結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年03月12日(火曜日)

滋賀県湖南地区の強力企業競争と日本TCGF・東京都支援協定締結

今朝は新横浜から、
新幹線のぞみ209号に乗って、
京都へ。

小田原を過ぎ、
熱海を越えて、
富士が顔を出した。
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すぐに姿を隠し、
また現れた。
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そして全容を見せる。
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朝からいい気分。

さて、第13回商人舎USA視察研修会、
大好評のベーシック編。
5月14日から20日の5泊7日。
所はラスベガス。

キャッチフレーズは、
「アメリカの消費産業・小売流通業を
自ら『見る・聞く』姿勢を貫きます。
21世紀の知識商人に必須の『考える力』を身につけ、
さらに『行動』し、『自ら変わる』機会を提供します」。

つまり、
見る、聞く、
考える、
行動する、
自ら変わる。

このプロセスを丁寧に指導し、
実現させる研修会。

視察店舗は、以下。
数字は米国チェーンストアランキングで、
この研修会で学べば、
アメリカ小売業はほぼ、
理解できる。
1. Wal-Mart
2. Kroger
3. Target
4. Walgreen
5. Costco
6. The Home Depot
7. CVS Caremark
8. Lowe’s
9. Best Buy
10. Safeway
11. McDonald’s
16. Macy’s
20. Kohl’s
22. TJX
23. J.C. Penney
31. Gap
34. Nordstrom
36. Staples
37. Whole Foods Markets
39. Bed Bath & Beyond
42. Ross Stores
43. Limited Brands
44. Family Dollar
46. Toys “R” Us
49. Starbucks
51. Trader Joe’s
52. Office Depot
53. Barnes & Noble
66. Dillard’s
71. Dick’s Sporting Goods
72. PetSmart
78. WinCo Foods
87. RadioShack
ランキング外のその他、訪問先。
Abercrombie & Fitch
IN-N-Out burger
Fry’s Electronics
Premium Outlet South

アメリカでも異業態間競争は激しい。
食をめぐる胃袋争奪戦は、
脳味噌の争奪戦とともに、
激化を増している。

つまり頭で食べ、目・鼻で食べ、
口で食べ、胃袋に収める全工程で、
競争が繰り広げられている。

そのことを集中講義で理解を深め、
チームワークで学習する。

是非のご参加を。

結果より中身の方が大事だと
言われて見ても結果がほしい

〈日経歌壇より 燕市・高橋勇雄〉

中身も結果も、
どちらも提供します。
自信をもってお約束します。

日本は静かに貧しくなりしとふ
他国のごときデモも起こらず

〈同 仙台・村上かつこ〉

しかし日本にいるだけではわからない。
アメリカを見ることで、
日本の豊かさ、日本の貧しさを知ることができる。
それはニーズやウォンツを感知し、
ギャップを認知することに繋がる。

さて今日は、
京都から滋賀へ。
石山から瀬田、栗東、野洲、
そして草津までの店舗視察。

初めに平和堂フレンドマート瀬田川店。
しまむらとのNSCタイプ。
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平和堂が展開するスーパーマーケットタイプ。
昨年オープンした意欲店。
売場面積は450坪。
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「1丁目1番地」には季節の野菜と果物。
低い陳列線が奥まで見通しをよくする。
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売り場を丁寧に解説してもらって、
くまなく視察。
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熱心に説明してくれているのは、
この地区を担当するエリアマネジャーの野口佳宏さん。
SM営業部SM第四エリア担当。
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そして、忙しいなか説明してくれた二人。
左が野村典弘店長、
右が大島美邦店次長。
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ありがとう。

次はイオンモール草津店。
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イオンリテールの総合スーパーが核店舗。

恒例の火曜市で、
驚くほどの集客ぶり。
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同じくイオンのザ・ビッグエクストラ野瀬店。
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イオンのスーパーセンターがリモデルして、
ザ・ビッグ・エクストラとなった。

ワンフロアの総合スーパー全部門が、
ディスカウント攻勢をかける。

プライベートブランドのトップバリュももちろん全面展開。
コンペティティブブランドのトップバリュ・ベストプライスも、
多くの品目がアソートされていた。

そしてマックスバリュ草津店。
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こちらはマックスバリュ中部が展開するスーパーマーケット。

イオンはマルチ・フォーマット戦略で、
このエリアに侵攻。

さらに西友デイスターモール野洲店。
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ディスカウント・スーパーマーケットで、
米国ウォルマートのネイバーフッドマーケットと同じタイプ。
しかし本場のような迫力は、
残念ながら感じられない。

バロー草津店は、
プライベートブランドを主力に展開。
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ローコスト・ロープライス、
プライベートブランド主力。

