ジジと尖がったもの[日曜版2013vol41]
ジジです。
ボク、ずっと、
ねてました。
おとうさんが、
また、とおくに、
いってたから。
かえってきた。
よかった。
でも、ニッポンは、
夏みたいに、あつい。
おとうさんは、
ヨーロッパに、
いってきました。
かえってきたとき、
ボクはシーバを、
たべていました。
むかえにいきました。
よかった。
はじめにいったのは、
ドイツのケルン。
大聖堂。
てっぺんは、
とんがっています。
よこにも、ひろい。
みんなで、フォト。
うれしそう。
結婚式もやってました。
パフォーマンスも。
とんがった大聖堂。
それから、フライト。
スペインのバルセロナへ。
サグラダ・フェミリア。
ガウディがかんがえた。
おとうさんは、
感動した。
これも、とんがっていた。
ケルンとはちがうバルセロナの大聖堂。
うちがわも、かわっている。
うえをみあげる。
いきもののうちがわみたい。
天井。
シャンデリア。
ステンドグラス。
まだまだ、しごとは、
つづいています。
完成するのは2026年。
おとうさんは、
完成のすがたをみると、
心にきめました。
それからまたフライト。
ルフトハンザ。
空のうえから、
とんがったものをみた。
ずっと、しろい雲。
地中海のうえの雲。
フランスからイタリアへ。
すこしずつ山がみえてきた。
山なみ。
そうアルプス。
山のあいだに、
街もあります。
そしてそのなかに、
とんがったもの。
うつくしい。
マッターホルン?
ケルン大聖堂と、
サグラダ・ファミリアと、
マッターホルン。
とんがったものばかり、
みてきた。
おとうさんは、
いいます。
「アウトスタンディングであれ!」
そのためにも、
とんがったものをみるのは、
いいことなんでしょう。
おかえりなさい。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