結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年11月20日(水曜日)

イオンのオムニ・チャネル戦略とマイクロストラテジー本社訪問

今年のボジョレヌーボー解禁。

それから今週末の土曜日は、
勤労感謝の日。

私は12月商戦の前哨戦として、
ここに力点を置くべきだと強調し続けている。

それにしても、
キャロライン・ケネディ
さん。
「駐日米大使」という書き方が、
一番短いから、
新聞見出しなどではこう記されるが、
駐日アメリカ合衆国大使。

アメリカ合衆国政府が
派遣した特命全権大使で、
日本に駐在する。

もちろん、
あのジョンFケネディ元大統領の長女。

明後日の22日は、
ダラスでケネディが暗殺された日。
あれから50年目になる。

世界中が悲嘆に暮れたが、
その50年の節目の時に、
駐日米大使として就任。
注目されるときの就任は、
日本国の存在感が高められて、
ありがたい。

明るいニュース。

明るいニュースといえば、
サッカーのザックジャパン。
FIFA世界ランキングベルギーに勝利。
同8位のオランダとは引き分け、
存在感が高まった。

明るいニュースばかりのなかで、
勤労感謝の日を迎える。

知識商人は、
腕の振るい甲斐がある。

さて日経新聞一面トップ記事。
「イオン、スーパー1600店
ネット直結」

一面の記事より、
企業欄の記述の方がわかりやすい。

「店頭に無線LAN基地局を整備。
スマートフォンで店頭商品のバーコードを撮影すると、
ネット通販サイトに自動接続して
商品を自宅に届けてもらえる」。

まず14年度中に、
総合スーパー全500店に導入。
実績を勘案して16年度までに、
食品スーパーマーケット約1100に拡大。

詳細は商人舎magazine
Daily商人舎で解説、公開中。
「イオン幕張新都心店でオムニチャネル戦略」

「オムニ(omni-)」は、
接頭辞で「すべて、あまねく」、
あるいは「全」の意味。

「オムニバス映画」などという時の「オムニ」。
オムニバス映画は、
複数の短編映画や中編映画を、
すべてひとつにまとめた作品。

一方、「チャネル(channel)」は、
テレビのチャンネルの「チャネル」。
英語の意味は、
「水路、海峡、運河、水管、通信路、経路」など。

「オムニ・チャネル」は、
顧客とのすべての接点を備えること。

ちょっと欲張った言い方で、
「マルチ・チャネル」より、
もっともっと広いですよ、
といったニュアンスが含まれている。

2011年のアメリカで、
百貨店メイシーズのCEOテリー・ラングレンが
「オムニチャネル企業宣言」を発して、
この言葉が注目され始めた。

『9兆円企業の秘密』という本が出ている。
朝永久見著。
セブン&アイ・ホールディングスの紹介本。
そのサブタイトルが、
「世界最強オムニチャネルへの挑戦」

セブン&アイとイオンが、
「オムニ・チャネル競争」を始めたわけだが、
まだまだO2Oのレベルだと思う。
「on-line to off-line」。
オンラインはインターネット、
オフラインは店頭。

店頭とインターネットを結びつける試みで、
それがオムニ・チャネルへと発展する。

どちらも緒に就いたばかり。

イオンはまず、12月20日、
「幕張新都心店」オープンからスタート。

2012年のEコマース市場は、
9兆5000億円。
5年で8割の伸長。

それにイオンとセブン&アイが入り込んでいく。

どちらも拠点としての店舗が、
最大にして最後の武器になる。

私はそう考えている。

さて昨日は朝から、
横浜商人舎オフィスを、
マイクロストラテジー・ジャパン㈱のお二人が、
訪ねてくれた。
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アカウントエグゼクティブの小泉潤一さん(右)と、
セールスディレクターの北村守さん。

マイクロストラテジー・ジャパンは、
「ビジネスインテリジェンス」をサポートする企業。

今や企業は膨大なデータをもっている。
経営の意思決定や、
現場オペレーションに、
その膨大なデータを活用しなければならない。

このビッグデータを、
見やすく使いやすくする技術とサービスを、
この会社は提供する。

最近ではスマホやタブレット端末を活用して、
売上高や在庫管理、販売動向などを分析し、
経営現場で使う。

そんなサービスが、
小売業から評価を受けている。

イギリスのテスコ、
ドイツのメトロ、
アメリカのクローガー、HEB、ホールフーズ、ロウズ、
そして日本ではユニクロやイオンなども。

そのマイクロストラテジーの本社を、
私たちは10月25日に訪問した。
商人舎USAスペシャル研修会での特別プログラム。
場所はアメリカの首都ワシントンDC。

ひと月前のことだが、
なんだか懐かしい。

このひと月の間、
私は3分の2はアメリカにいた。

ワシントンDCの中心部から、
秋のポトマック川をさかのぼること30分。
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インテリジェンスビルの一角に本社はある。
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その会議室で私たちはレクチャーを受けた。
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共同創業者のZolfaghariさん。

こんなメニューがある。
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この日は小泉さんと北村さんが、
急きょ、渡米してコーディネートしてくれた。
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世界の小売業が、
例えばスマホを、
現場でどのように活用しているか。
そんな詳細な説明を聞く。
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ホームセンターのロウズなど、
従業員にスマホを持たせ、
それを店頭の棚管理に活用している。

ずいぶんと勉強になった。
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オムニ・チャネルの鍵は、
スマホが握っているとさえ、
私も思う。

何よりも、顧客にも従業員にも、
普及して、使い込まれているからだ。

マイクロストラテジー社の面白さは、
その「使い勝手」に特化したサービスを考えだすところだ。

本社でのレクチャーの後、ポトマック河畔に移動。

この会社の創業プレジデントが所有する豪華クルーザー。
ここでの情報交換と懇親会がメインイベント。
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Zolfaghariさんも、
自らやって来て、もてなしてくれた。
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美味しい料理とお酒に大満足。
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操縦席も革張りで豪華。
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もちろん、ひとり一人、
座って、ハンドルを握る。
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船内ではくつろいで談笑。
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ドリンクも食事も素晴らしかった。
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船上の冷たい夜風も、気分はいい。
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船首に出て、
首都の夜景を楽しんだ。
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最後は私の三本締め。
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ハードなアメリカ視察研修会での、
つかの間の休息。
忘れられない一夜だった。
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ずいぶん遅くなったが、
Zolfaghariさんや小泉さん、北村さんに
感謝しておこう。

世の中の動きは激しい。

イオンやセブン&アイの

オムニ・チャネル戦略。
まだまだマルチ・チャネルではあるし、
O2Oだと思う。

だからイオンは抑制して、
ホームページではこう表現する。
「お客さまにICT(情報通信技術)を駆使し、
実店舗とインターネットを連携させた
新しいショッピングスタイルを提供する
取り組みを推進してまいります」

しかしそれは急速に、
スピードを上げていきそうな予感をさせる。

12月20日の幕張新都心店、
注目しておこう。

〈結城義晴〉


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