毎日の早仕掛け、早仕舞い、
そしてエブリデーロープライス。
イオンも、西友ウォルマートも、バローも、
いずれもディスカウント志向。

低価格消耗戦が厳しく展開されている。
それが、滋賀の湖西エリアの現状。

ここにさらに、
トライアルカンパニーと大黒天物産が進出してくる。
まさに低価格消耗戦に拍車がかかる。

最後に、草津駅に隣接するアルプラザ草津。
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大型複合商業施設で、
2008年開設の100億級。

驚くほど人が入っていた。

写真は、アルプラザの野菜放出市。
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レジ外の主通路に、平台を一直線に並べ、
季節の野菜をセール販売。

右からアルプラザ草津支配人の杉田聡さん、
左は視察コースを練ってくれた木村隆さん。
SM営業部長。
私の隣は野口さん。
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草津は滋賀県で最も人口の多い都市。
草津駅の乗降客ももちろん、一番。
その草津駅に隣接する商業ビルにあるのが、
阪急オアシス草津店。
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地下一階にあり、
ダイエー居抜きの物件で、やや変則的な店。

このエリアでは、
ナショナルチェーンとリージョナルチェーンが、
覇を競う。

昨年度の年商を並べてみる。
日本小売業第1位のイオン 5兆2061億円、
世界第1位のウォルマート傘下の西友 1兆1000億円、
チェーンストア第3位のユニー 1兆0791億円、
日本小売業第23位のバロー 4106億円、
そして第25位の平和堂 3896億円、
さらに阪食 903億円。

西友の決算は非公開なので、
上の年商はウォールストリートジャーナルが2012年9月27日の記事で
Planet Retail社の推計として伝えたもの。

ここに第50位のトライアル 2530億円、
大黒天1005億円
が参画してくる。

多くの企業がディスカウントを志向する。
そのなかでいかに自社の強みを発揮するか。
ポジショニング戦略という。

競争は規模で決まりはしない。
もちろん小手先の技術や付け焼刃の安売りでは、
到底、生き残りはできない。

自らの出自に基づいた強みを発揮しなければならない。
それも鮮明な強み。

これをアウトスタンディングなポジショニングという。

強い企業ばかりの競争となってきた。
ちょっとやそっとでは手を引かない企業ばかり。

そのなかでサバイバルを図るには、
いかなる戦略が必要なのか。

シビアで難しい時代を迎えている。

最後に日経新聞より、
「イオンなど28社と東京都、
災害時の物資情報共有」
の記事。

「日本TCGF」という組織がある。
メーカー、卸売業、小売業28社が参加する組織。

この組織は、「ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム」の日本版。
The Consumer Goods Forum。

2009年6月18日、世界的な3つの組織が合併。
「国際チェーンストア協会」(CIESフードビジネスフォーラム〉、
グローバル・コマース・イニシアチブ(GCI、標準化団体)、
グローバルCEOフォーラム(経営者団体)。

この組織は、
世界の小売業・食品メーカーなど大手企業約650社で構成され、
会員社の総売上高はなんと2.1兆ユーロ(約280兆円)。

その日本版が「日本TCGF」。
協定参加小売企業は、イオン、イズミヤ、西友、
ライフコーポレーション、ローソン。
卸売業は伊藤忠食品、加藤産業、日本アクセス、Paltac、三菱食品。
製造業は、アサヒグループホールディングス、味の素、伊藤園、
花王、キユーピー、キリンホールディングス(キリン)、国分、
サッポロホールディングス、サントリー食品インターナショナル、資生堂、
日清食品ホールディングス、日本コカ・コーラ、ひかり味噌、
明治、森永製菓、森永乳業、雪印メグミルク、ライオン。

東日本大震災で、
万全とは言えなかった問題に対応するのが目的。

発起人は、
イオン㈱岡田元也社長、
キリンホールディングスの加藤壹康会長、
花王の尾崎元規社長ら。

この団体は3つのテーマを設定している。
①「震災対策共有化」
災害時の商品の安定供給などを議論する
②「消費者コミュニケーション」
原発事故に伴う風評被害を防ぐ情報発信の仕方などを検証する
③「サステナビリティ」
環境対応における持続可能性などを論議する

その日本TCGFが東京都と、
災害時に食料品などの供給で協力する支援協定を締結。

首都直下地震などの際、
東京都からは必要な物資の情報が、
メーカーや卸、小売りからは、
調達可能な物資の情報が、
一元的に集められる。

代表窓口はイオン。
避難所のニーズと、
28社が提供できる物資の情報を集約。

発注の重複や情報の交錯を防ぎ、
おにぎりや飲料、毛布などを迅速に提供する。
従来は各企業ごとに、
自治体からの要請を受けて物資を供給した。

これは情報の重複など、課題山積だった。

湖西地区の競争は激化する。
一方、日本TCGFなどの協力体制も進む。

競争と協力、そして調和。

ただし日本TCGFが、
新たなひとつの派閥となって、
排他性を有してしまっては、
元も子もない。

〈結城義晴〉


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