ジジと氷とビターメロン[日曜版2013vol38]
ジジです。
ねむい。
おととい、
マンゲツ。
きのうは、すこし、
かけた月。
ボクも、おとうさんも、
月見、すきです。
秋を、しみじみ、
かんじます。
ぐっすり、ねむって。
夜があけると、
青い空。
うちのなかも、
ずいぶんすずしくなりまじた。
秋のひかりが、
あふれている。
そとも、
あきのひかりに
みちている。
ベランダ。
おとうさんは、
ひさしぶりの
おやすみ。
オルゴールをきいた。
Amazing grace♪
how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost but now am found
Was blind but now I see
画集もみていた。
一角獣のタペストリー。
ゆっくり、ゆっくり、
すごしています。
ボクは、氷。
不思議なものです。
においは、ない。
つめたい。
おとうさんは氷を、
お酒にいれて、のむ。
でもアメリカからかえってきて、
これをのんでます。
ビター・メロン。
ホールフーズで、
かってきた。
まいにちのむと、
とても、ぐあいがいいようです。
おとうさん、ゆっくりしたし、
元気をとりもどした。
よかった、よかった。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