結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年10月07日(月曜日)

薄日さすユーロの事故警戒と世界最大アヌーガ初日の美食巡り

Everybody! Good Monday
[2013vol40]

2013年も第40週。
年間は52週だから、
あと12週。

10月は第2週。

秋も深まってきます。

国産の松茸思ひきつて買ふ
〈日経俳壇 岸和田・妙中正〉

一方、こんな句も。

中国産松茸御飯年一度
〈同 西宮・山口規美子〉

庶民はつつましい。

それにしても、ドイツの茸はうまい!
海水も届く宮城の初秋刀魚
〈同 奈良・河上恵子〉

宮城の秋サンマ。
海水がみずみずしい。

ヨーロッパ・ドイツの秋も美しい。

日経新聞、昨日の『日曜に考える』。
「薄日差すユーロの『事故警戒』」。
ヨーロッパ総局の菅野幹雄編集委員が書く。

イタリアのレッタ首相、
内閣の信任を、
敵から恵んでもらった。
ドタバタ劇続きのユーロ圏で、
安定への動きを示す材料が相次ぐ。

ドイツ下院選挙では、
メルケル首相が大勝。

ポルトガルへの融資審査は無風で終了。
ユーロ圏の失業率上昇も停止。

雲間から差す薄日。

しかしユーロ圏が抱える課題改善は、
まだ序の口。

欧州中央銀行のドラギ総裁。
ユーロ圏経済の回復は、
「弱く、もろく、不ぞろいだ」。

イタリア政局の安定はほど遠い。
フランスの構造改革も鈍い。
ギリシャでは極右政党が存在感を増す。

「落ち着いたかにみえるユーロ体制もまだ
『事故』の危険がいっぱい」。
日経新聞ヨーロッパ総局は、やや悲観的。

そのドイツの旅、
デュッセルドルフから始まる2日目。

朝8時前にホテルの会議室に集まり、
結城義晴のアヌーガ視察のためのセミナー。
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ヨーロッパとドイツの食品産業のトレンド、
アヌーガの視察のポイントと心得、
商談と輸入の要点などを丁寧に解説。
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1時間半ほどだが、
終わるとちょっとした頭痛。
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朝から少し力が入りすぎて、
頭に血がのぼった。

講義の後は一路、
デュッセルドルフからケルンへ、
1時間ほどのドライブ。
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もちろん、ここでも解説の続き。

そして見えてきました。
市内入り口から恒例となっているアヌーガ渋滞。
一昨年の前回よりずいぶんと手前から車の列。
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待つことが嫌いな大阪人かと思うほど、
短気なゲルマン人のバス・ドライバー。

この経路をさっさとあきらめて、
ライン川を渡り、大きく迂回し、
旧市街地から再びアタック。

ライン川の向こうにケルン大聖堂。
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しかしごらんの通り、
こちらもアヌーガ大渋滞。
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ぐるぐる回りながらも、
大阪人のように横入りを繰り返し、
やっと着きました。
ケルンメッセのアヌーガ会場。
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ケルンメッセ㈱は世界に誇るフェア会社。
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入り口前の階段のこの人人人。
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南入り口のアヌーガのロゴ看板を抜けると・・・。
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これまた人人人。
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われわれ一行は、
6つのチームに分かれて、
テーマごとに真剣視察。
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バーコード付きの入場証を首にかけて、
次々に来場者が入ってくる。
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毎奇数年開催のアヌーガ。
初回開催は1919年。

28万4000㎡の総展示スペース。
フランス・シアルの2倍以上。
日本のフーデックスや
スーパーマーケット・トレードショー、
その10倍はくだらない。

100カ国から6743の企業が出展。
2011年の出展社は、
ドイツ国内から925、海外から5818。

180カ国から15万4536人のビジター。
ビジターはドイツ国内5万8899人、
海外から9万5637人。

そのアヌーガは、
11館からなる広大な展示を誇る。
2013年の出展概要は、
10カテゴリーに分かれている。

①フード   
加工食品 84カ国3516出展

②ドリンク
ビール・ワイン・スピリッツ・ノンアルコール飲料
60カ国515出展

③ミート
45カ国809出展

④フローズン・フード 
48カ国491出展

⑤チルドおよびフレッシュフード
フレッシュコンビニエンス製品、フレッシュデリカテッセン、
魚、フルーツ&野菜
19カ国149出展

⑥デアリー(乳製品)
34カ国360出展

⑦パン&ベーカリー、ホットドリンク
36カ国405出展

⑧オーガニック  
27カ国271出展

⑨Retail Tec

⑩フードサービス
24カ国228出展、約3500製品

⑧、⑨、⑩がユニークだ。

もう一つ、アヌーガの特徴はテーマブース。
今回のアヌーガトレンドとして、
10のテーマが設けられている。
① グルメ製品と郷土料理
② ハラール食品
③ オーガニック製品
④ ベジタリアン製品
⑤ 健康&機能性食品
⑥ コーシャ製品
⑦ フィンガーフード
⑧ プライベートラベル
⑨ 材料
⑩ フェアトレード製品

