「生きている限り、 疾走疾駆したい。それが残された者の役目だ」
今日は9・11。
こちらのテレビでは、
あの2001年の惨劇の映像が、
繰り返される。
あれから12年。
日本式にいえば、
干支はひと巡り。
しかし空港のセキュリーティ・チェックは、
いつも以上に厳しい。
アメリカに来ていると、
一時もそのことを忘れられない。
2020年の日本のオリンピックのころには、
「9・11は、はるかかなたのことだった」
そんなふうに、なっていてほしい。
つくづくと思う。
さて、もう帰国の日。
1週間は速い。
そして私の愛用のカメラ、
紛失したまま、とうとう出てこなかった。
使い続けてきた道具を失う。
心が痛い。
そしてそのカメラに収められていた映像データも、
戻ってはこない。
小森勝さんの通夜は、
9月13日金曜日18時から、
京急メモリアル金沢文庫斎場で行われる。
告別式は翌14日10時30分から。
大切な友を失った。
心が痛い。
セブン‐イレブン出身のコンサルタントとして、
コンビニエンスストアの専門家。
その情報分析はこの分野の第一人者だった。
私の立教大学大学院F&Bマーケティング講座では、
毎年、講義していただいた。
小森さんご自身が立教出身で、
懐かしそうにキャンパスをながめていた姿が、
忘れられない。
1989年から、小森さんを中心に、
ゴルフ名人会を実施してきた。
ここ数年は体調が悪くて、
小森会長不在のまま続けてきた。
この面でも、残念でならない。
心からご冥福を祈りたい。
私はラスベガス。
初めからの予定だったが、
小森さんの亡くなられた日に、
不思議にもゴルフとなった。
ところはロイヤル・ゴルフクラブ。
格調の高いイギリス風のクラブ。
コースへの入り口は鉄柵で仕切られ、
モニターで登録しないと開かない。
セキュリティも万全。
クラブハウスの重い扉を開けると、
ゴルファーの像。
9月初旬というのに、
絶好のゴルフ日和。
スコットランドのセントアンドリュースを模したコース。
小森勝追悼ゴルフのつもりで、
しみじみとラウンドした。
小森さんのジェラシーか、
スコアは散々だったが、
私には全く気にならなかった。
クラブハウスも落ち着いた雰囲気で、
とても気にいった。
小森さんと一緒に、ここでプレーしたかった。
今は、叶わないけれど。
再び、ご冥福を祈りたい。
黙祷しつつ、合掌。
さて昨日の夕方は、
もう最後の晩餐。
ところは「鮮」。
英語名は「Sen of Japan」
板長は日本人の腕利きで、
素晴らしいメニューと味だった。
そのまま日本に持ってきても、
十二分に通用する。
こんないい店、
えてして静かに閉じてしまいがち。
私はいつまでも残ってほしいと思った。
全員で今回のトップセミナーの収穫を確認し合った。
私の主張をよく理解してくれて、
「STPとポジショニング」はみなの、合い言葉となった。
ご清聴を心から感謝したい。
その後、ホテルに戻って、
全員写真。
ちょっと暗いけれど、
みんなの顔つきにその成果が表れている(はず)。
得るものは、多かった。
失うものも、あった。
それが人生だ。
生きている限り、
疾走疾駆したい。
それが残された者の役目だと思う。
今日は特にそう思った。
9・11の今日、
すべてのアメリカ人が、
そう考えているに違いない。
それが今では、
アメリカの強みであるかもしれない。
私たち日本人も、
3・11を体験した。
残された者の役目、責任。
それを強く認識することができるか否か。
私たちが、私自身が。
〈結城義晴〉