安倍首相「6月の成長戦略」と[計画・組織・調整・統制]組織論批判
2013年のゴールデンウィーク。
いかがだったろうか。
それが明けて、5月7日。
「立夏」を過ぎて、
夏の気分を味わいたい気もするが、
陽射しは夏っぽいけれど、
風は冷たい。
要は、東京・横浜、
素晴らしい天候。
ありがたい。
さて今日の商人舎magazine。
まずWeekly商人舎。
今日は火曜日連載。
常盤勝美の2週間ウェザーMD予報[5月2週・5月3週]
昨日は「月曜朝一 今週の販促企画はこれだ」。
Weekly商人舎は、
月曜から金曜まで、
曜日日替わり連載がある。
それ以外にWeekly Special。
言ってみれば「週刊特別企画」。
よろしく。
それからDaily商人舎。
毎日、できる限り、
日本と世界の選りすぐりnewsを提供したい。
今日は2本。
①Fortune500、ウォルマート首位返り咲き
アップルが躍進して7位に入った。
コストコがクローガーを抜いた。
アマゾンもロウズを抜いた。
②3月家計消費調査で高額品減、大幅増は何?
喧伝されるアベノミクスとは異なる消費、
その中身は?
これまでならば、
[毎日更新宣言ブログ]で話題にしたネタを、
Daily商人舎やWeekly商人舎で、
とり上げ、深掘りしていく。
これもよろしく。
さて、商人舎ミドルマネジメント研修会。
第3回目を迎える。
5月28・29・30日。
2泊3日の完全合宿制。
今日も、ある大手チェーンのトップと、
夕方から懇親した。
その席で話題になったこと。
マネジメントの問題。
私の見立ては、
大企業病と官僚化。
トップマネジメントは、
自分たちは勉強したりセミナーに行ったりして、
克服している。
しかしミドルマネジメントや新入社員の教育は、
旧態依然としていて、変化がない。
それをあまり大きな問題だとは気づいていない。
しつけ教育程度にしか、
思っていない経営者が多い。
マネジメント理論上は、
アンリ・ファヨールの理論は、
古典的規範論といわれ、
職能別組織論や、
[計画、組織、指揮、調整、統制]を説くが、
ピーター・ドラッカーやヘンリー・ミンツバーグは、
「何の役にも立たないし、むしろ害になる」と、
一刀両断。
例えば、
命令系統の一元化、
三面等価の原則、
権限の委譲、
統制の限界。
「命令」とは何か。
あなたは丸暗記させられたことはないか。
「権限」とは「責任」とは。
あなたはそればかり考えてはいないか。
ドラッカーは言う。
「職能別組織は、
明快さにおいてすぐれている。
しかしそれは、硬直的であって、
適応性に欠ける」
「ある程度の規模や複雑さに達するや、
摩擦が随所にみられるようになる。
急速に誤解と反目を生み、
やがて帝国と化す」
「特に職能別組織や、
ラインとスタッフについての伝統的組織論に
従って組織を設計したとき、
組織構造にかかわる問題が続々と出てくる」
ミンツバーグは書いている。
「本稿の意図は簡単である。
読者をファヨールの四つの単語(計画、組織、調整、統制)から
引き離し、もっと根拠のある、そしてもっと役に立つ
マネジャーの仕事の説明に案内することである」
日本の小売業サービス業の組織論は、
このファヨールの理論をもとにしていた。
だからほとんどの企業が、
ある程度の規模や複雑さを持つとき、
その弊害が出てくる。
私はそれを取り除きたい。
そしてその役目は、
ミドルマネジメントに、
担ってもらいたい。
だから、
商人舎ミドルマネジメント研修会を、
開催する。
こぞって、参加していただきたい。
5月28・29・30日。
東京・ベルサール西新宿。
個人でももちろん、
勉強したい者は参加できる。
さてさて、安倍首相の消費増税コメント。
今日の国会・参院予算委員会。
日経新聞夕刊から。
「3本の矢を強力に推進し、
引き上げに適した状況にしたい」
力強い。
増税の前提に、
「経済成長の実現」を挙げている。
「引き上げ半年前に種々の指標を確認し、
総合的に状況を勘案しないといけない」
4月引き上げだから、
そのリミットは9月末ということ。
ということは、今から約5カ月。
「企業の収益力が向上して
勤労者に適切に分配されるのが重要だ」
その通り。
「賃金の上昇率が
インフレ率を上回るように努力する」
そうしないと消費は上向かない。
消費が活発化しないままで増税すると、
消費はさらに落ち込む。
これではインフレが進むだけになってしまう。
最も怖い現象が待っている。
「持続的な成長のためにも
成長戦略を6月中にはまとめていきたい」
これみんな、安倍首相の発言。
それで間に合うのか。
6月中に戦略案をまとめ、
賃金の上昇率がインフレ率を上回る計画をつくり、
9月末までに、指標に表れる効果を上げる。
成長戦略は、国家だけでなく、
企業も店も意図し、立案する。
しかし、その実行が難しい。
仕事をしていれば、
いやというほど、
実感させられている。
6月中に成長戦略の具体化案をまとめ、
それを[計画、組織、指揮、調整、統制]する。
まさにアンリ・ファヨール。
なんとなく説得力もあるし、
できそうに見える理論だが、
これ、マネジメント理論上、
ドラッカーやミンツバーグから、
鋭く批判されている。
いかに実践し、
実行し、
実現させるか。
そのリアリティある答えこそ、
マネジメントの真髄である。
商人舎ミドルマネジメント研修会では、
上田惇生先生ともども、
結城義晴が語ることになる。
安倍晋三首相は残念ながら、
聴講には来ない。
〈結城義晴〉