南から北に延びる主通路沿いに、
テーマブースが並ぶ。

その中の
フェアトレード。
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今年はコンコースに格上げされた。
こちらはIFSのブース。
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農業サプライヤーが、
食品安全、労働、環境、動物の権利保護などの項目に関して、
大規模小売チェーンに対しGLOBALGAP認証を与えている。
認証された企業のロゴが記されたポール。
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アルファベット順で、
日本のAEONが一番最初にある。
その意味では「イオン」はよいネーミングだ。

入り口にあれだけいた来場者も、
広い会場に散らばっていく。
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世界中のオリーブオイルを集めたブース。
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試飲させてくれる。
われわれもバージンオリーブオイルを、
次々にテイスティング。
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主通路をさらに北上。
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天井からは各国プロモーションの垂れ幕が、
下げられている。
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「taste13」は、
主通路の一番北寄りに設けられている。
イノベーティブな商品コンテストブース。
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カテゴリー別に本部が選んだ商品を並べ、
来場者に投票してもらう。

こちらはファインフード部門のTOFU。
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寿司に続き、豆腐もグローバル化してきた。

私たち事務局本部チームは、
北側から南下作戦を開始。

一番北に位置する8号館のドリンク館では、
taste13にランクされた
エナジードリンクを試飲。
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私の隣は、㈱万代常務の西水啓介さん、今回の団長。
左は、通訳の谷口ゴールドジャック久美さん。

エナジードリンクもいいが、
違う意味で人間を活気づかせるこのドリンクもいい。
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試飲なのにこの量。
もちろんタダ。
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われわれは控えめに、
半分の量をお願いしてテイスティング。
ドイツビールはコクがあって本当においしい。

ビールの余韻が後を引く中、
ドイツの茸生産者のブースへ。
シェフが腕をふるって試食させてくれる。
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フライパンの中から何ともいえない茸とバターの香り。
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茸は鮮度が大事。
だから輸出はしていない。

しかし日本の国産品とはちょっと違っていて、
味が濃く、薫り高く、
すばらしい茸だった。
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こちらのブースは人だかり。
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taste13のフローズンフード部門でランクされていた商品。
キャンディのような形状のスナック。
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「HASTA PIZZA」。

たいやきのような衣の中に、
サラミ、ハム、マルガリータ、チョコなどの具材を入れて、
トースターで4分焼く。
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片手で食べられるフィンガーフード。
これは日本でも売れそうだ。

ミート部門の入り口では、
VealのサプライヤーEkro社のブース。
レストラン仕様で展開している。
オランダの会社。
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ドリンクと前菜や部位別ステーキなど、
仔牛肉を使ったメニューを提供し商談する。
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もちろん、われわれも試食。
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解説してくれたのは、
Paul Beltmanセールスマネジャー。
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毎週8000頭単位で、
仔牛を生産し、販売する。

そのスペシャルティで、ポジショニングを築く。
もちろん世界で一番のヴィール・サプライヤーだ。
柔らかくてジューシーな仔牛肉の後は、
しっかりした、アルゼンチンの牛肉を食べ比べ。
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お腹がいっぱいになったところで、
ミール館を後にして、再び南下。
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3号館を入るとすぐに「Caffe Corsini」。
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水出し、ドリップ、エスプレッソの3つの入れ方で試飲させる。
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コーヒーのフルコース。

充実した食後のコーヒータイム。
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このパフォーマンスが説得力を持つ。

そして最後は、
2号館のJapanブース。
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地方の特徴的なサプライヤーが出展して、
活気あるブース構成。
しかしもうちょっと、
日本のパワーを示したい。

あっという間に、
初日の視察が終わり、
全員で、記念撮影。
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そのあとは、
ケルン市内の店舗視察を予定していたが、
今日は日曜日で店が閉まっているため、
急遽、ケルン大聖堂の見学に変更。

夕刻のライン川を渡り旧市街地へ。
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見えてきました大聖堂。
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この圧倒的な存在感。
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聖堂の中に入ると・・・。
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荘厳な美しさ。
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ところが日曜のこの日は、ミサがあるため、
観光客は回廊をまわって視察することができない。
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これまた残念。

礼拝堂をぐるりと囲むステンドグラスを、
遠くから眺めるだけ。
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来たことの証しとして、全員で記念撮影。

大聖堂をできるだけおさめようと、
事務局のカメラマンたちはこの姿。
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でもかがみこみ過ぎたせいか、
後ろのほうは顔の一部しか映っていない。
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申し訳ない。

視察が終って夕食は、
万代ドライデイリー会幹事の皆さんと、
ドイツビールとドイツ料理の店へ。
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ご覧の量は4人前。
スペアリブやカツ、ソーセージ、
そしてマッシュポテト、ザワークラウトを堪能。
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最後はアップルパイ。
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今日は美味しいものばかり食べた。
実に満足だった。
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薄日差すユーロ。
突発的な経済事故を警戒しつつも、
食分野は意気軒高。

それをリーダー国のドイツと、
世界最大の食品メッセ「アヌーガ」が、
示してくれている。

私たちはそれを肌で実感している。

21世紀は食品の時代。
その食品から元気を得て、
みなさんも、
Good Monday!
〈つづきます〉

〈結城義晴〉


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