4月商人舎標語「おかげさまで」と米国ピンク・ダイソー成功の確信
マリオットホテルズ&リゾート。
サンフランシスコ中心部に3つある。
そのうちのマリオット・ユニオンスクエア。
23階の部屋から見える景色。
ベイエリアを臨む。
4月も、もう3日目だが、
この旅も最後になった。
あと1時間で、
サンフランシスコ国際空港に向かって、
出発する。
いい旅だった。
あまりに忙しくて、
恒例の商人舎標語を、
公開しそこなった。
2013年4月は、
「おかげさまで」。
これです。
商人舎は丸5年を経過した。
2008年4月17日に、
「商人舎発足の会」が開催された。
おかげさまで、
5年間、きちんとした仕事ができた。
海外研修会は定評をいただく内容になった。
ミドルマネジメント研修会でも、
ドラッカー・マネジメントをもとに、
業界の理論を新しくするものが確立された。
そして、おかげさまで、
6年目に入って、
『月刊商人舎』と『商人舎magazine』を、
創刊する。
すべて、
「おかげさまで」。
しかし商売の基本精神は、
「おかげさまで」。
伊藤雅俊さんは、
「おかげさまで」の元祖のような人。
イトーヨーカ堂創業者、
セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。
川野幸夫さんの口癖も、
「おかげさまで」。
ヤオコー会長にして、
日本スーパーマーケット協会会長。
「おかげさまで」の精神が貫かれた会社は、
ゴーイングコンサーン。
ながい長い成長と遂げる。
私たちも、
「おかげさまで」の精神を貫きたい。
5年前の商人舎発足の会で、
私が訴えたことは、
「利他と無私」。
これは「おかげさまで」の精神そのもの。
2013年4月、
「おかげさまで」を、
みなさんと共有したい。
よろしく。
さて、日経新聞『大機小機』。
「地域の人口展望が示す日本の課題」
国立社会保障・人口問題研究所の発表。
2010~40年の「新しい地域別人口推計」。
課題が浮き彫りにされた。
第1は、
「多くの地域で
大幅な人口減少が生じ、
過疎化が進展すること」。
第2は、
「高齢化の進展も
地域別に大きな差が
表れること」。
ここで注意点。
「高齢化の進展」と「高齢者の増加」を、
区別すること。
「地方部では高齢化は進むが、
高齢者数はそれほどは増えない。
都市部、特に大都市周辺部で、
高齢者数が大幅に増える」
第3は、
「人口オーナス(重荷)を通じた悪循環」。
「人口オーナス」とは、
人口に占める生産年齢人口の割合が
低下すること。
生産年齢は15歳から64歳。
私も今はこの生産年齢に入っているが、
今後はこの世代が減っていく。
さらに「人口移動」現象が起こる。
「成長性の低い地方部から、
雇用機会を求めて生産年齢人口が流出し、
成長性の高い都市部に
生産年齢人口が集まってくる」
「低成長地域の成長性がさらに制約され、
都市部との格差が拡大する」
コラムニストは最後に指摘。
「この悪循環から抜け出すためには、
地域の成長性を高めて、
持続的な雇用機会を増やしていく」
つまり「地域の成長戦略」が必要。
しかしそれはいったい具体的にどうすることか。
その提案や議論が必要だ。
アメリカは人口が増え続けている。
2040年に4億人を超えると予想されている。
それでも都市化現象は顕著。
ニューヨークやロサンゼルス、
サンフランシスコに、
人々が集まってくる。
だから狭い都市部に店舗が必要になり、
「エクスプレスストア」の開発が急だ。
一方、地方では、
古典的リージョナルショッピングセンターが、
見る影もないほどの凋落ぶり。
しかしそれが、
ライフスタイルセンターに変わる。
新しい商業集積が開発される。
地方の成長戦略の中核に、
小売りサービス業がある。
コラムニストに代わって、
遠くサンフランシスコの地から、
このことを指摘しておこう。
