サンフランシスコの「遅々として進んだ素晴らしき日曜日」の物語
Everybody! Good Monday!
[2012vol44]
2012年も第44週。
10月最終週で、
木曜日から11月。
この10月から11月にかけて、
23日間、アメリカに滞在する。
11月6日に帰国して、
翌週の火曜日11月13日から、
木曜日の15日まで、
第2回商人舎ミドルマネジメント研修会。
「マネジメントとは、
人の強みを発揮させることである」
〈ピーター・ドラッカー〉
湯河原に2泊3日で合宿し、
上田惇生、鈴木哲男、高野保男、
白部和孝、そして結城義晴、
中堅社員のための徹底研修。
申し込み締め切りは10月末日。
鈴木哲男講師による緊急講座も追加。
「2012年末年始対策」
是非是非、ご参加ください。
さて、秋も深まってきた。
秋刀魚焼く煙出さずに秋刀魚焼く
〈日経俳壇より 旭市・橋本和子〉
秋はサンマです。
しかし煙を出さずに焼かねば。
何と何と松茸二本到来す
〈同 広島市・保井甫〉
秋の王様マツタケが、届けられた喜び。
秋らしさは空にも。
たのしげにひつじもいわしも群つくり
空を行きかいくつきりと秋
〈日経歌壇より 京都市・清水広子〉
感動を与えたいって言う人に
心をもてあそばれた気がする
〈同 和泉市・井上閏日〉
「感動」は売り物にするものではない。
たびたび口に出して使う言葉ではない。
突然、あるいはジワッと、生まれるもの。
だから感動なのだと思う。
糸井重里の『ほぼ日刊イトイ新聞』。
その巻頭言「今日のダーリン」。
『ほぼ日』が取り組む「気仙沼プロジェクト」が、
「遅々として進んでいます」。
「ま、ほんとうは『遅々として』というのは、
『進まず』と否定形で受けなきゃならないのでしょうが、
実際には、いい感じで進んでいるのです。
でも、これまたまことにいい感じで
『遅々として』なのです。
どっちも事実で、とてもいい感じなのです」
「ここを急いでは、よろこべないな」とか、
「そうですね、ここは回り道してみましょう」とか、
「ここはしっかりと時間をかけましょう」とか、
「いやいや、ごゆっくりで」とか、
遅い速度で進むための判断を、
迅速にやっています。
だけどですね、ほんとに進んでいるんですよー。
うれしいことが、日々あるもの、ほんとに。
今日の私の行動も、
「遅々として進んだ」
先週水曜日の24日の夜、サンフランシスコにやって来て、
5日目の「素晴らしき日曜日」。
朝、東の空から陽が昇る。
高層ビルに陽が射す。
どこか横浜の市街に似ていて、
私は安らぐ。
陽が昇りはじめ、
サンフランシスコ・ベイが浮き上がる。
ウェスティン・ホテルは、
シックな通路。
玄関ホールも重厚。
玄関を出るとすぐに、ケーブルカー乗り場。
やがてやってきましたケーブルカー。
飛び乗って、手すりに摑まる。
サンフランシスコのてっぺんに。
そしてフィッシャーマンズ・ワーフに向けて、下る。
ケーブルカーの終点。
5分ほど歩いて、ピア45。
アルカトラズ島が間近に見える。
今日の「素晴らしき日曜日」、
アルカトラズにわたるつもり。
ピア33からクルーズが出ている。
1日に12回。
10:00/10:45/11:15/12:00
13:15/13:45/14:30/15:00
15:45/16:15/16:45/17:00
しかし「Sold out!」
仕方ない。
ここから私の行動、
「遅々として進んだ」
ぶらぶら歩き。
ノース・ポイントのセーフウェイにぶつかった。
600坪ほどの小ぶりなスーパーマーケット。
右手青果部門から入ると、
この店もニューライフスタイル型に改装していた。
コンパクトなプロデュース・デパートメント。
オーガニック売り場が中央に。
ベーカリーも買いやすい。
「The Main Course」と名づけられたミート・コーナー。
そしてデリ売場。
フィッシャーマンズ・ワーフの高級住宅地の小型店。
デリ・バーは最適。
手づくりデリも、実においしそう。
日曜日の午前中、
レジも混んでいる。
ニューライフスタイル・ストアは、
都市型小型店で成果をあげる。
セーフウェイの新フォーマット「ザ・マーケット」よりも、
断然、いい。
その向かいのマンションの1階に、
トレーダー・ジョー。
こちらは1万平方フィート(281坪)。
入り口からスロープを下る。
まず酒売り場。
プライベートブランドの黒ビールを購入。
酒売り場からデリ・サラダ売場へ。
「Lunch」とコーナー付けされている。
さらにその横に、「Dinner」
そして「Joe’s Grotto」
「ジョーのほら穴」
この場で調理して、提供する売り場。
都市型のトレーダー・ジョーのこの売り場、
やがて郊外の店でも展開されるようになるに違いない。
「遅々として進んだ」日曜の散策の大収穫。
「Joe’s Grotto」。
その横に精肉売り場。
その前のエンドは「New Items」コーナー。
スープ3アイテムのエンド。
そして乳製品から青果部門につながる。
レジから見る青果部門。
この右手に駐車場からの入り口がある。
ストリートから入ると酒売り場。
駐車場から入ると青果売り場。
壁面が面白い。
!
「我々の牛は、ホルモン類に対して、
ヌウウウウ! と鳴く」
「あんたの銭をトレーダー・ジョーで節約しな」
黒ビールとチャールズ・ショー、
ノーファット・ミルクとチーズと、
シーザー・サラダを買った。
そして再びケーブルカー。
胴っぱらに「シティ・ターゲット」の広告。
「遅々として進んだ」散策と買い物に、
マンゾク。
部屋に帰って、
黒ビールを飲みながら、
原稿書き。
サンフランシスコ湾は、
今日も快晴。
陽が沈み始めた。
そうしたら霧が出てきた。
「霧のサンフランシスコ」
快晴から霧まで、
素晴らしき日曜日。
夕方からのワールドシリーズで、
サンフランシスコ・ジャイアンツ優勝。
10回裏、最後のバッターが見逃しの三振。
フィールドの野手は天を仰いだ。
そしてマウンドに集まるジャイアンツ。
おめでとう。
サンフランシスコ滞在中の優勝。
「遅々として進んだ」素晴らしき日曜日。
ありがとう。
日本では、みなさん、
Good Monday!
(この旅、まだまだ続きます)
〈結城義晴〉