建国記念日とバレンタインデー「万有引力とは引き合う孤独の力」
Everybody! Good Monday!
[2013vol7]
2013年も第7週。
2月の第2週で、
今日2月11日は、
建国記念の日の祝日。
そして今年二度目の三連休の最終日。
「建国記念の日」の2月11日は、
1872年(明治5年)に制定された「紀元節」。
その紀元節は、紀元前660年の神武天皇即位の日。
『日本書紀』に書かれている。
ただし神武天皇は日本神話の人物。
つまりギリシア神話などと同様の神話。
その神話の天皇即位の日が、
日本では「建国記念の日」とされている。
アメリカは1776年7月4日の独立宣言の日が、
独立記念日。
フランスは1789年、
バスチーユ牢獄襲撃でフランス革命勃発の日を、
Fête nationale(パリ祭)とする。
中華人民共和国は1949年10月1日、
毛沢東が天安門で建国宣言をした日。
「国慶節」と呼ぶ。
ドイツはベルリンの壁が崩れ、
東西ドイツが再統一した1990年10月3日を、
「ドイツ統一の日」として建国を記念する。
ロシアも新しくて、
1991年6月12日、
ソビエト連邦から独立を宣言した日を、
主権宣言記念日とする。
そして韓国には二つの建国の日がある。
ひとつは、光復節と呼ばれ、
1945年8月15日のポツダム宣言によって、
日本から解放された日。
日本から見ると終戦記念日。
もうひとつは紀元前2333年、
檀君が古朝鮮王国を建国したとされる日。
日本よりもずっと古い建国神話から採用された。
この韓国の10月3日の「開天節」と、
日本の紀元節に由来を持つ「建国記念の日」が、
「神話」をもとにしている。
日本や韓国の建国の日は、
歴史の重みをもっていて、
しかも「神話」のロマンティックな要素を持つ。
ともに素晴らしい「建国記念の日」だと思う。
竹島問題でもめていることを悲しく思う。
否(いな)、ということばを耳にする時に
白き椿のさびしさ満ちる
〈日経歌壇 東京・片山由加〉
司馬遼太郎は『この国のかたち』のなかで書く。
「八、九世紀における神仏習合は、
日本人最初の独創的な着想だった」
これによって、神話は守られ、
現在の建国記念の日がある。
日本人のイノベーション・アイデアのひとつ。
祝日法で、規定されているのは、
「建国をしのび、
国を愛する心を養う」
だから国でも会社でも家族でも、
それを愛する心を養うには、
他を知り、それを認め、
他との関係性のなかで
生きていくという姿勢を持たねばならない。
昨日の日経新聞『詩歌・教養』欄で、
ノンフィクション作家の後藤正治が、
谷川俊太郎の第一詩集を引用。
『二十億光年の孤独』
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或はネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨んでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
隣国や隣会社、隣人との付き合いには、
二十億光年の孤独がある。
私は建国記念の日に、
そう思う。
しかし、まだまだ寒い。
寒月やさて行く末の丁と半
小沢昭一著『俳句で綴る変哲半世紀』(岩波書店)
寒さの中で、春を待つ。
不自由も自由も糧に春を待つ
〈朝日俳壇 枚方市・石橋玲子〉
小売業の店頭にも、
春の兆しが漂う。
スーパーの惣菜売り場の菜の花に
迷うが一月春まで待とうよ
〈日経歌壇 東京・安藤匡宏〉
建国記念の日から始まる第7週。
木曜日の14日は、
バレンタインデー。
しかしチョコレートをプレゼントする対象で、
いちばん多いのが「夫」だという。
一番少ないのが「付き合っていないが好きな人」で、
この比率は2.8%。
司馬遼太郎ではないが、
本来の目的は変容する。
それでもロマンティックなバレンタインデーが、
私たちに提供してくれる「テーマ資源」は、
力強い。
どの店が一番バレンタイン商品を売ったか、
社内で大いに煽って、競争してもらいたい。
今週は水曜日13日から金曜日15日まで、
スーパーマーケットトレードショー。
私は真ん中の木曜日14日に、
ビッグサイトを訪れる予定。
バレンタインチョコレートはいらないけれど、
会える人とはできる限り、お会いしましょう。
みなさんよろしく。
声をかけてください。
万有引力とは、
引き合う孤独の力である。
そのために今年の商人舎標語は、
「今日も一日、優しく、強く」
そして今月の標語は、
「志定まれば、気盛んなり」
ともに、よろしく。
では、みなさん。
Good Monday!
〈結城義晴〉