大阪で日清オイリオ政策発表会の講演・懇親と「利の五法」・「油締め」
今朝はリーガロイヤルホテル大阪で目覚めた。
秋の、朝の、大阪の空。
こんなさわやかな大阪は、
いつ以来だろう。
ホテルのロビーには、
京傘のプレゼンテーション。
とても、気分がよかった。
さて昨日は午後、
新幹線で大阪に入り、
日清オイリオグループ㈱の政策発表会。
「2012年 大阪オイリオ会」
その講演が私の役目。
タイトルは「2013年への商品と価格の行方」
サブタイトルは、「コモディティ化と価格透明化現象が招くもの」。
今のところ2014年4月から、
消費税は8%に上がる。
そして2015年10月、
さらに10%にアップ。
これが当面の節目。
この節目に向かって、
消費者・国民の価格コンシャスは、
高まっていく。
それが基調のトレンドとなる中での、
今年の年末商戦。
私の話は大局を見るもの。
そのうえで、政策・戦術の策定は、
各企業、バイヤーの仕事となる。
関西、中四国、中部のバイヤー約100人が参集。
小売業、卸売業、さまざま。
マーケティングとマーチャンダイジングに関するテーマを、
思う存分、語って、私は満足。
まず昨年秋から主張している日本と欧米の、
それぞれの5つのTide of Time、つまり5大潮流。
日本流通業に関しては、
第1に東日本大震災の影響を考えておかねばならない。
それはこうだと、誰かが断言したとする。
しかしそれは、短絡な発想。
そこから消費は玉突きのように変幻自在の様相を呈して、
最初に断言した者の正反対に落ち着いたりする。
第2は、消費税導入論議と価格意識の問題。
これが当面、最大の節目。
第3は、M&A・提携の急ピッチの進行。
これはほんとうに予想がつかないところで起こる。
第4は、小型店舗開発とノンストアリテイリングの進捗。
そして第5は、食品分野の多業態間競争激化。
この中で欧米と異なるのが、第1と第2の問題。
一方、米欧のチェーンストア動向。
第1は超巨大化とマルチ・フォーマット&マルチ・バナー戦略の隆盛
「エクスプレス・ストア」の世界的大ブームが起こっている。
日本でもこれは同じ。
第2は、価格透明化現象の衝撃。
先日このブログでもヨドバシカメラの価格比較アプリを話題にしたが、
アメリカの方がこれは格段に進んでいる。
そしてそれはすぐに日本に飛び火してくる。
第3は、店舗づくり、ストア・フォーマット開発のコンセプトは、
「融合」、fusionにあるということ。
そして第4は、プライベートブランドの最新動向。
これもこのブログでイオンのコンペティティブブランドを取り上げたが、
この分野は過激な開発ぶり。
最後に第5として、インディペンデント・カンパニーの優位性。
コーネル大学教授のビル・ドレイクが提起した視点。
極めて重要。
それから価格透明化現象と深くかかわる問題、
ソーシャル・メディア・テクノロジー。
ここまでが前段。
本論は、コモディティとノンコモディティ論議。
全ての商品問題はここから始まる。
正しく認識し、重く受け止めねば、
判断を誤る。
そしてここから派生するプライベートブランド問題。
いわゆる商品問題を、丁寧に講演した。
締めは、「利益を上げる五つの法」。
結城義晴の持論。
第一は、「利は元にあり」
仕入れ調達説。
第二は、「利は売りにあり」
薄利多売説。
第三は、「利は内にあり」
経費削減説。
第四は、「利はこの品にあり」
商品開発説。
そして第五は、「利は他の品にあり」
プロダクト・ミックス説。
そして最後に、
シアーズ・ローバックの中興の祖ローゼンタールの言葉、
「しかし品質は維持・向上させよ」
ご清聴を感謝したい。
講演が終わってから、
懇親会。
受講していた㈱阪食のメンバーと写真。
右から高井累さん。愛宕敏光さん、藤原成人さん。
高井さんは、㈱阪急デリカ取締役専務事業本部長、
愛宕さんは、㈱阪食商品統括部第一商品部長兼商品計画部長。
藤原さんは、同じく取締役商品統括部長。
そして高井さんはコーネルジャパン2期生、
藤原さんは、3期生。
愛宕さんは今年2月に、アメリカを一緒に回った仲。
それから㈱関西スーパーマーケットの岡秀夫さんと写真。
第1商品グループマネジャー。
岡さんもコーネル・ジャパンの第3期生。
みんな久しぶりの結城節、
堪能してくれた。
最後の最後は、
日清オイリオグループ専務取締役・芋川文男さん。
芋川さんからはずいぶんたくさんのことを学んだ。
食品産業になくてはならない人。
ありがとうございました。
懇親会の終わりは「油締め」だった。
日清オイリオグループは製油会社であり、
家庭用食用油国内首位シェアのメーカー。
この業界では、会合の最後の中締めに、
「油締め」と称する締めを行う。
シャシャシャン、
シャシャシャン、
シャシャシャン、
とやや早めに締めておいてから、
ゆっくりと、
シャン、
シャン、
シャン。
そして、両手を上げて、
万歳のような形をとる。
シャンが12回。
これで1年12カ月、
つつがなく終わりたいという願いを込める。
最後に、両手を上げて、
みなさん、お疲れ様でした。
「油締め」
実に、面白い。
業界ごとの特徴的な締め方があったら、
教えてほしい。
それぞれの業界の違いを知って、
そのうえで、交流を図る。
いいですね。
<結城義晴>