さて、一昨日のことになるが、
サンフランシスコ2日目は、
市内から車で約1時間ほど北上。
雨が降るハイウェイ。
昼過ぎに、
ナゲットマーケットの視察を終えた頃、
青空に白い雲。
いい天気になってきた。
前半の視察はディスカウントタイプの店、
後半は、スペシャルティな店の視察。
その究極は、バークレーボウル。
サンフランシスコで2店を展開。
2店で年間に1億2000万ドルを売り上げる。
120億円。
なんといっても圧巻は青果売り場。
全米1と思えるほど、
品種品目が多い。
パイナップルの品種も豊富。
その食べ比べのために、
いつも、必ず試食が展開されている。
これが甘くておいしい。
そして技術の本質は、
「選別値入れ」。
30年も前に、
私は池田壽太郎先生から教授された。
「青果の極意は選別値入れだ」
バークレーボウルは、
忠実にこの技術を展開している。
いつか、『月刊商人舎』で
特集を組もう。
最後の最後に、
アラメダ・サウスショアSC。
このショッピングセンターには、
トレーダー・ジョーとセーフウェイが、
軒を連ねて出店している。
それ以外に、
コールズ、ロス、ステープルズ、
オールドネイビー、
TJマックス、オフィスマックス、
ベッド・バス&ビヨンド、
ペトコ、ウォルグリーンなどなど。
本当に勉強できるライフスタイルセンターだ。
これは地方の成長戦略の一端を担う。
さらにここに、
ダイソー・ジャパンが出店した。
トレーダー・ジョーでは、
副店長格のトニーさんにインタビュー。
メンバーからの次々の質問にも、
丁寧に的確に答えてくれた。
店内を案内してくれたのは、
「Helms」担当のサファニーさん。
ヘルムスはお客様のサポート係。
声かけ係のような役目。
トレーダー・ジョーでは、
全員が1時間ごとに交代で、
ヘルムスを務める。
もちろん店長のcaptainも、
クルー・メンバーも、
みな平等にヘルムス役を担う。
全員で顧客サービスに努めることの象徴。
そしてそれが一人ひとりのプライドとなり、
教育となる。
彼女の大学生の娘さんも、
トレーダージョーで働き始めた。
似た者親子ツーショット。
もちろん私ともツーショット。
陽気な大阪のおばちゃんといったところ。
そして小道を挟んで隣接するセーフウェイ。
新フォーマットのニューライフスタイルストア。
この店は1641店のセーフウェイの中でも、
10本の指に入るだろう。
いつ行ってもよく管理され、
必ず新しい提案があるいい店だ。
何より、入り口で展開される花売り場から、
青果売り場への導入がよくできている。
トレーダージョーにはないドラッグ部門。
処方箋薬局で、固定客がついている。
トレーダージョーとセーフウェイ。
それぞれの強みを生かして、並立している。
これがコンテスト型競争時代の在り方だ。
最後に、最近出店したダイソー。
ダイソー・ジャパンの表示がいい。
早速視察。
原宿や大阪など、
最近の日本の大型店の出店には、
ピンクを使用している。
そのピンク・ダイソーをアメリカで展開。
商品は一律1.5ドル。
ダラー・ゼネラル、
ファミリー・ダラー、
ダラー・ツリー。
アメリカのダラーストアの御三家。
ここに割って入るのに、
ジャパンテクノロジーの商品と、
それに見合う1ドル50セントストアを考案した。
私は、確信をもって、
成功する方に賭ける。
アラメダから戻るころ、
対岸に見えるサンフランシスコの街に
霧がかかった。
幻想的でとても美しかった。
サンフランシスコの視察最終日。
橋を渡り着くころには、
晴れ渡った夕景が、
これもまた美しかった。
おかげさまで、
この旅も、
大成功に終わりそう。
おかげさまで、
『月刊商人舎』も、
順調な出発となりそう。
おかげさまで、
結城義晴、
還暦まで生かしてもらった。
おかげさまで、
幻想的な霧のサンフランシスコを、
拝ませてもらった。
「おかげさまで」
心から感謝。
〈結城義晴〉