「ヒラメとヘッドアップ」、そして「年上の人からの贈り物」
久しぶりに見あげた横浜の空。
いい気分。
原稿は溜まっているし、
テキストもレジュメも、
いつも私を追いかけてくるし、
立教のゼミ生の研究論文も待っているし、
楽なことは一つもないけれど、
空は青く晴れている。
雲は白く漂っている。
銀杏の緑が深くなる。
横浜市立宮谷小学校の壁。
未来の学校は生き生きとしている。
毎日新聞の巻頭コラム『余録』。
「今の永田町はヒラメばかりだ、
と自民党長老の一人が嘆く」
海底にへばりつきながら、
目だけは上をうかがう魚。
それがヒラメ。
「ポストほしさに人事権者の意向を
上目遣いに気にする連中が多い」
安倍政権の長期化が視野に入り、
「党内総ヒラメ化」の傾向が見える。
荒井伸也さん。
オール日本スーパーマーケット協会会長。
「利益を追いすぎることを、
ヘッドアップという」
経営をゴルフにたとえる。
ヒラメとヘッドアップ。
前向き、上向き、外向き。
ポジティブな上昇志向と、
ヒラメやヘッドアップは、
全然、違う。
『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」。
糸井重里さんが書く。
「年上の人に会うというのは、
なにかしら運のいることだと思うのです」
「同い年だとか、
年下の人たちと会うのは、
じぶんの意思がおおいに働きます。
しかし、年上の人に会うには、
その相手の『いいよ』という許しが
いるように思います」
そして、述懐。
「年上の人からは、
贈り物をもらってばかりです」
「年上の人にいただいた贈り物は、
減ってなくなるものではないので、
また年下の人に贈る」
「そういうことなんだろうなぁと、
しみじみ思います」
同感。
倉本長治、渥美俊一、
上野光平、杉山昭次郎。
年上の人たちからいただいた贈り物。
年下の人たちにしっかり贈りたい。
さて昨日の東京・丸の内。
パレスホテルで毎年恒例の
プラネット トップセミナーが開催された。
開会挨拶は玉生弘昌さん。
ご存知、(株)プラネット会長。
プラネットのEDI事業は、
業界インフラとして確固たる地位を確立した。
その特長を会社の歩みとともに紹介。
続いて田上正勝さんが挨拶。
田上さんは昨年、
(株)プラネット社長に就任。
プラネットの現状と今後の取組みについて語った。
今日のセミナー、
講師は数学者で作家、
藤原正彦さん。
お茶の水女子大学名誉教授。
270万部を超えるベストセラーとなった
『国家の品格』の著者。
演題は「日本のこれから」。
「日本には美しい自然と四季がある」
そこから育まれる日本人の情緒が、
世界に誇る日本の国柄をつくっていると
藤原さんは考える。
「日本人は秋の虫の音を
音楽のように聴くことができる」
ちょうど今の季節、夜、
窓を開けると鈴虫が奏でる音色が聞こえてくる。
確かにそれを耳障りとは感じない。
藤原さんは、
そうした情緒を大切にする教育をすべきだと、
力強く語った。
講演が終わると、懇親会。
(株)プラネット専務の石橋光男さんが、
開会の挨拶。
乾杯の発声は、
ライオン(株)社長の濱逸夫さん。
会場はご覧のとおり盛況。
そして、中締めは、
ピップ(株)の藤本久士さん。
藤本さんは、
プラネット社長の田上さんと同郷で、
兵庫県のご出身。
「次回のトップセミナーはぜひ兵庫で」と、
締めくくった。
それにしても、ヒラメとヘッドアップ。
対して、年上の人からの贈り物。
年下の人への贈り物。
目線の大切さを思い知る。
〈結城義晴〉
<追伸>
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