10店舗を巡り、
なおかつその間に、
全米最大級の食品ブローカーACOSTA社を訪れて、
レクチャーを受け、質疑応答。
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とてもいい勉強になった。

最後に主要メンバーで記念写真。
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2日目が終わっただけなのに、
ずいぶん長くこちらにいる気がする。

それだけ濃密な時間を過ごしているからだと思う。

アメリカ合衆国労働省が9月の雇用統計を発表。
失業率は7.8%で、前月から0.3ポイント改善。
3年8カ月ぶりの7%台。

9%と10%の間を行ったり来たりしていたのが、
ここへきて、上向き傾向。

人口動態と失業率は、
国の力と、その力の傾向を如実に表す。

下回るのは、2009年1月以来。
非農業部門の雇用者数が、
この1カ月で11万4000人増加。

ニューヨーク外国為替市場では、
円売り・ドル買いで、
78円80銭前後
まで下落。

しかし雇用に関して、
製造業は1万6000人減、
小売業もマイナス。
医療関連の雇用は活発で、
過去1年で約30万人増。

製造・小売りはやや、
既成の産業となりつつある。
新しい産業に人が集まる。

この失業率7%台で、
オバマ大統領には追い風かと思えるが、
そうでもないらしい。

大統領選挙は1カ月後。
大統領選直前の失業率としては、
過去最悪の水準らしい。

第38代ジェラルド・フォード大統領、
第39代ジミー・カーター、
そして第41代ジョージ・H・W・ブッシュ、

それぞれの選挙時点の失業率は、
いずれも7%台で、落選。

第40代のドナルド・レーガンだけが例外。

レーガンはこちらではとても人気のある大統領で、
2005年のウォールストリートジャーナル調査では、
歴代大統領ランキングで6位に入っている。

ちなみに、カーター34位、
フォード28位、
そしてパパ・ブッシュ21位。
42代ビル・クリントン22位、
43代子ブッシュ19位。

第44代バラク・オバマは現役なので、
まだ調査されていない。

オバマ大統領は失業率に関して、
こう発言している。
「大統領就任以来、最低水準に低下した。
再びアメリカは前進を始めた」

さて前進を始めたといえば、
あの会社。
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この売場写真、
どこの会社の店だと思うだろうか。

青果部門の美しくて、鮮度感にあふれる前進立体陳列。
日本にはもう、ほとんど見られない。
これはハロウィン向けのリンゴ売場。
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丁寧で楽しいアイランド陳列。
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青果部門もこのカラフルで迫力ある陳列。
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そして、バナナ売り場。
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1ポンド52セント。

もうお分かりだろう。

エブリデー・ロープライスのウォルマート。

私は愕然とした。

ウォルマートの店がここまで、
水準を上げてきた。

それもエブリデー・ロープライスを維持しながら、
売場は洗練され、楽しくなってきた。

店舗の入り口。
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平ケースのジュースの陳列。
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ハロウィン・グッズは、
どこよりも積極的な売り込み。
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しかも非食品でも楽しいデコレーション。
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高い天井にまで届こうかという大がかりな演出。
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ハロウィン・プロモーションを派手に展開しておきながら、
もうクリスマス売り場を登場させて、
先取りのイメージづくり。
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6000坪、7000坪の広大な売り場を、
最大限有効に使って、
今日を表現しつつ、明日をイメージさせる。

アクションアレーと呼ぶ主通路沿いの島陳列も復活。
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なんと卓球台まで主通路の島で売られている。
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149ドルなり。

店舗の入り口外は、
エブリデー・ロープライスの花でお迎え。
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ウォルマート完全復活。

強い印象を受けた。
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2月1日から始まった2012年度。
その第1四半期決算は、
売上高1130億1800万ドル、前年同期比8.5%増、
当期純利益389億4000万ドル、前年同期比9.7%増。

第2四半期(5/1~7/31)は
売上高1142億9600万ドル、伸び率4.5%、
当期純利益 41億6100万ドル、5.7%増。

第1、第2を合わせた上半期は、
売上高2273億1400万ドル、6.4%増、
純利益80億5500万ドル、7.6%増。

8月から10月までの第3四半期も、
この分では絶好調に違いない。

ウォルマートのイノベーションへの意欲、
世界最大の企業でありながら、
衰えていない。

そのことをこそ、私たちは学ぶべきだろう。

ウォルマートがこの調子だからこそ、
昨日のブログで書いたように、
HEBが価格強化とサービスの充実を図っている。

ホールフーズ、トレーダー・ジョーはわが道をゆく。

クローガー、セーフウェイ、
そして特にアルバートソンなどは、
この全体のレベルアップについていけず、
後退していく。

二日目は、
ウォルマート・スーパーセンターと、
サムズクラブを皮切りに、
そのスーパーマーケット部門のネイバーフッドマーケット。
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セーフウェイ傘下のトムサム
3分割された懐かしのアルバートソン。
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それからホールフーズ、
ダラス2号店の絶好調トレーダー・ジョー。
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さらにこれもわが道を行くアルディ。
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スプラウツ・ファーマーズマーケット。
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もちろんウォルマート・スーパーセンターのプラノ店も、
定点観測のために訪れて、
31歳のコ・マネジャー、クリス君にインタビュー。
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謹厳実直、しかし自信にあふれていた。

このクリス君の顔つきが、
今の、ウォルマートを表わしている。

(つづきます)

<結城義晴>


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