勤労感謝の日の「朝に希望、昼に努力、夕に努力、夜に感謝」
勤労感謝の日。
朝に希望、
昼に努力、
夕に努力、
夜に感謝。
今月の商人舎標語。
勤労感謝の日に働く。
小売りサービス業従事者。
だからこそ、より重い。
だからこそ、より尊い。
結城義晴著『メッセージ』より、
「働くこと」
「働くこと」への深い理解が求められている。
働くことの中身。
働くことの実態。
働くことの動機。
働くことの目的。
そして働くことの喜び。
どんな環境の中で働くか。
どんな時間帯に働くか。
どんな制度の中で働くか。
どんな会社で働くか。
そこからどんな働き甲斐が生まれてくるのか。
私たちは誰もが、このことに対して、
自分なりの回答を用意しておかねばならない。
それなくしては、
企業活動も、
組織運営も、
日常生活もまっとうできない。
経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の
意味を示さねばならない。
そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように明快な「働くこと」の
意思を伝えねばならない。
「働くこと」を通じた意思疎通は、
「労働」への深く、謙虚な理解から
生み出されるのである。
朝日新聞の巻頭コラム『天声人語』。
勤労感謝の日に、
美輪明宏の「ヨイトマケの唄」を思い出す。
「お偉いさんよりは、
美輪さんの名曲の母ちゃんのように、
からだを使って黙々と働く
労働者のための休日という感じがする」
その通り。
「もひとつおまけにエンヤコラ……。
ヨイトマケの唄の掛け声よろしく、
みんなが働きがいを持ってもうひと踏んばりできる。
そんな社会をめざしていきたい」
まったくの同感。
アメリカでわが勤労感謝の日に当たるのが、
来週木曜日のサンクスギビングデー。
これが1カ月間のクリスマス商戦を決定づける。
日本では、今日明日の、
勤労感謝の日と日曜日が、
12月の歳末商戦を決める。
くれぐれも、心してかかりたい。
さて一方、毎日新聞『余禄』、
日経新聞の巻頭『春秋』。
ともに猪瀬直樹の記者会見を、
がっかりした論調で書く。
『余禄』。
禅の「一挨一拶」。
「いちあいいっさつ」と読む。
「挨」は軽く押すこと、
「拶」は強く押すこと。
「合わせて、押し合うさまをいう」。
「悟りの浅い身にはとても理解できぬ
巨額の現金の往復運動である。
それをもたらした一挨一拶の詳細は
都民にも分かりやすく説明してほしい」
『春秋』。
ノンフィクション作家・猪瀬直樹と、
東京都知事・猪瀬直樹。
「二人の猪瀬直樹が向き合って、
知事は作家を丸めこむことが
できるのだろうか」
勤労感謝の日の話題としては、
まったくふさわしくないものだ。
忘れてしまいたいが、
しっかり追求もしなければならない。
さて今日は、朝から、
立教大学池袋キャンパス。
中年の人たちが多いと思ったら、
こんなイベント。
本館時計台のところにたむろする。
アーチを潜り抜けると、
美しい秋の中庭。
本館の蔦は今年、
ひときわ赤い。
そして銀杏はやっと、
黄金の輝きを見せてきた。
私は結城ゼミ。
一人ひとりの研究が煮詰まって来て、
修士論文の追い上げ。
だから一人ひとり、
個別の指導をする。
12月21日(土)と22日(日)。
最後の新座合宿。
ちょうど1カ月後。
それまでの1カ月が、
最も重要な日々となる。
勤労しながら、
博士課程前期に臨み、
修士論文を仕上げる。
だからこそ、より重い。
だからこそ、より尊い。
私はMBAの院生たちを尊敬している。
ゼミ生を心から敬愛している。
そして全力で応援している。
そんな日々も、
あと1カ月半。
その間、毎日毎日、
繰り返されるに違いない。
朝に希望、
昼に努力、
夕に努力、
夜に努力、
そして深夜に感謝。
これこそ意義ある日々だ。
〈結城義晴〉