日本の「勤労感謝の日」をアメリカの「ブラック・フライデー」にしよう!
Everybody! Good Monday!
[2012vol47]
2012年第47週。
あと5週。
11月第4週。
アメリカでは今週の木曜日が、
感謝祭、Thanksgiving Day。
通常はThanksgivingと略して使われる。
Turkey Dayと呼んだりする。
つまり七面鳥の日。
その由来は、1621年、
イギリスからアメリカに移住した人々の、
最初の収穫を祈念する日。
それをアブラハム・リンカーンが、
南北戦争終結後、復活させた。
第16代アメリカ合衆国大統領。
南北戦争の対立から、
国内の融和を図り、
国家としての団結を取り戻すために、
連邦休日と定めた。
つまり感謝祭は、
極めてアメリカ的な、
アメリカ固有の祝日ということになる。
ほとんどの州は、第4金曜日を祝日扱いとして、
4連休のDay After Thanksgivingとする。
感謝祭の前日の水曜日からの5 連休とする州もあれば、
ニューヨーク州のように感謝祭当日のみを祭日とする場合もある。
しかし感謝祭前日の水曜日と、
感謝祭休日最後の日曜日は、
高速道路をはじめとして空港、鉄道などの交通機関が、
1年で最も混雑・渋滞をきたす。
日本のお正月がアメリカの感謝祭と考えると、
いくぶんかぴたりとくる。
この感謝祭はクリスマス商戦の前哨戦。
したがって、第4金曜日から特別セールが展開される。
この日を「ブラック・フライデー」と呼ぶ。
小売業の店舗が「黒字になる金曜日」。
そして感謝祭連休の翌日は、
週明けの月曜日にオフィスのインターネットを使って、
クリスマス・プレゼントを購入する人が圧倒的に多い。
そこでこの日を「サイバー・マンデー」と呼ぶ。
サンクスギビングからクリスマスまでの1カ月間。
日常的な商品を扱う業種業態以外は、
年間売上高の5割がこの1カ月に集中する。
ショッピングセンターに入っているファッション・服飾店、
宝石貴金属店などなど、この1カ月が書き入れ時。
ちなみに感謝祭の朝、
大統領がTurkey Pardonという行事を行う。
今年はバラク・オバマ大統領。
二羽の七面鳥を屠殺される運命から恩赦する。
感謝をこめて。
このアメリカの感謝祭にあたるのが、
日本では「勤労感謝の日」。
まったく偶然にも今年の11月23日は、
「アメリカのブラック・フライデ―」に重なる。
日本の「勤労感謝の日」は、
新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)の日に由来する。
農業国家日本には、
神々に五穀の収穫を祝う風習があった。
それが新嘗祭で飛鳥時代・皇極天皇のときに始まった。
それが第二次大戦中まで続いた。
GHQは占領政策として、
天皇行事・国事行為を切り離し、
その代りに「勤労感謝の日」が定められた。
趣旨は、
「勤労をたつとび、生産を祝い、
国民たがいに感謝しあう」こと。
私は小売り・サービス業の人々にとって、
「勤労に感謝する日」に勤労するのだから、
とりわけて大事な日だと思っている。
そしてこの日が、
アメリカの「ブラック・フライデー」に重なる。
日本でも年末商戦はクリスマスからスタートする。
クリスマス商戦が年末年始の前哨戦と言われたり、
年末年始商戦は一年の集大成と位置付けられたりする。
それはそれで正しい。
しかし勤労感謝の日の三連休にはもう、
年末年始商戦に突入している。
そして「この1カ月が1年の半分を占める」というほどに、
ここに集中すべきであると思う。
それが偶然にも今年、
アメリカと重なった。
勤労感謝の日を
ブランク・マンデーにしよう。
それが私の提案。
その勤労感謝の日、
今週の金曜日。
目いっぱい盛り上げたい。
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
今年の大潮流。
心して取り組みたい。
顧客の心境。
松茸の値札試しに覗きけり
〈日経俳壇 亀山・岡田良子〉
松茸の値札。
覗きつつ気になるものだ。
バッテラのうまい秋なる大阪よ
〈同 豊橋・河合清〉
バッテラの旨い季節。
日本の冬も、いい。
さて今週の私のスケジュール。
月曜日はいつものように立教。
サービス・マーケティングの講義。
各自がつくってきたクレドの発表。
これ、ほんとうにおもしろい。
夕方は日清オイリオグループでの講演。
東日本のお取引先向けの政策発表会。
「2013年への商品と価格の行方」をテーマに、
コモディティ化と価格透明化現象について語る。
明日は終日エキスパート研修会。
水曜は名古屋のミッドランドホール。
フードぐるむ公開合セミナー
白熱教室で講演。
折兼が主催。
テーマは、「お客様のために一番大切なこと」
内容は、ロイヤルカスターマーづくりのすすめ。
午前10時から。
午後は、岩田松雄さんが講演。
スターバックス元CEO、
現在、リーダシップコンサルティング代表。
250名の参加があるという。
中部エリアの皆さんに会うのが楽しみだ。
木曜22日は、終日、
横浜商人舎で原稿執筆。
久しぶりに、オフィスでの仕事になる。
23日金曜は「勤労感謝の日」の祝日。
そして週末は、立教大学大学院でのゼミ指導。
あわただしさのなかで、秋が過ぎ、
初冬を迎える。
11月の商人舎標語。
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。
「勤労感謝の日」がある11月、
いつもと変わらぬ感謝を。
いつも以上の感謝を。
では、みなさん。
Good Monday!
<結城義晴>